日本財団 図書館


4. 一次電源
(1)供給電圧(船舶設備規程による)
(a)動力設備(小形電気器具を除く)500〔V〕以下
(引火点61〔℃〕以下の油を積載する船舶にあっては250〔V〕以下)
(b)照明設備及び小形電気器具250〔V〕以下
(引火点61〔℃〕以下の油を積載する船舶にあっては150〔V〕以下)
(c)電熱設備(小形電気器具を除く)250〔v〕以下
(2)発電機及び同用原動機の容量と毎分回転数
(a)容量は4・1・3項で述べる算定による。
(b)毎分回転数は経済性を考慮し、なるべく標準形を選ぶ、その場合容量の多少の増減はやむを得ない。
 
(1)供給電圧(船舶設備規程による)
(a)動力設備(小形電気器具を除く)三相の場合には450〔V〕以下、単相の場合には250〔V〕以下
(b)照明設備及び小形電気器具 150〔V〕以下
(c)電熱設備(小形電気器具を除く) 250〔v〕以下
(2)発電機及び同用原動機の容量と毎分回転数
 次の算式による
発電機及び同用原動機の毎分回転数= 〔min−1
f:周波数〔Hz〕、P:発電機の極数
 ただし、4・1・1(2)で述べたとおり経済性と標準性を考慮する標準周波数f=60〔Hz〕が通常である。
(3)発電機の容量と力率
(a)容量は4・1・3項で述べる算定による。ただし原動機の関連において多少の増減はあり得る。容量表示は〔kVA〕表示である。
(b)力率は通常80%である。(特殊の場合を除く)
したがってkW=kVA×力率となる。
 
(1)容量算定
 発電機容量算定は電力調査表によって行う。すなわち、船内のすべての電力消費機器、例えば、電動装置、照明装置、電熱装置、通信装置などをリストアップする。これらの負荷を航海中、出入港時、荷役中、停泊中などの運転区分に分けて使用するものを仕分けし、さらに需要率、不等率を考慮して合計入力を算出する。この合計入力に基づいて発電機容量を決定する。
 決定する時に注意するべきことは
1)運転区分が本船の負荷の最大と最小の状態、最も長時間使う状態などを含むこと
2)最大の断続負荷が起動しても発電機が過負荷にならぬこと
3)設備費や燃費も最小となり、かつ保守費用も少なくて済むようにすることなどである。
(2)電力調査表
 主機の種類、船の種類(用途)などによって電力調査表の要目は異なるが、以下一例を示す。(その他の船はこれに準ずる)
 
ディーゼル貨物船の場合の一例
C.L:連続負荷、I.L:断続負荷
(拡大画面:44KB)
 
 電力計算する場合負荷に対しては需要率と不等率を考慮しなければならない。これは最も適切な発電機の容量と台数を決定するために必要である。
(a)需要率
 需要率とは機器の使用の程度をあらわすもので、連続負荷にも断続負荷にも用いられる。
 いいかえると
(拡大画面:6KB)

需要率の経験値
機器名 需要率〔%〕
一般補機 60〜95
操だ機 20〜30
電熱器 50〜100
一般電灯 70〜80(航海中)
60〜70(荷役中)
50〜60(停泊中)
投光器 100(出入港時、荷役中)
 
(b)不等率
 不等率とは、ある系統内の各個の単位負荷はそれぞれの特性に応じて変動し、その最大負荷となる時刻は相違するのが普通で、この負荷の変化の程度を表すために用いられる。この考え方を断続負荷群に適用したもの。
不等率=各負荷の最大需要電力の和/総合最大需要電力
いいかえると
不等率=1群の断続して使用する各負荷の最大需要電力の総和/その群において同時刻にかかる負荷総和の最大負荷電力
 不等率は1より大なるためこの逆数、すなわち1/不等率〔%〕として用いられその値は負荷によって異なるが30〜60〔%〕が一般的である。
 なお、断続運転負荷需要電力の代わりに断続負荷のうちの最大出力の電動機及びこれと同時に運転が予想される負荷を加算する方が妥当な場合が多いので、この場合の検討も行っておくべきである。
(c)負荷率
 発電機の容量については次の関係がある。
注:予備発電機が設置されていて、完全に予備として使用する場合には、発電機容量には組み入れない。
 また、一般には次の関係をいう。
(1)4極の交流発電機で60〔Hz〕の交流を得るためには同期速度はいくらにしたらよいか。
(2)交流発電機の毎分回転数3,600〔min−1〕である、極数はくらか、ただし周波数は60〔Hz〕とする。
(3)下記のような電動機の設備で最大需要電力は30〔kW〕である。この場合、動力負荷の需要率はいくらか。
7.5〔kW〕電動機2台、5.5〔kW〕電動機2台、3.7〔kW〕電動機3台
2.2〔kW〕電動機5台、0.75〔kW〕電動機2台、0.4〔kW〕電動機1台
(4)電灯負荷は36〔kW〕で、その需要率は75〔%〕、電動機負荷は50〔kW〕で、その需要率は45〔%〕である。電灯負荷の最大需要と電動機負荷の最大需要が同時に起きるとすれば、全体の最大需要電力はいくらか。
(5)設備容量の合計42.5〔kW〕、負荷の力率85〔%〕、需要率56〔%〕の設備がある。この場合の変圧器の容量はどれほどにしたらよいか。ただし変圧器の容量は二次側(出力側)の〔kVA〕で表すのが通常である。
(6)不等率について説明せよ。
(7)発電機の負荷率について説明せよ。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION