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初級講習用指導書(電気機器編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2・8 直流機
 船舶の電気機械は現在では一般に交流化しているので、直流機器の採用の比率は非常に少なくなっているが、直流電動機がトルクと速度に於て任意の制御特性を得易いために、石油掘さく船、浚渫船等の特殊装置や、砕氷船、海洋調査船、特殊作業船などの特殊な制御特性を要する推進装置等に採用される事例がかなり多く見うけられる。
(1)種類
 直流発電機は直流機器の共通電源として使用される定電圧直流発電機と、ワードレオナード制御のように電動機の速度制御の目的で使用される可変電圧直流発電機に用途的な観点から大別されるが、一方励磁電源の取り方を示すものとして、他の直流電源を利用する他励方式と、自分で発生した電圧を利用する自己励磁方式に分けられる。自己励磁方式の場合、さらに、その電流の取り方によって分巻励磁、直巻励磁及びこれらの両者を混用した複巻励磁に分けられる。
 上記に示すこれらの励磁に使用される夫々の巻線を他励界磁巻線、直巻界磁巻線という。直流発電機は通常、励磁の仕方によって他励発電機、分巻発電機、複巻発電機と呼称され、用途によって適宜使い別けられている。図2.119はこれらの発電機の界磁巻線の接続をそれぞれ示している。
(拡大画面:22KB)
図2.119 各種直流発電機の基本結線
 
(2)構造
 形式としては防滴保護、自己通風形が普通で、特に大容量機では空気冷却器付きの内冷形とすることがある。軸受支持構造にはブラケット形、ペデスタル形の2方式があり、原動機との結合関係によって、片持軸受方式、両軸受方式のいずれかが採用される。軸受には軸受メタルを使用するすべり軸受か、ころがり軸受の何れかが使用される。すべり軸受の場合、その潤滑油には、自己給油方式と強制給油方式の2方式があるが、後者の場合、原動機から潤滑油をもらう方法が多用されている。原動機と反対の側のすべり軸受の支持台は軸電流を防止するため、絶縁ライナ、絶縁ボルト、絶縁座金及び絶縁ピンなどにより据付ける構造とし、強制給油の場合には油管もフランジ部分で絶縁される直流発電機で最も重要な部分は整流子であり、これの不良は整流不良あるいはフラッシオーバー等の大事故の原因となるため、整流子まわりにはとくに保守点検が容易にできるような構造上及び配置上の留意が望ましい。
(拡大画面:34KB)
図2.120 直流発電機の構造断面
 
(3)特性
(a)他励発電機
 無負荷時の発電機の誘起電圧は界磁の磁束数と発電機の回転数に比例して現われる。したがって、励磁を不変として原動機により運転すると、原動機の速度変動特性のために、発電機誘起電圧は抵抗による電圧降下と電機子反作用の減磁効果による電圧降下のために幾分垂下ぎみとなり、図2.121に示すような外部特性曲線となる。
図2.121 他励発電機の外部特性曲線
 
図2.122 分巻発電機の外部特性曲線
 
(h)分巻発電機
 他励発電機の場合には図2.122中のA曲線のようなわずかな垂下特性となるのに対し、分巻発電機では励磁電流が端子電圧に比例するため、この端子電圧の降下のために励磁電流が減り、結局B曲線の特性となる。OQは発電機の端子を短絡したとき残留磁気のために流れる電流である。分巻発電機の安定特性範囲はEoP間である。
(c)複巻発電機
 複巻発電機は分巻界磁に直巻界磁による励磁方式を付加したものであり、普通、内分巻接続が多い。直巻界磁による特性は図2.123の曲線C1〜C4等であり、この直巻界磁と分巻界磁とを合成した最終の特性が曲線A1〜A4である。
図2.123 複巻発電機の外部特性曲線







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