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レーダー講習用指導書(装備艤装工事編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


(8)他機器及び接続ケーブルとの関連
(a)概要
 通常、電気機器内で発生した妨害雑音(ノイズ)は、その機器自体と接続ケーブルによって放射や結合をしたり、電源ラインの電源を伝導して、他の機器に悪影響を与える。
 レーダーその他の電子機器や無線機器などで、電波を送信したりする機器は、低周波数帯から数百メガ・ヘルツ以上の高周波数帯に及ぶ妨害ノイズを発生する場合がある。
 また、逆に妨害ノイズにより悪影響を受けやすい機器もある。一般的に、妨害ノイズの影響を極力減少させるために、機器とケーブルの配置を適切にし、かつ、完全な接地工事を行わなければならない。
(b)関連法規
 レーダーの場合、船舶設備規程第146条の13第1項、第2項、及び無線設備規則第48条第1項には、レーダーの性能条件として他の設備の機能に障害を与えないこと、及び他の設備によって運用が妨げられるおそれのないように設置すべきことが規定されている。
(c)ノイズの種類
 ケーブル相互間で影響するノイズは、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズに分けられる。
(i)ノーマルモードノイズ(図2.32参照)
 このノイズは、回路線に逆相で結合するノイズである。ディファレンシャルモードノイズともいう。
 
(拡大画面:17KB)
図2・32 ノーマルモードノイズ
 
(ii)コモンモードノイズ(図2.33参照)
 このノイズは、回路線に同相で結合するノイズである。ただし、結合する電圧が違う場合、その差分がノーマルモード成分になる。
 
(拡大画面:10KB)
図2・33 コモンモードノイズ
 
 ノイズの結合の仕方には、次の(1)〜(3)がある。
(1)電磁結合ノイズ
 周囲の電気回路によって機器の入出力信号ケーブルに生じる磁束の変化により、その信号ケーブルに誘起されるもの。
(2)静電結合ノイズ
 機器の入出力信号ケーブルと周囲の電気回路との静電容量結合によって、その信号ケーブルに発生するもの。
(3)放射結合ノイズ
 機器の入出力信号ケーブルが一種の空中線となり、外来電波によって、その信号ケーブルに発生するもの。
*:ノイズの種類については、JMS−9802(船舶電気装備技術基準)−1973による。
(d)ノイズの除去(日本船舶標準協会規格・・・JMS9811−1979)
 各機器間及び機器内のケーブルの布設においては、電線路の分離、より(撚り)(ツイスティング)、遮へい及び接地等の技術を利用し、事前に十分注意して計画を立てることが必要である。
イ. 電線路の分類
 電線路は、電線路の相互間隔、接地、遮へい等の処理の便宜上、次の2種類に分類し、下記(1)(2)を除く電線路を一般電線路とする。
(1)妨害電線路
・高周波無線機器の送信電力伝送電線路
・超音波機器の送受波器用電線路
・大電力伝送電線路で、特に開閉回路を伴うもの
・電磁バルブ等誘導負荷制御用電線路
・高レベルのデジタル信号電線路
・その他機器に妨害を与える電線路
(2)敏感電線路
・各種、検出端からの入力信号伝送電線路
・本質安全機器に接続される電線路
・その他妨害を受けやすい微少信号電線路
ロ. 電線路の分離
 電線路の分離は次による。
(1)一般電線路と妨害電線路又は敏感電線路が並行する場合は、妨害電線路から一般電線路は450mm以上、一般電線路から敏感電線路は50mm以上離すこと。なお、やむを得ず敏感電線路と妨害電線路間に500mm以上の間隔がとれない場合は、その近接布設長は5m以下とすること。
(2)敏感電線路と妨害電線路を交差させる場合は、直交させるか、200mm以上の間隔をとって交差させること。
(3)敏感電線路と妨害電線路とを同一の多心ケーブルに収めてはならない。
ハ. 電線路の遮へい
(1)電線路の分離をしても効果のない場合や又は何らかの理由で分離ができない場合は、適当な遮へいを施して妨害を低減させること。
(2)電線路の遮へいは、接地された金属隔壁若しくは金属コンジットによるか又は適当な遮へい付きケーブルによること。
ニ. 電線のより(撚り)(ツイスト)
(1)特に低レベル信号を伝送する敏感電線路は、より線(ツイストケーブル)を用い、全長にわたって遮へいされることが望ましい。
(2)より線は、次の各号によることが望ましい。
(i)対称性に注意して均一による(撚る)。
(ii)よりのピッチは約5cm以下とする。
ホ. ケーブルの接地
 ケーブルの遮へいの接地は原則として次の方法による。
(1)敏感電線路で特に低レベル信号を伝送する電線路の遮へいは、一端のみで接地し、信号の経路として使ってはならない。また、遮へいが途中で船体と接地しないように絶縁された、遮へい付きケーブルを用いることが望ましい。
(2)敏感電線路では、機器側で接地すること。ただし、検出端が接地されている場合は検出端で接地すること。
(3)敏感電線路では、電線路の長さが妨害信号の1/8波長以上となる場合は、一端接地でなく両端で機器の外箱に接地する方が望ましい。
(4)遮へいは、一つの心線と同様に考え、電線の布設全長にわたって連続させること。ケーブルが接続箱等により中継される場合は、遮へいのための端子を設け、遮へいの相互接続を行うこと。
(5)妨害電線路の遮へい又はがい装の接地は、電線路の両端で行うこと。なお、そのがい装は、なるべく多くの箇所で、自然接地することが望ましい。
(6)機器の据付けボルト又は箱体で自然接地するような場合は、すべての接触面に電気的導通がなければならない。塗装の除去及び、さびや汚れの除去にも注意を払い、必要によっては導電性防食塗料を塗布するなどして、長期間にわたって、接地効果を保つように配慮しなければならない。
ヘ. その他の注意事項
 単心ケーブルを使用しなければならない場合は、その往復線はできる限り接近して布設し、ケーブルによってループが形成されないように注意しなければならない。
 
練習問題
(問1)航海用レーダーによって、50海里離れた所にある400mの高さの山を探知するためには、空中線の高さを幾らにすればよいか。理論値で答えよ。
(問2)レーダーを二台装備する場合の、空中線に関する注意事項について述べよ。
(問3)Xバンドのレーダー設置工事で、導波管を下図のように布設した。送受信部から空中線部までの導波管によるエネルギーロスを計算せよ。
 







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