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解剖学実習を終えて
 宮下 卓
 二年後期から始まった解剖実習も、この三年前期をもって終わってしまった。
 人体解剖という授業は、現在歯学部・医学部でしか行われておらず、一生に二度とない位の経験をした様に思う。貴重な経験だからこそ、又何より献体して下さった故人、遺族の方々の思いを無駄にしない為にも、真剣になって、少しでも多くの事を実習を通して学び取ろうと努力したつもりである。
 体中の筋肉が、人間がする動作によってどの様に働いているのかという事は、教科書や専門書を読む事によって知る事ができる。しかし、そこで得た知識をより深く、確実な物にするには実際に本物を見てみれば良いのである。そうする事によって、自分は人体というものが精巧かつ合理的に形成されているという事を知る事ができた。又人体の神秘的な部分にも触れる事ができた。
 私達の大半は歯科医師を目指している。これからまだまだ先は長いと思うが、この解剖実習で得たものを生かして、進んでいこうと思う。








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