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9. ターミナル代表者のための固体ばら積み貨物の荷役マニュアルの策定(議題9関連)
 米国をコーディネーターとする非公式コレスポンデンスグループが策定した上記手引書案(DSC 7/9/1)の検討が行われた。これに対し、オーストラリア、バハマ、ICS等は手引書案の多くの部分がBLUコードと重複しており、もし必要であればBLUコードの改正を行うことで十分であると指摘し作業を継続すべきではないと主張した。一方、ギリシャ、独、ICHCA等は当該手引書の必要性を指摘し、作業の継続を主張した。また、キプロスも、小委員会はMSCの指示に従う義務があるとして作業を継続すべきであるとの見解を示した。審議の結果、作業を継続すべきかどうかMSCに再度問うべきであるとの意見が大勢を占めたため、MSCに対しアドバイスを求めることとなった。
 
10. コンテナの重大構造欠損に関するガイダンス(議題10関連)
 事務局提案(DSC 7/10)及びスペイン提案(DSC 7/10/1)が紹介され、コンテナ安全条約(CSC)プレートに関する違反、安全性に影響を及ぼす重大構造欠陥を有するコンテナであるかどうか等を判断するためのマニュアルを作成するコレスポンデンスグループを設立する提案が審議された。
 IICL及びICSは、既存の基準が十分に機能しているため新たなガイダンスを作成する必要がない旨発言したが、我が国をはじめデンマーク、キプロス等多数の支持によりコレスポンデンスグループ(スペインがコーディネーター)の設置が合意された。我が国は、本コレスポンデンスグループに参加する旨表明した。
 
11. 海上保安を強化するための措置(議題11関連)
(1)プレナリーでの審議(DG開催前)
(イ)MSC75による検討結果(DSC 7/11)
 事務局より、海上保安に関するMSC75の検討結果が報告された。そのうちDSCは以下の勧告等をレビューすることが求められている。
(a) 港湾地域における危険貨物の安全運送等諸活動のための勧告(MSC/Circ.675)
(b) 貨物輸送ユニット(CTUs)への貨物の収納に関するIMO/ILO/UNECEガイドライン(MSC/Circ.787)
(c) CTUsへの貨物の収納に関するIMO Model Course 3.18
(ロ)国連危険物輸送専門家小委員会における検討状況(DSC 7/11/1)
 事務局より、国連危険物輸送専門家小委員会におけるtransport securityに関する検討状況が紹介された。英から国連に対して、危険物輸送に関する国連勧告(以下「国連勧告」という。)の改正案が提出されている。
 IMDGコードが国連勧告と全面的に整合を取っていることを踏まえ、英は本小委員会においてもこれを検討することを提案したが、我が国、仏、独等が、国連での審議に先立って本小委員会で検討することは不適切である旨指摘したため、見送られた。
 
(2)DGでの審議
 ISPS Code等の他の規則及びWCO、ILO、UNECE等における検討状況を考慮しつつ、本件の検討の方向性を審議するため、DGが設置された。(我が国は不参加)
DGは、上記勧告等の改正案を準備するためのCGの設置を小委員会に要請した。(詳細についてはDSC 7/WP.4を参照のこと。)
 
(3)プレナリーでの審議(DG開催後)
 DGより、今後改正の必要があり得る文書のリストが提出されたが、我が方よりリストアップされた文書が広範囲に渡りすぎ今後の扱いに困難が生じる可能性があるため合意できない旨述べたところ、バハマよりの支持を得、また、米国も改正の必要があり得るとするのは時期尚早であると指摘し、結果、このリストについては単にノートするに留めることとされた。
 CGの設置については時期尚早であること、本件に関する更なる作業は本年12月の外交会議、WCOやUNECEにおける議論の結果を待つべきである旨合意し、各国に対して、上記勧告等の改正に関する提案を提出するよう要請した。
 また、MSCに対して、DSC 7における検討結果及びISPS Codeの最終ドラフトを考慮して、本小委員会に対し適切な指示を行うよう要請することとした。
 
12. 作業計画及びDSC8の仮議題(議題12関連)
 DSC小委員会の作業計画及び次回会合(DSC8)の議題につき、DSC 7/WP.1に基づき審議された。今次会合にて、審議が終了した「複合輸送モードのための訓練要件の策定」及び「コンテナ船部分風雨密ハッチカバーに搭載するコンテナの積付けと隔離」が作業計画から削除された。また、今次会合において最終化を予定していた「貨物固定マニュアル」は目標年が2002年から2003年に、「BCコードの見直し」は目標年が2002年から2004年に変更された。なお、本作業計画については、MSC76に送られ承認される予定である。
(1)次回会合に設置するWGは以下のとおり。
・BCコードの見直し
・コンテナの重大構造欠損に関するガイダンス
・海上保安の強化
[・MARPOL附属書IIIの見直し]
(2)次回会合に設置するDGは以下のとおり。
・貨物固定マニュアル
(3)次回会合までに設置するCGは以下のとおり。
・コンテナの重大構造欠損に関するガイダンス
(4)次回開催は、2003年9月22日から26日を予定。
 
13. 2003年の議長及び副議長の選出(議題13関連)
 2003年の議長として仏のMrs. Olga Pestel Lefevreが、副議長としてチリのCapt. Juan Pablo Heusserが選出された。
 
14. その他の議題(議題14関連)
(1) コンテナの安全性に影響を与える構造的変更を行った場合の再承認のために適用するその構造的な変更分類ごとの技術的承認基準をCSC条約附属書1第5章11規則に規定するための改正を提案するスペイン提案(DSC 7/14)について審議されたところ、英国等が反対し本提案は受け入れられなかった。議長は、本提案は条約を改正するものなので委員会ガイドラインの手続きに則りMSCに作業計画を提出するよう要請した。
(2) 貨物輸送ユニットに危険物の収納に従事する作業者及び危険物を収納した貨物輸送ユニットを運送するトラック運転手に注意喚起を促すチラシを作成したことに関する情報提供をする英国提案(DSC14/1)は、ノートされた。







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