日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 技術 > 海洋工学.船舶工学.兵器 > 成果物情報

初級講習用指導書(電気機器編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2・3 変圧器
 変圧器の基本的原理を次に示す。
(拡大画面:66KB)
(拡大画面:86KB)
 上記のように変圧器は電磁誘導作用を応用して、交流電圧を任意の大きさに変える機器である。その主要部は鉄心に2組の巻線を巻いたもので電源側(一次側)を一次巻線(Pコイル)、負荷側(二次側)を二次巻線(Sコイル)という。
図2.28 変圧器の基本構造
 
 Pコイルに周波数がf〔Hz〕で実効値がV1〔V〕の交流電圧を加えると鉄心に交番磁束φ〔Wb〕が生じφはP・S両コイルを貫く。したがって、自己誘導によってPコイルにE1〔V〕相互誘導によってSコイルにE2〔V〕の交番起電力を誘導する。
 今、Pコイルの巻数をN1、Sコイルの巻線をN2とすると一次側、二次側の誘導起電力は、それぞれの巻数に比例するのでφm〔Wb〕を磁束の最大値とすると
 E1=4.44fN1φm E2=4.44fN2φm
∴E1/E2=4.44fN1φm/4.44fN2φm=N1/N2=α
 E1は加えた電圧V1と方向が反対で大きさがほとんど等しいので次式の関係がなりたつ。
 V1/V2=N1/N2=α
 αを変圧比又は巻線比という。
 
 今二次側に負荷を接続しないで一次側に電圧V1を加えるとPコイルに電流I0が流れる。これを変圧器の励磁電流又は無負荷電流という。このI0によって鉄心内に交番磁束φが生じ、このφがSコイルに交鎖してSコイルに起電力E2を誘導する。次に二次側に負荷Zを接続するとE2によって二次電流I2が流れ起磁力I2N2による磁束φが生じ励磁電流による磁束φを減らそうとする。しかし磁束φが減ると一次の誘導起電力E1が減少し供給電圧V1との平衡が破れるのでφは減少
(拡大画面:20KB)
図2.29 負荷電流と磁束の関係を示す概念図
することができない。それでφ2を打ち消すためにPコイルに一次負荷電流I'1が流れる。このI'1によってI'1N1の起磁力が生じ磁束φが生じる。
 このφ1はφ2と反対方向で磁束φ2を打ち消すので磁束φのみが鉄心を通ることになる。故に一次と一次の起磁気力は等しく次の式が成り立つ。
 
(拡大画像:11KB)
 
 変圧器の極性とは、その端子に現われる誘起電圧の相対的、時間的の方向を表す。変圧器の電圧は供給電圧の周波数に等しい変化をしているものであるが、ある瞬間を考えれば電圧の方向は一定であるから、ただ1個の巻線を考えると極性の必要はないが同時に2個以上を考える場合には極性は極めて重要である。一次側をU1V1、二次側をU2V2としたときU1V1間に適当な電圧を加えU1U2を接続してV1V2間の電圧が一次電圧と二次電圧の和が表れる場合を加極性、差が現われる場合を減極性という。船舶のみならず一般に減極性が用いられる。
 
 変圧器に定格電流を流すときの一次及び二次巻線中のインピーダンスによる電圧降下(変圧器内部の電圧降下)をインピーダンス電圧という。実際に測定するには変圧器の二次側を短絡して、一次側に定格電流を流したとき、一次端子間における電圧をインピーダンス電圧といい、定格一次電圧の百分率(%)で表わし百分率(%)インピーダンスと呼ばれる。
 変圧器のインピーダンスの値は変圧器の経済的な設計、電圧変動率及び短絡電流を考慮して決められ百分率インピーダンスは変圧器の電圧変動や二次短絡電流を計算する場合に使用される。
 変圧器の電圧変動や二次短絡電流を計算する場合、一般に次式で示される百分率インピーダンス又はパーセントインピーダンスと呼ばれる数値が使用される。
(拡大画面:25KB)
 通常、百分率インピーダンス(Zp)は百分率抵抗値と百分率リアクタンス値とに分けて示されるが、これらをそれぞれrP%、XP%とすると、
Zp√rP+XPの関係がある。







サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
18位
(30,551成果物中)

成果物アクセス数
370,497

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年3月23日

関連する他の成果物

1.初級講習用指導書(電気艤装工事編)
2.レーダー講習用指導書(機器保守整備編)
3.レーダー講習用指導書(船舶自動識別装置、航海情報記録装置、衛星航法装置編)
4.無線設備講習用指導書(基礎理論編)
5.無線設備講習用指導書(艤装工事及び保守整備編)
6.無線設備講習用指導書(法規編)
7.船舶電気設備関係法令及び規則(強電用)
8.船舶電気設備関係法令及び規則(弱電用)
9.船舶電気装備資格者名簿
10.初級講習用指導書(電気装備概論編)
11.初級講習用指導書(電気工学の基礎編)
12.中級講習用指導書(電気計算編)
13.中級講習用指導書(電気装備技術基準編)
14.中級講習用指導書(電気艤装設計編)
15.中級講習用指導書(試験検査編)
16.レーダー講習用指導書(基礎理論編)
17.レーダー講習用指導書(装備艤装工事編)
18.平成14年度海事国際条約・船舶安全コース研修実施報告書
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から