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ごあいさつ
 近年は、「高齢者のケア」や「心のケア」をはじめ、「ケア」という言葉が日常的に頻繁に使われています。しかし、「ケア」は本来、介助や介護が必要になったり、事件や災害が起きたときだけ必要になるような特別な行為ではありません。
 「ケア」とは、他者への気遣いや配慮なども含めた、人間の生の本質的な営みです。そして、他者の喜びや苦しみに寄りそい、生き死にを共に考えることで互いを育み合う相互的な営みだと考えられます。
 私たちは、「ケア」を介して一人ひとりのかけがえのなさ、つまり「魂の重さ」に気づくことができます。そして、他者の魂に触れることは互いの生を際立たせ、一人ひとりが自分を育みながら幸せになっていくことにつながります。
 このような営みを大切にするためには、私たちが生きている社会の規範や価値、すなわち文化を問いなおすことが必要です。
 この研究集会では、「ケア」を介して互いの生に寄りそうことのできる「ケアの文化」について考えます。そして、「ケアする人」が自らの営みを社会に向けて発信することで、人間本来のつながりを恢復することの重要さを考えていきたいと思います。
会期    2001年10月20日(土)−21日(日)
会場 国立オリンピック記念青少年総合センター
主催 ケアする人のケア・サポートシステム研究委員会
特別協賛 日本財団
日本ボランティア学会共同プロジェクト








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