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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


産経新聞朝刊 1980年1月7日
周到!誘かいの魔手
4人組、終始無言の犯行
後手に手錠、頭に布袋 任務分担 事務的ですばやく
 
 ナゾのアベック連続蒸発事件が一本の線で浮かび上がったのは富山県で起きたアベック誘かい未遂(富山事件)が発端だった。正体不明の黒い魔手に襲われた若い男女が“蒸発”を免れたのは幸運にも、たまたま通りかかった一頭のイヌの鳴き声によってだった。「だれが、なぜ、どこへ、わたしたちを連れ去ろうとしたのか」―事件後、二人は結婚し、平穏な毎日を送っているが、あの恐怖の体験からいまも覚めやらない。当初、早期解決かと思われた捜査は、犯人たちの遺留品を調べるうちに意外なカベに突き当たり、難航を続けている。このカベは、富山事件の背後にひそむ不気味な暗部を浮き上がらせるだけでなく、一連の蒸発事件のナゾを解くカギでもある。
 
 関係者の証言を元に事件を再現すると―。
 鳥崎裕二さん(二八)と佐伯(旧姓)さとみさん(二一)は、当時、すでに婚約中だった。一年間の交際が実り、両家の親も二人の仲を認めていた。
 「あの日(一昨年八月十五日)は、二人の親類の者たちが連れ立って島尾海岸へ出かけました。タ方、五時ごろ、若い二人だけにしておこうと、気をきかせて他の者は帰ったんです」と裕二さんの両親は語る。
 二人は、しばらく海岸で泳いだ。もちろん水着姿。浜辺は、お盆の海水泳客でにぎわっていたが、二人がいたあたりは、海水浴場の中間地点で「不審な四人粗」のほかに人影はほとんどなかった。
 午後六時半ごろ、四人組が、すれ違いざまに突然、二人を急襲した。無言のうちに二人を倒し、裕二さんを後ろ手に手錠をかけ、足を帯でしばり、口にタオルをつめ、さらに特製のサルグツワをはめたうえで、頭からすっぽり布袋をかぶせた。さとみさんも後ろ手にしばられて、サルグツワをされ、布袋をかぶせられた。四人組は二人をかつぎ上げ、近くの松林に運んで転がした。袋には、カムフラージュをするために松の枝がかぶせられた。
 襲撃は、きわめて事務的で、す早く、四人の任務分担もはっきりしていた、という。四人組は二つの袋を前にじっと、“何か”を待っていたが、不思議なことに、この間、裕二さんもさとみさんも四人の会話を一度も耳にしていない。終始、無言だった襲撃グループが声を出したのは、さとみさんに対し「静かにしなさい」(「静かにしろ」ではない)といった一言だけ。脅し文句もなく、乱暴も加えていない。むろん、さとみさんの体にも触れなかった。
 
 犬の鳴き声で姿消す
 
 約三十分間、沈黙が続いた。しかし、近くでイヌの鳴き声がすると、四人は、二人をそのままにして姿を消した。
 裕二さんは、袋をかぶったまま、ウサギ跳びで約一00メートル離れた高柳潔さん(六四)方に“体当たり”して助けを求めた。さとみさんも、自力で袋を脱ぎ、近くの民家にかけ込んだ。
 七時半には、全県下に緊急配備が行われたが、四人組の行方はまったくわからなかった。
 富山県警と高岡署の調べでは、四人はステテコに白い半ソデシャツ姿で、ズックぐつをはいていた。年齢は三十五、六歳で赤銅色に日焼けし、たくましそうだった、という。当日の夕方、高柳さんの家族も浜で、この四人組がウロついていたのを目撃している。
 県警では、地元の不良クループ、暴力団、暴走族などを徹底して洗い直したが、手がかりはまったくつかめなかった。
 「とにかく怖かった」という二人に代わって両親は「あのまま連れ去られていたら、ウチの二人も家出ということになったんでしょうか。考えただけでゾーッとします」と顔をこわばらせる。
 後田外一・高岡署長の話「なんとも難解な事件だ。犯入たちは東洋人には間違いないが、地元の人間の可能性は薄い。ステテコにズックぐつ姿なんて、あの浜では見かけない妙なかっこうだ。真夏の六時半といえば、まだ明るい。どうも日没まで二人を運ぶのを待っていたフシがある。車でどこかに運ぶつもりだったのかもしれない。いずれにしても、きわめて計面的であり、また、犯人たちの応対は、通常のこうした類の犯罪とは、どこか違っている」
 
 
 
 
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