日本財団 図書館


3)シリンダヘッド
 シリンダヘッドは、シリンダの上部に取り付けられ、シリンダライナ、ピストンでもって燃焼室を形成している。
 シリンダヘッド上部には吸排気弁を動かす動弁機構を納めた弁腕室があり、ヘッド下面には吸排気弁、燃料噴射弁、空気始動弁などが設けられ、ヘッド内部には吸排気ポート及び冷却のための水路があるほか、副室式機関では、予燃焼室や渦流室などの副室部分が設けられた複雑な形状をした部品であり鋳鉄で造られる。
 最近の高速高出力機関には、高速時の充填効率を高めるために吸排気弁の数を多くした3弁式、4弁式のものが多く採用されている他、形状的には1シリンダ毎に造られた独立形と、数シリンダを一つにまとめた一体形のものとがある。
 
2・47図 シリンダヘッドの形状
 
(拡大画面:33KB)
2・48図 吸排気弁の数
 
(シリンダヘッドの締め付けについて)
(1)シリンダヘッドは、片締めにならぬようメーカで指定された締め付け順序で、2、3回に分けて徐々に締め付け、最後はトルクレンチを使用して規定トルクで確実に締め付ける。
 なお機関によっては、締め付け角度、或いはボルトの伸びを計測して締め付けるものもあるので、その場合はその指示に従うこと。締め付け順序の一例を2・49図及び2・50図に示す。
(2)上記ヘッドの締め付けボルトには、ねじ部、及び座面にメーカで指定したオイル又は、潤滑剤を塗布して締め付ける。
(3)トップクリアランスは、銅パッキンかガスケットパッキン又は連接棒フートライナにより規定の寸法に調整する。
(4)ガスケットパッキンは、ヘッドを分解したときは必ず交換する。また銅パッキンも交換することが望ましいが、再使用する場合は必ず焼きなまして使用する。
 
2・49図 一体形シリンダヘッド締め付け順序例
 
2・50図 独立形シリンダヘッドの締め付け順序例







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION