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4 本田亘家住宅(屋号 塩屋) 
台帳番号20
白土町1051
 
概要 大規模な当敷地は南北に往来する島原街道の西側に位置し、南側は島原街道に直行する道路に面した角地である。主屋は島原街道に東面して建ち、北側を上手とする。敷地東面からの南面、西面にかけて建物が接続して建つ。当家は代々酒造業を営んでおり、敷地内に建つ付属屋は醸造に関わる建物で、南面は2棟の作業建物、西面は4棟の酒造蔵が並ぶ。北側は広い庭園をつくり、その北東の角には祠がある。
 主屋主体部分は桁行9間半(18.8m)梁間4間(7.9m)、切妻造桟瓦葺き平入で、つし二階建である。正面は1間半の下屋をおろすが、上手2間分は下屋をつけず前に坪庭をつくり、腰板土塀で囲み門を開く。背面は2間の下屋をおろす。外壁は大壁造漆喰塗りで、軒裏は漆喰で波型に塗込める。
 主屋主体部分の間取りは床上部分と通り土間部分に分かれ、床上は六間取りを基本とし、さらにこの表裏に下屋をのばし居室をつくる。座敷は上手3室を鍵型に配置し、北妻面を庭園に向けて全面開口とする。正面に付く下屋は店の間と帳場、背面に付く下屋上手側を仏間とする。
 建築年代は棟札により、明治14年と判明した。
 
特徴 調査地区のなかで、敷地・主屋の規模が特別に大きい町家である。主屋には座敷として整えられた部屋が多くつくられ、これに面して広い庭園をつくり、下手に建つ附属屋も丁寧な仕事がほどこされ、格式の高い町家であることがうかがえる。建築当初の姿もよく残しており、伝統的な形式も伝えている。由緒ある島原街道を代表する質の高い町家として重要な建物である。
 
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本田亘家
 
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屋根伏図
 
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梁間断面図1/100
 
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一階平面図1/200
 
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二階平面図1/200








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