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B&G財団会長からみなさんへのメッセージ
財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団
会長 熊代健(くましろたけし)
 
 
 B&G「体験クルーズ」にご参加(さんか)いただき、ありがとうございます。
 今、みなさんは、この航海(こうかい)への大きな期待(きたい)とともに不安も抱えていることと思います。しかし、心配はいりません。船上での様々な研修や寄港地(きこうち)での自然体験、ホエールウォッチングなど、楽しい活動を一緒(いっしょ)にすれば、多くの友達ができるでしょう。また、まわりの人たちに積極的(せっきょくてき)に話しかけたり、色々なことにチャレンジしてほしいと思います。
 船は、よく「運命共同体(うんめいきょうどうたい)」といわれます。船長さんをはじめ、多くの船員の方たちや、リーダー・スタッフ、そして参加されるみなさん全員が、力を合わせ、お互いに協力をし、はじめて前に進むことができます。ひとりひとりが、みんなのことを考え、“ルール”と“マナー”を守り、思いやりを持って生活をしてください。そうすれば、このクルーズはきっとみなさんにとって、一生忘れることのない、すばらしい思い出になることでしょう。
 今回、訪れる小笠原諸島(おがさわらしょとう)の父島(ちちじま)は、かつて一度も大陸と続いたことがなく、独自(どくじ)の進化を遂げ(とげ)ました。(東洋のガラパゴスと呼ばれています)島には珍しい(めずらしい)植物が生い茂り(しげり)、珊瑚(さんご)や鯨(くじら)などを見ることもできるでしょう。また、どこまでも透き通った(すきとおった)青い海が広がっています。この島へは、船でしか行くことができません。そうしたことからも、このクルーズはみなさんにとって貴重なチャンスであるといえます。参加する機会を与えてくださったご両親やお世話になった方々へ、感謝(かんしゃ)の気持ちを決して忘れないでください。
 最後に、地球上のすべての生物は、海から誕生(たんじょう)したといわれています。人類は、その海を利用して貿易(ぼうえき)や海洋資源(かいようしげん)の開発などを行い、実にたくさんの恵み(めぐみ)を受けてきました。特に、まわりを海に囲まれた日本は、海との係わり(かかわり)が深く、海の文化を育て、海への理解(りかい)を深めてきました。今日(こんにち)の日本の豊かな生活と、国際社会での重要(じゅうよう)な立場を築いた(きずいた)土台になったといえるでしょう。
 このクルーズを通して、みなさんが、地球の約7割を占める(しめる)海の雄大(ゆうだい)さと、かけがえのない小笠原の大自然を肌(はだ)で感じ、海と自然に対する理解と関心をますます深め、広い視野(しや)をもった人間に成長するよう心から願っています。







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