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「人口と開発」 冬 No.81

 事業名 基盤整備
 団体名 アジア人口・開発協会 注目度注目度5


オタワ・コミットメント(公約) 2002年11月23日
 
 世界各地からオタワに集った私たち国会議員は、「国際人口開発会議(ICPD)行動計画」に対する私たちの公約を再確認し、「行動計画」およびその五年目の進捗状況の評価の中で明確になった“カギとなる行動”の実施を更に推進するために行動を起こす。
 さらに、持続可能な開発、およびその三つの柱−経済成長、社会の進展、環境保護に対する私達の公約を確認する。
 私たちは、国会議員として一人一人でも集団としても、――人々の権利とニーズを擁護する者として、彼らの権利を保護する法律を作る立法者として、国民のニーズを解決に向ける上で必要となる、資源(金)を動員し、それを可能にする環境を創出する政策形成者として――人々と政府との掛け橋としての重要な役割を理解し、受け入れる。
 私たちは更に、人口問題は他の全ての開発課題に影響を与える横断的な問題であり、従ってミレニアム開発目標(MDG)、特に以下の目標−貧困および飢餓の撲滅、安全でない中絶との戦いおよび性に関する健康およびリプロダクティブ・ヘルス(人口再生産に関わる健康)・リプロダクティブ・ライツ(人口再生産に関わる権利)の改善を含む妊産婦の健康状態の改善、およびHIV/AIDSとの戦い、初等教育の普遍的実施、男女平等と女性のエンパワーメントの促進−を達成する上で不可分であることを理解し、受け入れる。
 
 私達は、更に以下のことを認識している。
 人口とリプロダクティブ・ヘルスに対する二〇〇〇年時点で百七十億ドルの地球規模での資金目標に対し、三四%不足している。国内から動員する資金の二四%、外部から動員する資金の約五五%が不足している。
 地球上に住む人々の半分は一日二ドル以下で生活しており、十二億人は一日一ドル以下で生活しており、その半数以上が女性である。
 政治的な不安定が貧困撲滅と持続可能な開発の障害となっている。
 世界的に見て、八億四千万人が栄養失調状態であり、五歳以下の乳幼児六百万人を含む多くの人々が、恒常的な飢餓と栄養失調ために死亡している。
 現在四千万人の難民および国内避難民がいると推計されているが、その多くがリプロダクティブ・ヘルス・サービスを利用できていない。
 二〇〇〇年において、五億八百万人が水ストレス(注1)の国に住んでおり、二〇二五年には三十億人がそのような国に住むことになる。
 
   ●注1  一年間国民一人あたり一七〇〇m3以下の流出水量(降水量から植物及び地表の蒸発散分を除いたもの)を意味する。一〇〇〇m3では水欠乏(Water Scarce)となる。
 
 現在十億人の思春期の若者が人口再生産年齢(注2)に入っている、または入ろうとしており、その多くがリプロダクティブ・ヘルス教育とサービスを利用することができない。
 
   ●注2 通常十五歳〜四十九歳
 
 毎年、五十万人以上の女性が、妊娠・出産で死亡しており、その他に七百万人が感染症にかかり、外傷を負っている。
 世界中で三億五千万人の女性がさまざまな安全で効果的な避妊を利用できないでいる。その結果、毎年一億七千五百万人が、望まない妊娠、または望まない時期の妊娠を余儀なくされている。
 世界中で数億人に上る女性のリプロダクティブ・ヘルスおよび家族計画に対するニーズは無視されつづけている。特にアフガニスタンのような国では、数十年にわたってそのニーズを満すことができない状況におかれている。
 毎年四千万人近い妊娠中絶が行われており、それはしばしば安全でない条件のもとで行なわれている。毎年、約七万八千人の女性、一日に二百二十七名の女性が安全でない妊娠中絶の結果、死亡している。
 二〇〇一年には新たに五百万人がHIV感染し、その中に八十万人の子供が含まれる。そして、三百万人がAIDSで死亡している。
 千三百四十万人のAIDS孤児がおり、その多くが世帯主となっている。
 HIV新規感染者の半分は十五歳から二十四歳の青年層であり、少女が特に危険にさらされることになる。
 現在、世界には四千万人のHIV/AIDS感染者がおり、そのうち二千八百五十万人がアフリカにいる。
 HIV/AIDSに対する防護のためのコンドームが年間八十億個不足している。
 二〇五〇年までに六十歳以上の高齢者人口は六億人から二十億人へと増加する。高齢者人口比率は一〇%から二一%へと倍増し、その多くが生活困窮者で社会・保健サービスに対する公的支援を必要としている。
 
