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3級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


2.6 燃料装置
 主としてA重油を使用する中小形ディーゼル機関の燃料装置としては、燃料タンク、沈澱槽、油水分離器、燃料供給ポンプ、燃料こし器、燃料噴射ポンプ、燃料高圧管、及び燃料噴射弁などから構成されている。装置の一例を2・116図に示す。
 
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2・116図 燃料装置
 
1)沈澱槽
 構造は、2・117図に示す如く縦長の円筒形の内側に仕切り板を設け、上部から入る燃料は矢印の如く仕切り板の下側を通り上部の出口に抜けるようになっている。
 燃料が仕切り板の下側を迂回して流れる間に、比重の大きな水分やゴミなどが沈澱して下部に溜まるようになっており、溜った水やゴミは時々コックを開き排出してやらねばならない。
 沈澱槽を選定する場合は、十分な容量のものを選ばなければ、内部の流速が早くなり、水分やゴミが沈澱するひまもなく、そのまま出口に流れてしまう恐れがあり、沈澱槽の役目を果たさなくなるので可能な限り容量を大きくして流速を落としてやる必要がある。
 
2・117図 沈澱槽
 
2)油水分離器
 直接噴射式機関は、燃料噴射弁の噴孔が小さく、燃料中に含まれるゴミや水分を嫌うため、殆どの機関には油水分離器が沈澱槽の後に取り付けられている。
 構造は2・118図に示すように内部に特殊なエレメントが入っており、燃料が通過するときに水分やゴミなどの不純物を遮断して底部に沈澱させるようになっており、下部に堆積する不純物は時々コックを開いて排出する。油水分離器は大形の排出コックを設けた一種の燃料こし器であり、内部のエレメントは一定期間使用すると効果が低下するので定められた時間で交換することが大切である。なお、使用燃料中に含まれる水分や不純物などの多い粗悪燃料を使用することが当初からわかっている大形機関においては遠心式油水分離器(ピューリファイヤ)などの併用も必要である。
 
2・118図 油水分離器
 
3)燃料供給ポンプ
 一部の小形機関を除き殆どの機関に設けられており、燃料噴射ポンプに燃料を供給している。一般にはフィードポンプと呼ばれており、小形機関にはボッシュ式が、又中大型機関にはトロコイド式やベーン式ポンプが使用されている。
(1)ボッシュ式フィードポンプ
 2・119図に示すような構造をしており、ピストンはポンプ室内のカムの動きと内部のスプリングによって往復運動を繰り返し燃料を送り出している。燃料の供給圧力が、規定値以上になると、バイパス回路から作動する圧力が、戻しバネ力に打ち勝ってピストンをシリンダ内に押し込み戻らなくするため、カムは空回りして送油が止まる。吐出側の燃料油圧力が下がると、ピストンはバネに押されて元の位置に戻され再び送油が始まる。なお、上部にプライミングポンプがあり、燃料系統の空気抜き用として使用する。
 
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2・119図 ボッシュ式フィードポンプ
 
(2)トロコイド式フィードポンプ
 2・120図に示す如くポンプ本体内に歯数の異なるインナロータとアウタロータが偏心して組み付けられており歯と歯のスキマの変化により送油する方式である。
 
2・120図 トロコイド式フィードポンプ
 
(3)ベーン式フィードポンプ
 ベーン式フィードポンプはケースと偏心したロータに数本の羽根溝を切り、これに羽根(ベーン)をはめ込み、ロータが回転すると羽根が飛び出して燃料を圧送する方式である。
 吐出圧が規定値以上になった場合は、リリーフ弁が働き燃料を吸入側に戻すようになっている。
 
2・121図 ベーン式フィードポンプ
 
4)燃料こし器
 機付きこし器としては燃料ポンプの前に設けられており、燃料ポンプのプランジャや、噴射弁などの寿命に大きな影響を及ぼす重要な装置であり、機関によっていろいろなものが用いられている。直接噴射式機関には、メッシュの細かなノッチワイヤ式やペーパ式が使用されており、副室式機関にはオートクリーン式や真鍮網製のものが使用されている。又小形機関には、フエルト式やビニールスポンジ式のものが用いられており、大形では複式として運転中でも片方ずつ、こし器の掃除が出来る構造としている。このほか噴射弁を取り付けるノズルホルダの燃料入り口には、棒状のスキマこし器を設け噴射弁の損傷を防止しているものもある。2・122図2・127図に各種こし器の構造を示す。
(1)ペーパ、フエルト、スポンジ式こし器
 こし器内部に使用しているエレメントの材質により各種のものがあり、ペーパ式はろ紙を折り曲げて筒状にして濾過面積を大きくしている。目の粗さはペーパ式が10ミクロン又小形機関に多く使用されるフエルト式やビニールスポンジ式は40ミクロン程度である。殆どはエレメントのみ交換できるようになっているが、小形機関にはカートリッジタイプのものも使用されている。
 
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2・122図 ぺーパこし器
 
2・123図 ぺーパこし器ろ紙の形状
 
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2・124図 カートリッジ式こし器
 
(2)オートクリーン式こし器
 副室式機関用のこし器で、内部は図に示すような構造となっており、薄いこし板とこし板の間を油が通過する時に濾過され、ゴミはこし板の外周に溜まるので、時々ハンドルで掃除板を廻して下部に汚れを落としてやらねばならない。又下部にたまった不純物はドレン抜き栓を外して取り出す構造となっている。目の粗さは100ミクロン程度である。
 
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2・125図 オートクリーンこし器
 
(3)ノッチワイヤ式及び金網式こし器
 
(拡大画面:66KB)
2・126図 金網式こし器
 
 40〜50ミクロン程度のこし器で、目詰まりした時にはエレメントを取り出し洗い油に浸した後圧縮空気を吹き付けて清掃する。大形機関では複式となっており、ブローオフなどもあり、運転中でも片側ずつ清掃できるようになっている。
(4)スキマこし器
 ノズルホルダの燃料入り口に30〜50ミクロンの小さなスキマを設け、こし器の働きをさせている。このスキマが詰まると燃料の供給が出来なくなるので時々抜き出して洗浄せねばならない。
 
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2・127図 スキマこし器







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