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図−3.1.12 荒川の河川舟運促進区域における特定区域位置
 
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図−3.1.12 荒川の河川舟運促進区域における特定区域位置
 
 「荒川における船舶の通航方法」とは、別に実際に船舶の通航を行っている関係者へ河川の通航方法(航行する際の留意事項等)をヒアリングした。ヒアリング結果は表−3.1.8に示すとおりであり、荒川で耳航行の経験による判断となる箇所や、水深が浅いために橋梁の左側または右側に寄って通航しなければならない箇所も存在することが確認できた。
 また、荒川を航行するにあたり、減速するべき水域が図−3.1.13に示すように定められている。これは全国内航タンカー海運組合関東支部による資料であり、荒川においては5区間の特別減速区域と1区間の減速区域が定められている。
 
表-3.1.8 河川内の航行方法について
ヒアリングの対象 河川の通航方法について
A社 京成成田線鉄橋等荒川河口から岩淵水門まで、流速箇所が3カ所ある。岩淵水門付近は減速区間となっている。 
対面通行に関しては、難しいところはない。
荒川航行時は季節にもよるが、プレジャーボート、水上バイク、水上スキーに十分注意が必要である。
B社 潮高状況は両岸の護岸の濡れ具合を見て判断しているので、その判断には経験を要する。
C社 河口〜葛西橋手前 中央部を航行すれば問題ない。
葛西橋橋梁付近 右岸側が浅いため、左側に寄って航過すること。
葛西橋航過後〜木根川橋 左岸側は浅いので右側に寄って航行すること。
木根川橋〜鹿浜橋航過迄 中央部を航行すること。京成押上線鉄橋が新しくなったので、航過しやすいくなった
鹿浜橋航過後〜岩淵バイパス通過迄 必ず右岸側に寄って航行すること。岩淵バイパスの手前中央部から左岸側にかけては浅瀬が存在する。
岩淵バイパス航過後〜笹日橋 中央部を航行すること。
新荒川大橋 橋梁中央部に橋脚が存在するが、上流に向かってその左岸側の橋脚間は航行することが可能。すれ違いできる通航幅はないが、潮流の向きに沿った船舶が優先となる。
 
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図−3.1.13 荒川における減速水域及び特別減速水域
 
3.1.3 河川内船舶航行実態
 荒川における船舶の航行実態はこれまでに調査がなされているが、いずれの調査も調査地点、船種の分類が異なることから単純に経年変化を比較することが困難である。そこでは、ここではその中でも最新のデータである平成13年度の調査結果についてとりまとめた。
 
(1)調査地点
 河川内船舶の通航状況を平成13年度に調査がされている。調査地点は表−3.1.9に示すとおりであり、荒川の12箇所において実施された。
 
表-3.1.9 調査地点
No 調査地点名 調査場所住所
1 笹目橋 埼玉県戸田市笹目
2 笹目水門 埼玉県戸田市早瀬
3 三領水門 埼玉県荒川町
4 岩淵水門(事務所鉄塔) 北区志茂 荒川下流事務所
5 芝川水門 埼玉県川口市領家
6 鹿浜橋 足立区鹿浜
7 綾瀬水門 葛飾区堀切
8 隅田水門 墨田区墨田
9 堀切船着場 葛飾区堀切
10 中川水門(川表) 葛飾区西新小岩
11 中川水門(川裏) 葛飾区西新小岩
12 葛酉橋 江東区東砂
 
(2)調査実施日、調査方法
 荒川の平成13年度の通航量調査は、合計2回行われており、いずれも夏季(8月)に行われており、調査方法はビデオ撮影であった。
 
表-3.1.10 調査実施日と調査方法
調査実施時期 調査時期(1)  実施日 平成13年8月4日(土)〜6日(月)
天侯 4日:曇り 5日:曇り 6日:曇り
調査時期(2)  実施日 平成13年8月25日(土)〜27日(月)
天候 25日:曇りのち晴れ 26日:晴れ時々曇り 27日:曇りのち一時雨
調査方法 CCTVによるビデオ撮影
 
(3)調査結果
 船種別に2回の調査を曜日ごとに集計した結果、土曜日は全体の46%がプレジャーボートであり、大型動力船、曳航船・荷足船、作業船といった物資輸送に係わる船舶が約30%(14.6+8.9+6.4=29.9%)である。日曜日はプレジャーボートの割合が55%と高くなり、レジャーとして利用が非常に活発であることがわかる。月曜日は大型動力船、曳航船・荷足船、作業船といった物資輸送に係わる船舶が約65%(47.4+2.3+15.0=64.7%)であり、物資輸送の交通手段としての利用がなされていることがわかる。
 地点別に見ると、プレジャーボートは荒川、中川を行き来できる領域に非常に多く、大型動力船や曳航船・荷足船、作業船は荒川の本川を行き来する。また、戸田周辺でのみ手漕ぎボートが見られた。船種別の調査結果は図−3.1.14及び表−3.1.11に、地点別の調査結果は図−3.1.15及び図−3.1.16に示すとおりである。
 
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図−3.1.14 船種別の通航量の割合
 
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図−3.1.15 地点別の通航状況の概略







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