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2.3.5 配線器具
 船用配線器具は、できる限り日本工業規格(JISF)及び日本船舶標準協会規格(JMS)品を使用すべきであり、これらには次の標準規格が制定されている。
 
電通貫通金物 JISF 8801、8802    
端子盤 8813    
小形接続箱 8821 JMS 8822
プラグ、レセプタクル 8836、8838 8831、8835
小形スイッチ 8841 8840
回転スイッチ 8845    
防爆灯制御スイッチ 8846    
照明灯光度加減器     8851、8852
 
 上記のほか、配線器具としてはJISF、JMSで次のものが標準化されている。
(1)区電盤 (JMS 8828)
 配電盤から電力を受けてこれからさらに分岐して他の区電盤、分電盤に給電する盤で、分岐回路に配線用遮断器(MCCB)又はヒューズ付スイッチを備え、金属箱に収められている。
(2)分電盤 (JMS 8828)
 区電盤とほぼ同様であるが、一般に分電盤の分岐回路は直接負荷へ給電する。
 ただし、電源側にスイッチがある場合には各分岐回路にはヒューズのみを備えればよい。
 なお、JMSで制定されている区電盤及び分電盤は回路電圧が250V以下の主として電灯に給電する目的のものであるが、動力用の区電盤及び分電盤についても電圧の相違による部分を除いては上記の区電盤及び分電盤に準じて設計すればよい。
(3)船外給電箱(JMS 8825)
 船外(おもに陸上電源)から船内に給電する際に、船外給電線と配電盤にいたるケーブルとを接続する接続箱であって、ケーブル接続用端子、接続器又はヒューズ付スイッチ、極性検知器(直流の場合)又は相回転指示装置(交流の場合)を備えている。
 船外給電箱と配電盤間のケーブルは、固定配線として、配電盤上に電源表示灯及びスイッチ又は遮断器を備えなければならないが一般には遮断器が使用される。
 船内の発電機電源と船外電源が非同期の状態で並列に接続されることを防止するために発電機用ACBと配電盤上の船外給電箱用遮断器とは相互にインターロックをとるのが普通である。船外給電箱の電流容量は一般には船の接岸時又は入渠中における船内の保守及び居住に必要な負荷へ給電出来る容量とする。
(4)冷凍コンテナ用ソケットアウトレットボックス(JIS F 8837)
 電源レセプタクル(250V−60A/500V−32A)、遮断器およびモニタ用レセプタクル(24V−10A)を組み込んだ外被の保護形式IP56のアウトレットボックスである。
 なお、就航航路や船主によっては国際的互換性に注意する必要がある。(ISO1496/2、JIS Z 1619)







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