3.産業振興施策の必要性
福岡市が持続的に経済成長していくには、以下の要因に留意し、新たな産業振興施策を打つことにより、本市における都市活力を高めていく必要がある。
(1)流通業の成熟化が進み、卸売業・小売業の年間商品販売額が減少している。(単位:百万円)
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H9 |
H11 |
卸売業年間販売額 |
16,828,510 |
15,345,315 |
小売業年間販売額 |
2,022,503 |
1,969,494 |
資料:経済産業省「商業統計調査」
(2)廃業率が開業率を上回っている。
(年) |
S61〜H1 |
H3〜H6 |
H8〜H11 |
開業率(%) |
19.4 |
18.0 |
17.4 |
廃業率(%) |
17.5 |
18.5 |
21.2 |
注:H8〜11は民営のみ
資料:総務省「事業所・企業統計調査」
(3)大学の集積は高いものの、理工系大学生の県外流出が著しい。
資料:福岡市総務企画局調べ
(4)経済・社会環境の変化
本市の経済は、サービス業の成長や活発な都市開発等によって、比較的順調に推移してきたが、流通における中抜きなどの流通構造の変化、企業の再編、管理・間接部門の縮小などにより、流通業及び支店型経済への影響が出ており、今後も懸念される。また、航空分野の規制緩和による福岡空港の発展、バス料金の値下げや路線設定の自由化による鉄道利用者の減少と来訪者の増加、大型小売店立地の緩和によるショッピングセンターの進出と商店街の厳しい現状など、本市においても規制緩和による様々な影響が出ており、こうした規制緩和の進展を本市の発展に結びつけるとともに、影響に対応していく必要がある。