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第6章 霧の簡易的予測法
 高松地方気象台について、気温、海水温、湿度の測定値を利用した図9に示すような予測図が紹介されている。
 
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図9 霧発生の予測図(高松地方気象台)
 
第7章 航海上の注意
○航海者にとって「時化」と「霧」(視界制限状)は最も安全航行を疎外するものである。内海での強風は、特殊の場合を除き大型船にとってさほどの難敵でなく、一番困難な状態は霧等の視界制限状態である。
 
○衝突予防装置アルパ(Automatic Radar Plotting Aids)は改良されているものの、有視界航行よりは情報の精度は低下する。
 
○視界制限状態にある水域を航行する場合は、「海上衝突予防法」を特に遵守しなければならない。
 
○視界の状況に関する予測は非常に困難であるが、航海関係者にとって大変重要であり、精度の向上が望まれる。
 
○安全のみを考慮すれば、狭視界時には航海を中止すれば、衝突の可能性は極減するが、経済的に成立しない。従って、視界の程度、本船の航海従事者の能力等により、深甚の注意を払って航海することになる。
 
注)
日本気象協会発行「港湾気象海象シリーズ16第4編第1部第2節 瀬戸内海の水先業務と気象・海象について 吉永 敦 著」から抜粋した。
 
参考文献
霧と層雲の話し(2000):澤井哲滋、第34回夏期大学「雲をつかむ」日本気象学会、61−72.
百万人のお天気教室(2000):白木正規著、成山堂書店
気象の事典(1986):平凡社、528pp.
気象科学事典(1998):日本気象学会編、東京書籍、637pp.
続・日本全国沿岸海洋誌(1990):日本海洋学会編、東海大学出版会、839pp.
日本気候表(2001):気象庁、320pp.
気象海象要覧16−瀬戸内海(1998):日本気象協会、542pp.







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