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小規模商業集積ゾーンの再生に関する研究

 事業名 小規模商業集積ゾーンの再生に関する研究
 団体名 地方自治研究機構 注目度注目度5


第4章 今後の地域づくりの展開に関わる留意点など
 ここでは、前章までを踏まえつつ、今後の地域づくりの取組において留意されるべきと思われることについて、できるだけ簡潔な整理を試みます。
 周知のことですが、本町は周辺町村とともに、平成16年(2004年)11月を目標年次として、合併に向けての取組を進めております。しかしながら、合併するしないいずれにせよ、よりいっそう豊かで快適に住民が生活できる地域となるよう、住民と町とが連携・協力して取り組まなければなりません。
 したがって、合併の目標年次の前後に大きく二つに区切って以下に今後の取組に関わる留意点を整理しますが、合併前に取り組むべきとして提示する項目については合併後は取り組まなくてもよいという意味ではありません。同様に、合併後も継続的に取り組むべきとして提示する項目については、合併前から取組の準備及び実施が必要なことはいうまでもありません。
 
1 合併までに取り組むべきことなど
 合併目標年月が平成16年11月に設定されておりますから、期間的には1年7ヶ月と限られた短期間です。したがって、この短期間に豊かなまちづくりを目指して、最低限何をすべきか、このことを明確にし、取組体制を早急に確立する必要があります。
 合併に伴う諸手続や事務を除き、合併までの取組に関連し、以下に問題・課題及び取組推進にあたっての留意点などを整理しました。
 
(1)“協働・パートナーシップ”による地域・地区づくりの風土の充実
 区、老人クラブその他の集落など一定の地域を基盤とした地縁・年齢集団による活動、商工会・商業振興会、JAその他による産業関連活動、社会福祉協議会などによる健康づくりや福祉の充実に向けての様々なボランティア団体活動、消防団や交通安全協会などによる住民生活の安全に関わる活動、文化協会や体育協会などによる文化・教養・スポーツ・レクリエーション活動など々、本町では、様々な世代の住民による自主的活動が盛んに展開され、大きな成果を今日まで生みだしてきております。
 そうした成果をさらに充実し、地域・地区づくりに活用していくためには、それら個々の活動に対する住民の理解や関心の拡大や積極的参加の拡大が前提となることはいうまでもありませんが、同時に、それら各種の活動団体・機関相互の連携・協力のさらなる充実が期待されます。すなわち、住民生活上の様々な課題について、そうした連携・協力による取組を強化することは、各種団体・機関間の相互理解の向上に寄与するのみでなく、地域・地区問題への総合的な対応を可能にしていくことにつながります。
 以上は住民の自主性・主体性のもとになされることが望ましい取組ですが、当然のことながら、町行政による支援・協力を欠くことができません。このためには、集落(区)、旧村、さらには町全体など、地域・地区の広がりごとに、一人ひとりの町職員は、地域経営のプロとして、調整・コーディネイトの役割を担い、リーダーシップを発揮することなどを期待されます。
 そうした取組に対する町による支援や協力を具体的に進めるために、町域を大きく5つの地域単位に分け、それぞれに地域の問題点・課題や今後のあり方を考え活動する連携・協力組織の形成への支援・協力及びそこへの参加などに取り組む必要があります。
 以上の“協働・パートナーシップ”のもとでの地域・地区づくりが従来以上に展開されるようになることが、後に述べる「地域・地区アイデンティティの確立」にもつながることはいうまでもありません。
 
(2)高齢化への対応の拡充・高齢社会理念の確立
 本編第2章で述べたように、本町では、4人に1人が高齢者である高齢社会のまっただなかにあります。また、高齢者単身世帯及び高齢者夫婦のみ世帯それぞれの数が増えつつあります。本町での高齢化は今後とも進むと予想できますから、高齢社会状況を前提としての地域づくりの基本方向を確立し、施策展開を図る必要があります。
 人口構成での高齢者が占める割合が高い状況を高齢社会と呼ぶことはいうまでもありませんが、まず留意すべきことは、その状況への対応を保健や福祉の充実、教育・文化(生涯学習など)や就労などによる社会参加の促進など、限られた施策分野に限定してはならないということです。すなわち、高齢の住民が多い(さらに多くなる)という実情がソフト・ハードの様々な地域・地区づくりにどのような影響(プラス・マイナス両面)を及ぼすかについて、総合的に把握・分析・予測することが大切です。例をあげて述べますと、高齢者が多くなることは、様々な住民活動への若い世代の声が反映されにくくなり地域社会の停滞を招くおそれがありますし、日常の交通においてバリアフリー環境の整備すなわち道路や建造物など生活基盤そのものを高齢社会対応に変えていく必要があります。したがって、町行政は、各課の所管業務が高齢社会状況といかなる関わりを有するか、その状況のさらなる進行に備え何をすべきか、これらのことを総合的・体系的に把握・整理することに着手しなけれぱなりません。
 
