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1級舶用機関整備士指導書

 事業名 舶用機関整備士の資格検定事業
 団体名 日本舶用機関整備協会 注目度注目度5


5)電圧・電流・電気抵抗
 更に具体的に話しを進めると、補・61図のように水の入った水槽を二つ用意してお互いにパイプを通じ、コックを開くと、水位の高い水槽(A)から水位の低い水槽(B)に向かってパイプの中を水は流れ、両方の水槽の水位が等しくなると、流れは止まる。
 この場合水を流そうとする力は、(A)の水位と(B)の水位の差、つまり「水圧」であることは明かで、水圧が高くなるほど、流れる水の勢いは強く、流れる水量は多くなる。
 電気の場合もこれと同じことが云える。
 補・62図のように、プラスの電気をもった金属球Aとマイナスの電気をもった金属球Bを導線でつなぐと、Bの電子がAに移動して行き、そして両方の電子の量が等しくなると、電子の移動は止まる。
 電気の量のことを普通、電荷とよび、単位にはクーロン(記号はC)が用いられる。
 水槽の水位に相当するものは、電気の方では電位と云い補・62図の場合、球Aの電位の方が球Bの電位より高くなっている。電位の単位にはボルト(記号はV)が用いられる。
 水槽の水位の基準は、水槽の底に取ったが、電位の基準は大地(地球)に取り、大地の電位を0ボルトとして電位を定めている。水位の差が水位差であったと同様に、電位の差を電位差または電圧と云い、単位は同じボルトである。
 電流の大きさは、毎秒何クーロンの電荷が移動したかによって表し、毎秒1クーロンの電荷が移動するとき、これを1アンペア(記号はA)の電流という。
 
補・61図
 
 
補・62図
 
 水槽のパイプの条件も水量に関係し、パイプが細ければ水が流れにくく、またパイプが長かったり、パイプの内側が凸凹してつまっていたりすると、水の流れは抵抗を受けてスムースに流れない。電気の場合もこれと同様に、導線の太さ、長さ、材質によって電気の流れる量が変わる。この電気の流れにくさの程度を電気抵抗または抵抗と云い、単位にオーム(記号はΩ)を使う。
 
6)オームの法則
 補・63図のように電池に豆電球をつなぎ、電池1個に電球を2つつないだ場合がA、同じく電球を1個つないだ場合をB、そして電池2個に電球を1個つないだ場合をCとすると、電球の明るさは当然AよりもB、BよりもCという具合に明るくなる。
 導体を流れる電流の大きさは、導体に両端に加えた電圧に比例し、その導体の抵抗に反比例する。
 これがオームの法則で、電気の基本法則と云われ、非常に重要な法則である。
 電圧(V)=電流(A)×抵抗(Ω)(V=IR)
 
補・63図
 
 
7)直流・交流・周波数・整流
 電池に抵抗をつないで回路をつくると、回路を流れる電流は常に一定で、流れる向きも変化しない。このような電流や回路の電圧を直流(記号はDC)という。
 これに対して、家庭に来ている電気は、電流や電圧が周期的に変化し、このような電流や電圧を交流(記号はAC)という。
 同じ電気なのに、直流と交流の本質的な違いはどこにあるかと云うと、これらの電流や電圧の変化をブラウン管オッシロスコープを用いて観察すると補・64図のように違いがわかる。
 直流は平坦な直線のグラフであるが、交流は一定時間ごとにプラス、マイナスが逆転するような周期的な変化をしており、正弦波形をしていることがわかる。
 この交流の波形で、波が1振動するに要する時間を周期と云い、1秒間に振動を繰り返す回数を周波数と云い、ヘルツ(記号はHz)という単位を使う。日本で使われている交流の周波数は、静岡県の富士川あたりを境に東が50Hzで西が60Hzとなっており、船内で使用される周波数はほとんど60Hzである。
 もし、周波数を間違えて60Hz用を50Hz用に使用すると、家庭電化製品では蛍光灯はランプが明るくなり、電流が増し安定器が発熱し寿命が短くなり、テープレコーダは回転が遅くなり、音質が低音になるが、電球やテレビは影響がなく使用できる。
 モータ(誘導電動機)の回転数は周波数に比例するので回転数が下がってしまう支障が表れる。
 また、交流を直流に変えることを整流と云い、家庭では通常ACアダプタを使うが産業用としては整流回路が必要でダイオードや水銀整流器を使う。
 
補・64図
直流
 
交流(正弦波)
 
8)電気回路
 電気には電気の流れる道すじがあり、電源から電気が流れ出し、途中で仕事をして再び出発点の電源に戻ってくる、ループ(閉回路)になっている。また、電気の流れ易いところや流れ難いところがありそれを抵抗という。電源から出た電気は、モータ等で仕事をして電源に戻るループが出来ていてこれを電気回路と呼ぶ。
 ところでよく「電気を使う」と云うが、この言葉から、電源から出た電流はモータ等で仕事をし、次第に電流が少なくなって電源に戻ると考えがちであるが、電気の場合は、電源から出ていく電流の大きさと電源に戻ってくる電流の大きさは等しい。電流は、回路の途中で作り出されたり、消滅したりしないと云うことが電流の特徴である。
 電気回路を構成する要素はいろいろあるが、これらを図の上で能率的に示すため、図記号が用いられるので、主なものを補・65図に示す。
 
補・65図
(拡大画面:9KB)
 
9)抵抗の接続
 回路の中にある2つの電気抵抗のつなぎ方には、補・66図のような直列接続と並列接続がある。そして、抵抗をつないだあと、これを1つの抵抗と見なしたものを合成抵抗という。
 2つの抵抗を直列接続すると、抵抗が1つのときより電流が通りにくくなり、合成抵抗は2つの和となる。
 また、ふたつの抵抗を並列接続すると、電流の通るバイパスができたようなもので、電流の流れがそれだけスムースとなり、合成抵抗は、抵抗が1個のときより減ることになり、2つの抵抗の逆数の和のが、合成抵抗の逆数となる。
 
補・66図
 
 
10)電池の直列と並列接続
(1)直列接続
 電圧を高くしたいときに用いる。
 補・67図のように、一つの電池のプラス極を次の電池のマイナス極につなぐようにプラス極とマイナス極を交互につなぐ方法。この時の全体の起電力は、個々の電池の起電力の和となる。
(2)並列接続
 補・67図のように、各電池のプラス極およびマイナス極を共通につなぐ方法。この時の起電力は、1個の電池の起電力と同じであるが、電池を使用できる時間は電池の数に比例する利点がある。
(3)直並列接続
 補・67図のように、いくつかの電池を直列につないだものを、更に並列につなぐ方法で、全体の起電力は直列接続の部分の起電力で、電池を使用できる時間は並列の数に比例する。
 
補・67図
電圧は4.5V(使用時間1個分)
 
 
電圧は1.5V(使用時間3個分)
 
 
電圧は3.0V(使用時間2個分)
 







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