（2）ケミカルタンカーの船籍/船齢構成

（1）航海数から見た構成

　マ・シ海峡を航行したケミカルタンカーのすべての航海数（1,853航海）について、船籍国と船齢の内訳を航海数の多い順に表　2.2−9に示し、船齢と航海数の関係を図　2.2−8に示す。船籍国は第二船籍国を含め全部で24カ国であった。

　船籍別で見ると、代表的便宜置籍国のパナマが1位で全航海数の20.6％を占めており、リベリアが2位で15.9％となっている。

　ゾーン別で航海数の割合の大きい東南アジアゾーン（2.1.1（1）参照）の諸国については、マレーシア14.7％、インドネシア14.5％及びシンガポール9.6％などとなっており、これら3カ国を船籍とする航海数は合計719航海であり、全体の38.8％を占めている。その他の国としては、ノルウェーが6.3％、サウジアラビアが4.3％となっている。

ケミカルタンカーについて船籍と親会社国籍を表 2.2−10に示す。3割程度親会社の国籍が不明であるが、把握できるものについて見ると、米国16.4％、日本6.4％、モナコ及び台湾3.8％などとなっており、船籍とは異なる割合を示している。

　船齢で見ると、船齢20年未満の船舶の航海数は1,161航海（10年未満575航海）であり、全航海数の62.7％（10年未満31.0％）を占めている。船齢20年以上の船舶の航海数は692航海（30年以上10航海）であり、全航海数の37.3％（30年以上0.5％）である。

　平均船齢で見ると全体で15.3年であり、LPG船及びLNG船より船齢が高くなっている。船籍別ではマレーシア8.6年、インドネシア17.4年、シンガポール15.7年、ノルウェー26.7年、サウジアラビア11.5年などとなっている。特にノルウェー、インドネシア籍船の船齢が高くなっている。

　

　

　

　

（2）船舶数から見た構成

　マ・シ海峡を航行したケミカルタンカーのすべての船舶数（156隻）について、船籍国と船齢の内訳を船舶数の多い順に表 2.2−11に示し、船齢と船舶数の関係を図　2.2−9に示す。船籍国は第二船籍国を含め全部で24カ国であった。

　船籍別で見ると、代表的便宜置籍国のリベリア及びパナマが同隻数でそれぞれ全航海数の19.2％であり、バハマも3.2％を占めている。

　ゾーン別で航海数の割合の大きい東南アジアゾーンの諸国については、マレーシア8.3％、インドネシア5.1％及びシンガポール5.1％などとなっており、これら3カ国を船籍とする船舶数は合計29隻であり、全体の18.6％を占めている。その他の国としては、ノルウェー12.8％、オランダ3.8％、サウジアラビア及び中国が3.2％となっている。

　船齢で見ると、船齢20年未満の船舶の船舶数は92隻（10年未満53隻）であり、全船舶数の59.0％（10年未満34.0％）を占めている。船齢20年以上の船舶の船舶数は64隻（30年以上2隻）であり、全船舶数の41.0％（30年以上1.3％）である。

　平均船齢で見ると全体で15.5年であり、航海数で見た場合同様、LPG船及びLNG船より船齢が高くなっている。船籍別ではマレーシア8.3年、インドネシア19.4年、シンガポール16.1年、ノルウェー26.1年、サウジアラビア10.6年などとなっている。航海数で見た場合同様、ノルウェー、インドネシア籍船の船齢が高くなっている。