(3)長坂町の問題点・課題や特性を踏まえた地域活性化方針の具体化
 八ヶ岳の南麓に位置し山々の眺望や湧水に恵まれている自然環境、保育所や下水道など公共施設の整備水準が高いこと、オオムラサキの有数の生息地であることその他、本町は、様々な資源に恵まれております。また、「ながさかげんき百歳健康福祉まつり」の開催などによる総合的な健康づくり活動、オオムラサキセンターや三分一湧水などでの学習や交流その他、地域づくりに関わる様々な豊かな実績があります。これらを活かした地域発展の方向を具体化するために、今後よりいっそう力を入れる必要があります。
 同時に、いま一歩のままの状況で推移している観光・レクリエーション振興や特産物開発、農業や小売業での後継者不足、住民の日頃の買い物のみでなく様々な人々との出会い・交流の場でもある町の“へそ”づくりの遅れ、豊かな自然を活用しての体験学習や交流活動への対応の遅れ、在宅高齢者の日常交通の確保へのニーズが大きいことその他、できるだけ早く手を打たなければならない課題が多々あります。
 したがって、地域・地区別や住民の年代別などの取組課題の明確化、利・活用可能な資源の把握・発掘、住民と行政との協働体制の確立、町内外の交流の活発化などの取組を急ぐ必要があります。また、各地域・地区で、住民が主体となった地域づくりグループの育成支援にも努めなければなりません。
 そして、合併予定時期までごく短い期間しかないことを前提にしつつ、どれとどれを重点に取り組むべきか、このことについて住民と行政との合意形成に努めなければなりません。
 
(4)地域・地区アイデンティティの確立
 合併後の新市は、面積が569.75Km2で山梨県の総面積4465.37Km2の13%を占める広大な地域となります。また、人口は約4万2千人となると推計されています。本町の現状が新市で占める割合は、面積で約7%、人口で約22%となります。このことについて見方を変えれば、面積的には新市のほんの一部となり、また、全市民の中で旧町民は五分の一の割合になります。したがって、今日まで営々と先人達が築いてきた“長坂らしさ・長坂の良さ”が、新市の中で埋没してしまうおそれを否定できません。
 このことは、合併後も旧町意識を持ち、他の旧町村と対立や競争すべきであるという意味でないことはもちろんです。住民一人ひとりが自らの地域すなわち旧長坂に誇りと愛着を持ち続けることが、地域づくりの原点であり、結果的に、住民と行政との協働による地域づくり活動の活発化を促し、新市の発展につながります。
 したがって、集落(区)、旧村、町全体といった広がりごとに、すなわち、身近な集落から町全体までがよりいっそう個性と魅力ある地域となるための取組、すなわち地域アイデンティティ確立への取組が必要です。このために、町行政は、地域・地区ごと、住民とともに、生活上の様々な問題点・課題を整理するとともに、住民の主体的・自立的活動活性化を支援するために、より適切な情報提供や相談活動などの充実に努める必要があります。
 
(5)土地利用、景観保持・形成及び自然との共生への方向の具体化
 合併に伴う市政施行に伴い、土地利用に関する都市計画指定の実施が想定されます。この指定にあたっては、現在の土地利用の実態を踏まえつつ、将来のあり方を検討することになります。
 したがって、合併前から、現在の地域・地区の姿をどのように新たな市に引き継ぐか、住民生活の舞台である土地の今後の利用をどのようにするか、これらについて、地域・地区で住民と行政との対話を繰り返し、合意形成を図る必要があります。このことにより、地域・地区の特性や個性を活かした土地利用の方向の具体化が期待できますし、同時に、地域・地区のアイデンティティづくり推進と一体的に取り組むことによりその確立にも寄与することも期待できます。
 本町は自然景観に恵まれておりますし、このことは、多くの住民の誇りでもあり、町外の人々が本町について抱くイメージとしても大きなものになっていると思われます。このように重要な資産である景観を良好なまま次代に引き継いでいくためには、土地利用同様住民と行政との協働により、保存や規制などの具体的方策・ルールづくりを進める必要があります。また、残すべき・保つべき景観(自然景観のみでなく街並みや建造物なども)についても、住民との合意形成のもと、明確にする取組を併行することが重要です。
 美しい景観づくりを進めるためには、さらに、今後新築や増改築されるであろう住宅などの建造物や屋外看板などの色彩や形態の規制・誘導、街路樹などの植裁による沿道美化などについても、住民の理解と協力のもとに、取組を充実しなければなりません。また、町内の交通案内や名所案内などの標識を個性溢れるものに統一的に整備したり、間伐材などを利用してバス停留所の整備やデザインの個性化なども試みるに値することと考えられます。
 また、以上の取組の強化は、居住環境・生活環境と自然とが調和した地域づくりをよりいっそう推進することにもつながります。本町のまちづくりの理念の一つである「名水と緑と 蝶と山容の 自然に親しむまち」の充実にも寄与することになります。
 
(6)合併関連情報提供の充実
 合併への取組において、住民に様々な関連情報を、積極的に提供していく必要があります。そうすることは、一人ひとりの住民が自らの生活や集落などに引き寄せて合併を考えるきっかけづくりとなりますし、現在取り組んでいる様々な住民活動についても、合併後の新たな市を想定しながら、今後のあり方を考えるヒントを提供することにもなります。
 
(7)町職員研修の充実
 法制執務能力、地域実態の把握・分析力、住民などとの折衝・協議・調整能力、さらにはITの進展への対応力など、すでに、本編第1章で述べたことですが、本町においても、町職員の研修を充実し、そうした能力や専門性をさらに高めていくことが緊急の課題といえます。







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更新日: 2020年9月26日

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