◇行動の呼びかけ
 ここオタワに集った私達国会議員が以下の行動を取る上でコミットし、および世界中の国会議員がこれらの行動にコミットするように呼びかける。
・国家開発予算の五%から一〇%を人口とリプロダクティブ・ヘルス・プログラムに向けるという目標を達成するよう懸命に努力する。
・GNPの〇・七%をODAに向けるという合意された目標達成のため努力する。そして、ICPD行動計画実施に必要とされる合意された推計資金を動員するために、できる努力を全て行う。
・各国の保健および貧困削減の枠組みの中において、予算配分ならびにプログラム活動の両面で、誰でもリプロダクティブ・ヘルス・サービスを利用できるようになること、に高い優先順位を与える。
・難民や国内避難民の性に関する健康およびリプロダクティブ・ヘルスのために政策形成し、実施し、さらに資金を提供する。
・少女や若い女性の人権を推進し保護する法および政策を制定・公布し、強制力を持って執行し、全てのレベルの意思決定における女性の平等な参画の確保と、いろいろな形で現れてくる有害な伝統的、文化的、宗教的慣行を含む、女性に対する全ての暴力・搾取・差別を排除する。
・女性の教育、雇用および生活における全ての男女格差を取り除き、少女への教育、技術・職業技能の向上、読み書きを教える手段、を採用・採択し、強制力を持って実施させる。
・公衆衛生における優先課題として、またリプロダクティブ・ライツにおける懸案としての、妊産婦死亡と疾病および安全でない中絶の削減を推進する。
・妊娠の持つリスクや労働と出産に対する知識を生み出し理解を図り、男性を含む家族それぞれの尊敬すべき役割と責任に対する理解を促進させ、妊産婦の健康を促進し保護する公衆衛生教育を支援する。
・国家開発および貧困撲滅戦略において、水−特に農村地帯における、および衛生(衛生的なトイレ)を優先的に扱い、特に水生産性(生産における水効率)の向上、人口安定、気候安定に力を注ぐ。
・貧困の中に住む人たち、特に女性が、土地を含む農業資源を利用しやすくなるよう改善し、公正で効率的な分配システムと持続可能な開発を推進する。
・HIV/AIDS政策を各国のリプロダクティブ・ヘルス政策と行動計画の実施の中に展開し統合する、HIV/AIDS感染者およびAIDS孤児の人権と尊厳を守るための立法を行う、HIV/AIDSを含むすべての性行為感染症の感染を防止する教育とサービスの提供を行う、ために必要となる政治的意思を喚起する。
・就学しているか否かを問わず、思春期の若者たちが彼らの性およびリプロダクティブ・ヘルスのニーズに関する“良く情報を得た上での選択や決定”を責任を持って行うために必要となる情報やサービスを入手できるようにする。
・二〇一五年までに全ての人がリプロダクティブ・ヘルス・サービスを利用できるようにするために政府、ドナー、市民社会、そして民間部門が政府の支援の下で協同して働き、できる努力を全て行うことで、この目標を達成する。
・各国の開発計画による支援およびそれを実施するために資金を利用可能とすることで男女別統計データの収集・分析・普及能力を構築または強化する。
・高齢者による経済的、社会的、文化的、政治的権利の享受を促進し、保護する。また高齢者に対するいかなる形態の暴力および差別を排除する。そして、高齢者が十分にそして効果的に、彼らの社会で経済、政治、社会生活に参画できるようエンパワー(その社会的地位を向上する)する。
 
◇誓約
 私たち国会議員は、国民の代弁者として、立法者として、そして政策形成者として、ここに述べた活動を行い、私達が行ってきた活動の進捗状況を系統的にそして積極的にモニターすることを誓う。さらに、その進展を国会議員グループを通して定期的に報告し、そして私達が、個人的に、そして全体的に達成したことを評価するために、二年目に再び集うことを誓う。
 
国際人口問題議員懇談会・総会開く
 国際人口問題議員懇談会(JPFP)は、十二月六日午前八時からキャピトル東急ホテルで総会を開き、中山太郎会長がODA予算減額の中、国連人口基金(UNFPA)と国際家族計画連盟(IPPF)に対する拠出金要求額が、前年度同額を確保することができたと挨拶、関係者の努力に感謝した。
 
2003年度政府予算案決まる
UNFPA IPPFへの拠出金は前年度と同額
 政府は十二月二十四日の閣議で二〇〇三年度予算の政府案を決めたが、ODA予算が五・八%減額された中にあって、国連人口基金(UNFPA)と国際家族計画連盟(IPPF)に対する拠出金は外務省要求通り前年度と同額で決着した。
 UNFPAは合計四十九億四千三百七万四千円(四千五十一万七千ドル)=内訳はコア・ファンド四十八億二千百七万四千円(三千九百五十一万七千ドル)、インターカントリーなNGO支援信託基金、一億二千二百万円(百万ドル)。IPPFは合計十九億千九百六万円(千五百七十三万ドル)=内訳はコア・ファンド、十七億九千四百三十四万四千円(千四百七十万七千七百四十ドル)、HIV/AIDS信託基金一億二千四百七十一万六千円(百二万二千二百六十ドル)。UNFPAとIPPFの合計拠出金は六十八億六千二百十三万四千円(五千六百二十四万七千ドル)。
 我が国の厳しい財政事情の中で、政府が人類の平和と安全保障のカギを握る人口・開発問題に深遠な配慮を示したことについて、UNFPAとIPPFは「この名誉ある日本の決定には高いレベルの期待と責任が伴います。私どもは約束したことを果たすことで、日本人納税者の善意に応えたいと思います。発展途上国で生きる貧しい人々、女性の生活改善のために努力することを誓います」と感謝のメッセージをAPDAに寄せてきた。







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