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1.7 その他の海事関係事業
 クロアチア造船業の際立った特徴で、従来の問題点の原因のひとつは、主要造船企業の企業構造であった。1960年代、70年代のユーゴスラビア社会主義政権の下で、クロアチアの主要造船企業は、非海事分野を含む広範な他分野の事業への多角化を図った。例えば、Uljanikグループでは、ケータリングや自動車サービス業などまで行っていた。1990年代初めに新クロアチア政権は、合理化のためにこれらの非中核事業を売却する必要があると認識していたが、これらの関連会社の多くは独立して経営するには収益性が十分でないため、今日までのところその改革は限られたものにとどまっている。これらの関連会社が売却されたとしても、いくつかは立ち行かなくなり、現在既に急速に悪化している失業率を更に悪化させたであろう。
 
 主要クロアチア造船企業の事業で、非海事分野の事業以外のものとしては、クレーン、ウィンチ、監視装置などの舶用機器製造がある。これらは、3 Maj、Uljanikで行われている。3 Majでは、ディーゼルエンジンや舶用機器のほかに貯蔵タンク、精製装置、土木機器なども製造している。








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