○大阪市を中心とした50km圏人口の変化
平成12年10月1日現在、大阪市を中心とする50キロ圏内人口は、約1,657万人である。
50キロ圏内の人口を10kmごとの距離ベルト別にみると、0〜10km圏が約426万人(構成比25.7%)、10〜20km圏が約423万人(同25.6%)、20〜30km圏が約303万人(同18.3%)、30〜40km圏が約245万人(同14.8%)、40〜50km圏が約259万人(同15.6%)となっている。
次に、50キロ圏内人口を鉄道路線別による方向別に区分したセクター別にみると、阪神方面のAセクターが約307万人(構成比18.5%)、豊能方面のBセクターが約121万人(同7.3%)、三島方面のCセクターが約282万人(同17.0%)、北河内方面のDセクターが約201万人(同12.1%)、中河内方面のEセクターが約172万人(同10.4%)、南河内方面のFセクターが139万人(同8.4%)泉州方面のGセクターが約176万人(同10.6%)となっている。
平成2年〜12年の人口増加率をセクター別、距離ベルト別でみると、伸び率が高いのは、[1]セクター別ではBセクターの約7% [2]キロ圏別では40〜50km圏の約6%、[3]TotalではBセクター30〜40km圏の約60%、次いでBセクター40〜50km圏が約23%と続いている。
逆に伸び率が小さいのは、[1]セクター別ではAセクターの約1% [2]キロ圏別では0〜10 km圏の約-2%、[3]TotalではDセクター40〜50km圏が約-10%、次いでAセクター0〜10 km圏が約-7%となっている。
以上より、次のことが言える。
・ 大阪市内から10km圏内は人口減少
・ 人口増加が見られるのは北西方向(JR・阪急宝塚線方面)と南東方向(南海高野線・近鉄南大阪線)、南方面(阪和・南海線)、西方向(40〜50km圏)において顕著である。
表 3-1-1 セクター区分
|
キロベルト |
0〜10km |
10〜20km |
20〜30km |
30〜40km |
40〜50km |
セクター |
数 |
5 |
25 |
35 |
32 |
44 |
Aセクター(西) |
18 |
尼崎市 |
西宮市、芦屋市、伊丹市 |
東灘区、灘区、中央区 |
兵庫区、長田区、須磨区、北区 |
垂水区、西区、明石市、三木市、吉川町、東条町、淡路町 |
Bセクター(北西) |
12 |
豊中市 |
池田市、箕面市、宝塚市、川西市 |
豊能町 |
能勢町、三田市、猪名川町 |
篠山市(H11.4より多紀郡の4町合併) |
Cセクター(北) |
22 |
|
吹田市、茨木市、摂津市 |
高槻市、島本町、大山崎町 |
南区、西京区、亀岡市、向日市、長岡京市 |
大津市、北区、上京区、左京区、中京区、東山区、下京区、右京区、山科区、園部町、八木町 |
Dセクター(北東) |
19 |
守口市、門真市 |
寝屋川市、大東市、四条畷市、交野市 |
枚方市、八幡市、京田辺市、木津町、精華町 |
伏見区、宇治市、城陽市、久御山町、井手町、宇治田原町、山城町 |
和束町 |
Eセクター(東) |
22 |
東大阪市 |
八尾市、柏原市、生駒市、平群町、三郷町 |
奈良市、大和郡山市、斑鳩町、安堵町川西町、三宅町、上牧町、王寺町、河合町 |
加茂町、天理市 |
笠置町、南山城村、月ヶ瀬村、都祁村、山添村 |
Fセクター(東南) |
33 |
|
松原市、羽曳野市、藤井寺市、美原町 |
富田林市,河内長野市、大阪狭山市、太子町、河南町、大和高田市、香芝市、新庄町、当麻町、広陵町 |
千早赤阪村、橿原市、桜井市、御所市、田原本町、高取町、明日香村 |
五條市、大宇陀町、榛原町、室生村、吉野町、大淀町、下市町、橋本市、那賀町、かつらぎ町、高野口町、九度山町 |
Gセクター(南) |
15 |
|
堺市、高石市 |
岸和田市、和泉大津市、和泉市、忠岡町 |
貝塚市、泉佐野市、熊取町、田尻町 |
泉南市、阪南市、打田町、粉河町、岩出町 |
Aセクター |
(JR西日本) |
東海道本線、山陽本線、福知山線、山陽新幹線、JR東西線 |
(阪急) |
神戸線、伊丹線、甲陽線、今津線 |
(神戸電鉄) |
本線、西大阪線、武庫川線 |
(山陽電鉄) |
|
(神戸高速) |
|
(神戸市地下鉄) |
|
(神戸ポートライナー) |
|
|
Bセクター |
(JR西日本) |
