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(2)地震により橋梁倒壊等によって河川内水路が分断された場合の二次対応策
 地震により橋梁が倒壊した際の二次対応策については、今後の課題でもある。東京都では、直下地震の被害想定に関する調査がなされている。下の図−3.5.3〜図−3.5.6は、直下地震の地震断層位置の違いにより、各地域の震度を予測している。この結果と河川や橋梁の位置を重ねることにより、二次対応策が必要となる地域が概ね抽出できる。
 二次対応策が必要となるのは、図−3.5.3〜図−3.5.6に示す赤い色の部分でこの位置には橋梁が存在し、しかも大きい震度となることが想定されている。そのため、橋梁が倒壊した場合についても検討を行っておく必要がある。
 二次対応策が必要となる箇所をさらに絞り込むためには、耐震補強の設計の基となった震度や対象とした橋梁を明確に整理する必要がある。
 なお、震度分布の予測結果は「東京都における直下地震の被害想定に関する調査報告書 平成9年8月 東京都」より引用した。
 
(1)地震断層位置が区部直下の場合
 地震断層位置が区部直下の場合の震度予測結果は図−3.5.3に示すとおりであり、二次対応策が必要となりうる地域は荒川沿いの江戸川区、江東区、葛飾区の部分となる。
 
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図−3.5.3 直下地震の際の震度分布と橋梁の位置(区部直下の地震)
 
(2)地震断層位置が多摩直下の場合
 地震断層位置が多摩直下の場合の震度予測結果は図−3.5.4に示すとおりであり、二次対応策が必要となりうる地域は荒川の東京都境(板橋区、北区)と埼玉県境(川口市)の一部分である。
 
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図−3.5.4 直下地震の際の震度分布と橋梁の位置(多摩直下の地震)
 
(3)地震断層位置が神奈川県境直下の場合
 地震断層位置が神奈川県境直下の場合の震度予測結果は図−3.5.5に示すとおりであり、二次対応策が必要となりうる地域は荒川及び隅田川の河口付近である。
 
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図−3.5.5 直下地震の際の震度分布と橋梁の位置(神奈川県境直下の地震)
 
(4)地震断層位置が埼玉県境直下の場合
 地震断層位置が埼玉県境直下の場合の震度予測結果は図−3.5.6に示すとおりであり、二次対応策が必要となりうる地域は、荒川では板橋区、足立区、葛飾区、江東区、江戸川区となり、隅田川では荒川区、台東区となる。
 
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図−3.5.6 直下地震の際の震度分布と橋梁の位置(埼玉県県境直下の地震)







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