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私はこう考える【北朝鮮について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


読売新聞朝刊 1994年10月22日
北朝鮮の核、全面解決図る 米朝が合意文書に調印 南北対話にも努力
 
 【ジュネーブ21日=山岡邦彦】米国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は二十一日午後四時半(日本時間二十二日午前零時半)、ジュネーブの北朝鮮代表部で、昨年六月から始まった米朝政府間交渉でまとめあげた「枠組み合意」文書に調印し、朝鮮半島の核問題の全面的解決と、米朝国交正常化を目指す具体的な措置を取ることを約束した。特別査察と並んで、最後まで争点となった南北対話問題では、「合意枠組みが南北対話を促進する雰囲気をつくり出すのに役立つため、北朝鮮は、南北対話に取り組む」との表現で、対話再開を盛り込んでいる。この歴史的な文書調印を転換点として、朝鮮戦争(一九五〇―五三年)以来、四十年以上も続いてきた米朝の敵対関係が完全に終わり、朝鮮半島の非核化という目標が達成されるかどうかは、米朝両国の今後の合意内容の履行と、日本、韓国など地域関係国の協力にかかることになる。
            (合意文書の全文4面、関連記事2・4・5・7面に)
 ◆米朝 正常化へ枠組み
 両国政府の承認を経た「枠組み合意」は、ロバート・ガルーチ大使(朝鮮半島核問題担当)と姜錫柱(カン・ソクチュ)第一外務次官の米朝首席代表が署名、発効した。
 合意文書は、〈1〉北朝鮮の核開発問題は、国際コンソーシアム(支援団)の軽水炉提供プロジェクトの実施にあわせ、二〇〇三年を目標に段階的に解消する〈2〉ワシントンと平壌での連絡事務所の相互開設や将来の大使館への格上げなど、米朝関係の全面的な正常化を政治、経済の両面で進める〈3〉南北対話再開を含め、朝鮮半島の非核化、平和と安全保障のため努力する〈4〉国際的な核不拡散体制強化に努力する――の四分野について、米朝の包括的な協力をうたっている。
 具体的には、軽水炉転換分野では、近く構成される国際コンソーシアムを代表して、米国が、二千メガ・ワット(二百万キロ・ワット)相当の軽水炉を、二〇〇三年を目標に提供するとの契約を、北朝鮮との間で今後六か月以内を努力目標に締結する。また、核開発疑惑の原因となっていた黒鉛炉凍結に伴うエネルギー損失を埋め合わせるため、凍結期間中、コンソーシアムが年間五十万トンの代替エネルギー(重油)を、北朝鮮に引き渡す。コンソーシアムの費用負担は、ガルーチ大使によると約四十億ドルの見込み。
 一方、北朝鮮は、黒鉛減速炉三基(建設中の二基を含む)と関連施設(再処理施設、燃料棒製造施設)を、今後一か月以内に凍結し、国際原子力機関(IAEA)の監視を受け入れたうえ、軽水炉プロジェクト終了までに、凍結施設を解体すると約束。使用済み燃料についても、再処理せず、最終的処理のため米国と協議することをうたっている。
 両国の関係改善では「双方にとっての懸案で進展があったとき」、大使級レベルに格上げするとして、国交樹立の可能性に言及。また軍事、南北関係に関しては、米国が核攻撃しないとの保証を北朝鮮に与える一方、北朝鮮は朝鮮半島の南北非核化共同宣言履行のための措置を「絶えず講じる」、「南北対話に取り組む」と再開に言及しているものの、その時期や具体的中身については触れていない。
 今回の合意履行のカギとなる核査察問題では、北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)にとどまり、保障措置(核査察)の履行受け入れを確約。さらに、特別査察の対象とされた未申告二施設(核廃棄物貯蔵所)については、特別査察という用語ではなく「IAEAが必要とする措置を含め、保障措置の完全履行」との表現で、原子炉引き渡し前(約五年後がめど)に、事実上、査察を受け入れることが、規定されている。
 〈米朝合意の骨子〉
▽米国は北朝鮮に軽水炉を二〇〇三年をめどに提供できるよう調整。国際コンソーシアムを組織。
▽北朝鮮は黒鉛減速炉を凍結、軽水炉導入時までに解体。使用済み核燃料棒は国内で再処理せず。
▽北朝鮮は核拡散防止条約にとどまり、国際原子力機関の査察を受け入れる。
▽両国は双方の首都に連絡事務所を設置、懸案事項の進展に伴い、大使級に格上げ。
▽米国は北朝鮮に対し、核兵器で威嚇せず、その不使用を保証。
▽北朝鮮は南北対話に取り組む。
 
 
 
 
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