福知山線 |
(阪急) |
宝塚線、箕面線、今津線 |
(能勢電鉄) |
|
(北大阪急行) |
|
(神戸電鉄) |
|
|
Cセクター |
(JR西日本) |
東海道本線、山陽本線、湖西線、草津線、奈良線 |
(JR東海) |
東海道新幹線 |
(阪急) |
京都線、千里線、嵐山線 |
(京阪) |
本線、京津線、石山坂本線 |
(近鉄) |
京都線 |
(大阪市地下鉄) |
御堂筋線 |
(北大阪急行) |
|
(叡山電鉄) |
|
(京福電鉄) |
|
(京都市地下鉄) |
|
|
Dセクター |
(JR西日本) |
学研都市線、奈良線 |
(京阪) |
本線、交野線、宇治線 |
(近鉄) |
京都線 |
(大阪市地下鉄) |
谷町線 |
|
Eセクター |
(JR西日本) |
関西本線、桜井線 |
(近鉄) |
大阪線、奈良線、東大阪線、信貴線、道明寺線、生駒線、天理線、橿原線、田原本線、京都線 |
(大阪市地下鉄) |
中央線、谷町線 |
|
Fセクター |
(JR西日本) |
桜井線、和歌山線 |
(近鉄) |
南大阪線、大阪線、長野線、道明寺線、吉野線、御所線、田原本線、伊賀線 |
(南海) |
高野線 |
|
Gセクター |
(JR西日本) |
阪和線、和歌山線、紀勢本線 |
(南海) |
本線、高野線、高師浜線、多奈川線、加太線、和歌山港線、貴志川線 |
(大阪市地下鉄) |
御堂筋線 |
(水間鉄道) |
|
(泉北高速) |
|
(阪堺電軌) |
|
注) 距離ベルト別は、大阪市役所からの直線距離によって分類。境界線上の市区町村は、面積の2分の1以上あるいは市街地の2分の1以上が含まれる方の距離ベルトに含めた。
セクター別は、鉄道路線によって大阪市役所からの方向別に市町村を分類。鉄道が2本以上入っている市区町村は、大阪市への通勤に利用度の高い鉄道によりそれぞれのセクターに区分。
(拡大画面: 101 KB)
図 3-1-8 大阪市50キロ圏ベルト・セクター別人口増加率の分布(H2〜12)
表 3-1-2 大阪市50キロ圏ベルト・セクター別人口増加率の分布(H2〜12)
|
総数 |
0〜10km |
10〜20km |
20〜30km |
30〜40km |
40〜50km |
総数 |
2.2% |
-2.1% |
1.3% |
5.3% |
4.1% |
5.9% |
大阪市 |
-1.0% |
-1.0% |
|
|
|
|
Aセクター |
0.7% |
-6.6% |
1.9% |
-3.8% |
-5.5% |
11.9% |
Bセクター |
6.5% |
-4.4% |
4.2% |
8.6% |
59.9% |
22.5% |
Cセクター |
1.5% |
|
1.0% |
-0.7% |
4.9% |
1.3% |
Dセクター |
3.0% |
-4.0% |
2.7% |
7.1% |
3.2% |
-10.2% |
Eセクター |
2.1% |
-0.6% |
2.8% |
3.9% |
3.4% |
-1.2% |
Fセクター |
5.8% |
|
0.6% |
12.8% |
3.8% |
1.2% |
Gセクター |
4.4% |
|
-2.1% |
11.1% |
9.7% |
14.5% |
資料: 国勢調査
○人口流動の変化
・ 通勤・通学流動をODぺア(大都市交通センサスにおける地域ブロック単位)で見ると、大阪を中心として神戸・京都の各市中心部に就業就学者が集中する三極構造となっている。
・ 一方、平成7年から12年までの変化をみると、これまで流動の多かった大都市近郊のODが減少に転じており、特に大阪市近郊から大阪市への流動が大きく減少している。
・ 相対的に大津湖南〜京都市、京都中部〜京都市、大津湖南〜大阪市、泉南〜大阪市など、郊外部から都心への流動は微増を示しており、比較的長い距離の通勤通学が増加している。このことから、郊外化および通勤(通学)距離・時間の拡大が読みとれる。
図 3-1-9 通勤通学流動量 (平成12年)
図 3-1-10 通勤通学流動量の変化 (平成7年から12年)
資料: 平成12年度大都市交通センサス
○社会移動の増減
・ 滋賀県、神戸市は、転入超過となっているが、その他は転出超過となっている。特に、大阪府下、京都市では、転出入の差が大きい。
(拡大画面: 109 KB)
図 3-1-11 府県指定市別社会移動の推移
資料: 住民基本台帳