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−実施計画−
第1章 名水と緑と 蝶と山容の 自然に親しむまち
1 豊かな自然と語り合えるまち
(1)現状と課題
 本町は、甲州との信州境に位置する名峰八ヶ岳の南麓に位置し、南に傾斜した地形を形成しています。このため、本町からは日本百名山が7つもみえるなど、緑と景観に恵まれ自然に囲まれた町である。とくに、八ヶ岳、富士山、甲斐駒ヶ岳の眺望は素晴らしく、本町は絵画や写真などの愛好家にとって絶好の活動場所ともなっております。
 また、八ヶ岳の伏流水が町内に多数湧出し大地を潤すとともに、町内の大部分は緑豊かな木々におおわれ、水と緑に恵まれております。このため、町内には、本町の豊かな自然を求めて別荘を構える人や定住する人などがあり、良好な環境を保全するとともに、適正な土地利用のあり方が求められております。
 町内の各集落は、農地と山林が調和した独特の景観を構成し、良好な農村景観が維持されており、これらの農村景観を活かした取組が求められております。
 
(2)施策の基本的考え方
 本町の恵まれた豊かな自然環境を保全するとともに有効活用するために全町公園化計画を策定しており、自然環境と生活環境との共生及び計画的な土地利用を推進する必要があります。
 
(3)施策の体系
 
 
(4)施策の方向
ア 自然と生活環境との共生
(ア)地域(わがまち)の誇れるもの発見事業の推進
 町内の集落毎に、自然や景観など、地域(わがまち)の誇れるもの発見事業を推進し、地域に対する愛着心を深めるとともに、地域の誇れるものの醸成を図ります。
(イ) 全町公園化計画の推進
 良好な自然や景観を活かしたまちづくりとして、全町公園化計画へ向けた取組を推進します。
(ウ)河川美化の推進
 八ヶ岳の伏流水を水源とする清冽な流れの維持保全を図るため、地域の各種団体や学校と連携して河川美化運動を推進します。とくに、湧水地周辺及びオオムラサキ自生地である深沢川の環境美化に努めます。
 
イ 計画的な土地利用の推進
(ア)適正な土地利用の推進
 本町の良好な地域環境の維持向上のために、地域の特質や個性を活かした商業地、住宅地、集落地、農地、山林などのきめ細かな土地利用方針を定め、適正な土地利用に向けた取組を推進します。とくに、別荘地開発の著しい地域においては、農村環境との調和を図るため、開発指導要綱の見直しも含め、土地利用の適正な運用に努めます。
(イ)地域別まちづくり計画の策定
 地域(わがまち)の誇れるもの発見事業の推進をさらに発展するため、地域住民それぞれが住むまち(集落)の良さを活かした住民自身の手によるきめ細かなまちづくり計画(地域別まちづくり計画)の策定へ向けて、学識経験者、専門家などを地域に派遣するなどして、その策定を支援します。
(ウ)都市計画導入へ向けた取組
 都市計画導入へ向けた取組として、地域の土地利用現況の把握、将来へ向けた地域整備のあり方を検討します。
(エ)公有地の利用促進
 農業試験場跡地、峡北高校跡地、町営住宅跡地、住民の寄付による土地など、公有地の適正な利活用に取り組みます。
 
2 快適な暮らしをもたらすまち
(1)現状と課題
 本町では、町名の起こりとも考えられる「坂の町」と八ヶ岳の山麓を構成する地形的な特性から各集落間の連携強化の一環として、町道及び幹線道路の整備に努めてきた結果、周辺町村と較べて道路網の整備が進んでおりますが、よりいっそうの整備充実が必要です。
 また、本町にはJRの鉄道駅が3駅(中央本線日野春駅・長坂駅、小海線甲斐小泉駅)、中央高速道路の長坂インターチェンジ、長坂高根高速バス停留所、町営バスなどの公共交通網にも恵まれていますが、住民生活向上及び地域活性化のためには、公共交通網のよりいっそうの充実整備が必要です。
 
(2)施策の基本的考え方
 生活道路や生活施設などについては、一応の整備充実が図られているため、公共交通網の充実を中心に施策を推進していく必要があります。
 
(3)施策の体系
 
 
(4)施策の方向
ア 生活道路網の整備
(ア)町道などの整備
 各集落間を連絡する町道の整備促進が一段落しましたから、今後は歩行者の安全確保や地域観光ルートなどと合わせた質的な整備向上を図っていく必要があります。
 具体的には、富岡・南新居線、富岡・上黒沢線、広域農道、ふれあい支援農道、鬼坂活性化道路、高松住宅・三分一湧水公園間道路改良、長坂駅西宮川沿い道路などの新設、改良工事を進めます。
(イ)幹線道路網の整備
 周辺町村との連絡道路及び町の骨格となる幹線道路についても一応の整備が図られているものの、幹線道路の時代に即した拡幅計画と舗装復旧及び幹線道路交差部の信号機や横断歩道設置などの安全対策が必要でありますから、関係機関との連携のもとに早急の改良を推進します。
 とくに、県道長坂駅・高根線、長坂駅・小泉駅線の改良をはじめ、将来を見据え台ヶ原・長坂駅線については大幅改良に取り組みます。
 
イ 公共交通網の充実
(ア)鉄道とバスとの連携
 広域観光の推進により、本町でのバス利用需要も高まってきてますから、季節による利用客の推移を踏まえつつ、鉄道と連携したきめ細かなバス運行に取り組みます。
(イ)町内循環バスの有効活用
 本町内の主要交通は自家用車利用ですが、高齢化の進行とともに移動することに不自由を伴う住民が増えつつあります。このため、町営バスについて、住民からきめ細かな運行が求められております。町営バスは、季節的な利用客の動向を踏まえつつ、主要施設間を結ぶ新たなルート設定を含め、適正な運行に努めます。
(ウ)高速バスの有効活用
 中央高速道長坂高根バス停から高速バスを利用すると、東京の新宿都心部まで約2時間30分の距離にあり、住民のみでなくビジネス客や観光客の利用もあります。このような高速バスの利便性の活用を図るため、町営バスによる長坂駅や日野春駅と長坂高根バス停との周遊ルートの開設、バス停周辺に自家用車乗り換え利用者のための駐車場の整備、バス停までの夜道の明るさの確保などを図っていく。
 
ウ 地域環境の維持と向上
(ア)河川整備
 本町の良好な自然環境と調和した河川とするため、自然工法の活用など、地域環境に配慮した親水型の河川整備に努める。
(イ)公共施設整備
 高齢化の進行に伴い、だれもが利用できる施設整備が求められる時代となっておりますから、公共施設についてバリアフリー化に取り組むとともに、ユニバーサルデザインの理念の具体化に努めます。







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