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5. 制御・操縦・監視装置関係
1)DGPS船舶操縦性能計測システム 新形「AStep−1LT」
株式会社 赤阪鐵工所
 
 ユーザーの皆様には日頃弊社商品のご採用を賜り大変ありがたく厚くお礼申し上げます。
 DGPS船舶操縦性能計測システム「AStep−1」は、1992年の完成とともに運輸省電子航法研究所の認定を取得し販売を開始いたしました。現在「AStep−1」はおかげさまをもちまして28セットが国内外のユーザ各位にご使用いただいております。
 このシステムをより多くの造船所殿にご使用いただきたく、現「AStep−1 MII」の簡易形バージョンの開発に取り組み、このたび、「AStep−1 LT」が完成しましたので紹介いたします。
 
新形「AStep−1LT」の特色
1. 「AStep−1MII」に対する新機能
 本システムは基本的に「AStep−1 MII」の機能を全て継承しています。新たに付加された機能および特色は次の通りです。
(1)「AStep−1LT」はOSにWindows95/98を使用します。
これにより汎用ノートPCでの使用が可能となりました。
(2)ビーコン一体形の高精度な12chのDGPSモジュールを使用するため測位精度が1〜2mに向上しました。
(3)測位更新間隔を1〜0.2秒(1〜5Hz)としました。従来は1秒ごとでしたがこれで高速艇の旋回時にも対応可能です。
(4)超高精度測位方式のRTK(Real Time Kinematics)GPSと組み合わせることができます。これにより特殊な船舶の操縦性能の計測が精度1〜2cmで実現します。
(5)旋回試験における潮流修正機能があります。潮流による変形した対地航跡がなめらかな対水航跡に修正されます。
(6)ジャイロコンパスのシリアル信号(NMEA)を取り込んで、船体の針路、Yaw角を表示します。各種の操縦性能試験計測において船体の状態が把握できます。
 
AStep−1 LTのシステム構成
 
 
AStep−1 LTのグラフ画面・旋回画面
 
(7)日本水路協会のデジタル海岸線図の入力・表示ができます。試験海域の海図上で本船の位置が確認できるのでより安全に試験を遂行できます。
 
2. 更なる機能拡張
 システム拡張のため次の拡張機能を現在開発しています。
(1)独立したインターフェース・ジャンクション・ユニットを経由して本船の各種航海計器のアナログ信号を取り込みます。ジャイロコンパス、舵角、風向、風速、対水ログ、CPP翼角、機関回転数などの信号を入力し、より高度なデータ計測が可能です。
(2)後処理、データ解析・帳票作成ソフト「Post Process21」に「谷口・田村方式」など4種の速力解析機能を付加させます。従来の修正作業をアプリケーション上でより簡単に行うことができます。
 
 以上、新形「AStep−1 LT」を紹介させていただきました。
 AStep−1発売以来、ユーザー各位より貴重なご意見、ご指導を多々賜り当システムをこれまでに育てていただきました。これからも更にシステムを充実させ、広く各造船所殿にご使用いただきたく鋭意努力してまいります。赤阪鐵工所、アカサカテック共々ご支援とご鞭撻をお願いいたします。







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