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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


産経新聞朝刊 1980年1月7日
アベック3組ナゾの蒸発 昭和53年夏 福井、新潟、鹿児島の海岸で
富山の誘かい未遂からわかる 警察庁が本格捜査
外国情報機関が関与? 同一グループ外国製の遺留品
 
 裏日本の海岸部、福井、新潟、鹿児島の各地でナゾの連続アベック蒸発事件があり、男女六人が失跡していることが警察庁の調べで判明した。事件は、富山でのアベック誘かい未遂事件を端緒にあきらかになったもので、発生は昭和五十三年夏の四十日間に限られており、同庁は六日、この連続蒸発及び誘かい未遂事件が同一犯によるものと断定した。犯行はきわめて計画的で広域にわたるが、富山の現場に残された犯人グループの遺留品が、国内では入手不能なことや、失跡当時、現場に近い沿岸でスパイ連絡用とみられる怪電波の交信が集中して傍受されていることなどから、外国情報機関が関与している疑いも強く出ている。
 
戸籍入手の目的か
 
 アベック誘かい未遂事件は昭和五十三年八月十五日、富山県高岡市島尾海岸で発生した。犯人は男の四人組。アベックはサルグツワをかまされたうえ、手に手錠、足をヒモでしばられ、さらに頭から布袋をかぶせられて近くの松林にかつぎこまれた。犯人は「静かにしなさい」といったきり、あとは無言。しかし、近所の人が近づくのに気がついたのか、間もなく逃走、アベックは難をまぬがれた。
 富山県警の捜査でこの事件の特異性がしだいにあきらかとなった。手錠、サルグツワ、布袋、ヒモなどの遺留品のほとんどが、日本では入手不能の外国の製品。犯人のかっこうも、ステテコに白い上着、ズッグぐつと、異様だった。だが、事件はナゾのまま特異な誘かい未遂事件として警察庁に報告された。
 同庁は全国の県警に類似事件の報告を求め、検討を行った結果、この未遂事件発生の約一カ月前から集中的に三件の失跡事件が発生していることをつきとめた。
 最初の事件は同年七月七日、福井県小浜市青井海岸で、第二の事件は同月三十一日、新潟県柏崎市中央海岸で、そして第三の事件は未遂事件の三日前にあたる八月十二日、鹿児島県日置郡吹上浜海岸で発生していた。
 いずれもデートに出かけた海岸から、午後七時―九時の間にこつ然と姿を消した。六人の職業は、まちまちだが、年齢は二十歳代。三組とも、家族に交際を認められ、結婚式の日取りも決まっていたケースもある。また、運転免許証や預金通帳も自宅に残しており、各県警の捜査の結果でも、家出や心中の可能性は、まったく浮かんでいない。
 さらに、水死などの事故の可能性についても、大規模な捜索を行ったが、結局、遺体は見つからなかった。
 警察庁では、昨年末、関係四県警と会議を持ち三件の失跡と富山の未遂事件を総合的に分析、検討した結果、(1)失跡の三件には自殺、家出、事故死の可能性がない(2)いずれも海岸から行方を断っている(3)五十三年夏に集中し、失跡の状況が酷似している(4)被害者は四件とも二十歳代の若いカップルばかり(5)海岸からのナゾの失跡は、一昨年夏以前も以後も起きていない―などから、未遂事件を含めた四件は同一犯人クループによる犯行と断定、刑事局が指揮をとって追及に乗り出している。
 現在、捜査は、犯人グループがなぜ、若いアベックを連れ去る必要があったのかという犯行の動機、目的に焦点がしぼられているが、アベックをまっ殺して、その戸籍を入手、何らかの“工作”に利用しようとしたのではないか、と推定している。また、犯人グループの割り出しと同時に、背後の組織解明が進められている。
 四件の現場は、いずれも、これまでに外国情報機関のスパイが上陸したことのある海岸に近く、事件前後に、不審な外国船が現場近くに停泊していたという有力情報もある。さらに五十三年夏は、外国を発信源とするスパイ連絡用の怪電波が急激に増えたという事実が警察庁当局によって確認されている。
 富山の現場から外国製の遺留品が数多く発見されたことや犯行の手口とあわせ、関係者の間では外国情報機関がかかわっていたのではないかという見方を強めている。
 
 4つの事件の概要
 
 【福井事件】五十三年七月七日午後九時ごろ、デートに出かけた婚約中の福井県小浜市飯盛、大工見習、地村保志さん(二四)と同市阿納、店員、浜本富貴恵さん(二四)が、小浜市郊外の青井海岸望山展望台に車を残したまま行方不明になっている。同年十一月に挙式が予定されていた。
 【新潟事件】(非公開)同年七月三十一日午後六時半ごろ、新潟県柏崎市の実家に帰省していた中大三年、K君(二二)と同市内に住むガールフレンドの美容師、Uさん(二三)が、同市内の中央海岸近くヘデートに出たまま行方不明になる。現場にK君の自転車が放置されていた。
 【鹿児島事件】同年八月十二日午後七時ごろ、鹿児島市池之上町の電電公社職員、市村修一さん(二四)と近所の事務員、増元るみ子さん(二四)が「夕日を見に行く」と鹿児島県日置郡の吹上浜へ出かけたまま行方不明になる。海岸に乗用車が放置されていた。
 【富山事件】同年八月十五日午後六時半ごろ、富山兼射水郡小杉町の会社員、鳥崎裕二さん(二八)と同県高岡市、各種学校生、佐伯さとみさん(二一)が、高岡市の島尾海岸を散歩中、四人組の男に襲われ、連れ去られそうになったが、危うく難をのがれた。ナゾの遺留品によって、事件背後の暗部がクローズアップされた。
 
 
 
 
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