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2. 国際会議出席報告(NOxモニタリングガイドライン関係)
 次の通り、IMOの関係委員会へ業界代表として出席し、日本意見の反映と各国関係委員との意見交換を行った。
IMO第45回設計設備小委員会(DE45)
場所 ロンドン
開催期間 平成14年3月18日〜22日
出席者 大形機関技術専門委員会委員長  田中 孝雄
審議の概要
 DE44で設置されたコレスポンデンスグループ(CG)報告書(DE45/4)及び日本の実船試験情報(DE45/INF4)をもとにドラフティンググループ(DG)が設けられ、ガイドラインのコンセプトを明白にし、各国意見を集約したドラフト草案が作成された。
 今後は、2003年の本ガイドライン発行に向けてIntersessional CG活動、CG報告書の次回DE46への提出、及びDE46(ワーキンググループ)でガイドラインドラフト作成を行うことが承認された。
 
1. プレナリーでの審議
 CG報告書(DE45/4)の概要についてCGリーダーの米国より、日本、パナマ、米国、及びEUROMOTから4種類のガイドラインドラフトが提案されたが、合意、集約されたドラフトの作成には至らなかったと説明があり、ドラフティンググループで4種類のドラフト及び各国コメントをもとにガイドライン作成に向けた審議を要請した。
 実用的ガイドライン作成のために日本が行っている実船試験報告書(DE45/INF4)を参照する事を要望し、船上NOxモニタリングは、定期・中間検査時の再認証取得の1手段として、定常状態に限った内容とすべきとの基本姿勢を説明した。
 議長より2003年の本ガイドライン発行に向けて、DGにて次の4項目の作業が要請された。
 
 ・DE45/4、DE45/INF4及びプレナリーで審議を踏まえたドラフト
 ・4種類のドラフトの共通点、相違点の討議と確認
 ・CGの必要性とその作業案の勧告
 ・DG作業の報告書提出
2. ドラフティンググループでの審議
 DGには、9ヶ国、2機関(パナマ、中国、ドイツ、日本、オランダ、韓国、スウェーデン、英国、米国、EUROMOT、INTERTANKO)が参加し、議長はPanamaのMr.A.AWrightが就任した。
 各国のガイドラインドラフトの説明にひきついでガイドラインの集約化について検討した。概略は次のとおり。
(イ)意見集約が得られた重要項目
a  計測条件は定常状態とする。
b  計測は定期検査及び中間検査の30稼働日以内に行う。計測データの船上保管は検査日から3ヶ月間とする。
c  計測サイクルはNTC3.2に規定されるものとする。操船上、不可能な場合は、NTC3.2に近いものも認められる。
d  エンジン性能(出力、速度、燃費等)は直接計測、あるいは試験台上での計測結果からの推定とする。
e  計測器はNTCの付録3に準拠。但し、NTC5.4.2規定の他の分析計(ジルコニア等)も認められる。
f  計測誤差はNTC6.3.11のとおり。
(ロ)審議未了や意見不一致で、CGでの継続審議を要望された項目
a  計測ガス成分の規定。
b  NTC付録6の燃料成分項目の見直し。
c  NOxモニタリングの結果及び手段の検証についての詳細マニュアル作成。
d  上記以外に意見が一致しなかったもの。
 なお、小委員会への(DE45)要望事項はつぎのとおり。
a  DG作成のドラフト草案の認知。
b  Intersessional CGの再構築とDE46へのCG報告書(更新ドラフト)提出承認。
c  DE46におけるWGの構築とドラフト作成作業の承認。
d  第10規則対応の為のNTC2.3.4見直しのMEPCへの勧告。
 
3. プレナリーでの審議
 小委員会はドラフティンググループ報告書を承認した。その結果、「船上でのNOxモニタリングに関するガイドライン」の作成促進のためのコレスポンデンスグループの再構築、CGのDE46へのドラフトガイドラインの提出及びDE46でのワーキンググループ構築及びドラフト作成作業が承認された。








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