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付録1.3 IMO・DSC編集・技術作業部会報告
[I]会合の概要
(1)平成15年3月15日〜21日 ロンドンIMO本部
(2)参加国又は機関
 バハマ、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、仏、独、日本、蘭、ノルウェー、パキスタン、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国、DGAC、ICS、IRU及びVOHMA
(3)議長等
議長:Ms. Olga P. Lefevre(仏)
事務局:Mr. I. Rahim
(4)日本からの出席者(敬称略)
濱田 高志 日本海事検定協会
(5)主な議題
(1)IMDGコード第31回改正内容の訂正
(2)IMDGコード第32回改正案
(3)主管庁承認
 
[II]審議結果の概要
(1)IMDGコード第31回改正内容の訂正
 DSC 7および今会合に提出された文書をもとに「Errata and Corrigenda」案を作成した。本「Errata and Corrigenda」案は9月に開催されるDSC 8の承認を受けたのち発行される予定である。
 
(2)IMDGコード第32回改正関連事項(国連勧告13回改正)
(イ) くん蒸中の貨物輸送ユニットにクラス9の危険物が収納されていない場合には当該ユニットにクラス9のプラカードを貼付する必要がないことが合意され、その旨をコードの本文および特別要件SP910に規定することとした。(DSC 7/3/15)
(ロ) IMOタイプコンテナの使用に関するガイドラインは、当初今回会合に英国より案文が提出されることとなっていたが、作成が遅れているため今回会合には提出されず、次回DSCに提案されるとの報告があった。(DSC 7/3/5及びDSC 7/3/25)
(ハ) ヨーロッパ諸国からの提案を基に隔離グループ及び隔離規定の改正を行った。同見直しの結果、隔離規定の変更を行うとともに新隔離グループ「アルカリ類」を追加した。(DSC 6/3/15及びDSC 7/3/3)
(ニ) クラス1.4を除き、火薬類はコンテナ船の最も外側のrowに積載してはならないとする規定を追加した。(DSC 7/3/11)
(ホ) N.O.S.エントリーに関し、当該物質が何れかの隔離グループに該当する場合には、荷送人はその旨を運送書類に記載しなければならないとする規定を追加した。これに関連して、すべての物質がいずれかの隔離グループに該当するわけではなく、書類中に隔離グループに関する記載がない場合もあるとの注を追加した。(DSC 7/3/24)
(へ) DSC 7にて合意された620kg/m3以上に密度を持ったサイザル麻の非開放型貨物輸送ユニットによる運送はコードの適用を受けないとする要件を特別要件299に追加するとともに、400kg/m3以上の密度を持つフラックスもコードの適用を受けないとする特別要件を追加した。(DSC 7/3/6)
(ト) 第29回改正には採り入れられていたが、第30回改正には採り入れられていなかったポータブルタンクの船上での注排出の禁止に関する規定を追加した。(DSC 7/3/8)
(チ) 救命機器類に関し、100ml以下の炭酸ガスボンベを内蔵しているが他の危険物を内蔵していない救命機器類は、一定の包装形態を条件としてコードの適用を受けないとする除外規定を追加した。なお英国は国連危険物輸送専門家委員会にも同様の提案を行う予定である。(DSC 7/3/27)
(リ) クラス1.4物質の積載規定に関する見直しは具体的提案等がないため行われず、オランダ及び英国が今後の会合に具体的な提案を行うことが確認された。(DSC 7/3/27)
(ヌ) 現在2種のエントリーに分かれているエアゾール(UN1950)を統合することが合意された。(DSC 7/3/29)
(ル) セキュリティーに関する1.4節については、DSC 8での検討を待つこととして具体的な検討は行わなかった。
(ヲ) 国連勧告では過塩素酸カルシウム(UN1748、UN2208及びUN2880)の輸送にIBC及びポータブルタンクを使用することが認められているがDSC 5の決定に従い海上運送ではその使用を禁止することとした。
 
(3)主管庁承認
 主管庁裁量による免除規定を導入するための7.9節の改正案に関しては、当該危険物運送の関係国(積出国、受入国及び旗国)のうち、いずれの国(又は複数の国)が免除を与えてもよいとするが、免除を与えた国(又は複数の国)以外の国がその免除に同意するか否かはその国の自由であるとすることで合意した。なお、免除を受けた者は運送関係国の主管庁に確認のために連絡をとることが要求されるため、実質上は関係各国すべてが合意しなければ当該危険物の運送は不可能となる。本改正案は第32回IMDGコード改正案の取り入れられると同時に、MSCサーキュラー案として5月に開催される次回MSCに提出され審議されることとなる。
 
(4)その他
 第32回IMDGコード改正案はDSC 8にて審議され、さらにその後、再度E&Tグループによる検討が行われ、採択のためMSC 78に提出される予定である。







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