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九州の玄関口として世界にはばたく博多港・福岡空港の国際拠点つくり
国土交通省 九州地方整備局 博多港湾空港工事事務所
アジアからの海のゲートウェイ 博多港
●博多港の概要
 博多港は、九州北部に位置する博多湾奥部にあり北に張り出した志賀島、海の中道と能古島に囲まれた自然の良港として古来から「那の大津」「袖の湊」と呼ばれ遣随使、遣唐使あるいは南蛮貿易に代表される中国大陸や朝鮮半島・東南アジア等との経済文化交流の窓口として栄えてきた我が国で最も古い国際貿易港であり、昔から東アジアとのつながりが深い港であります。
 また、NHK大河ドラマ「北条時宗」でもこの博多港が舞台となった元冠の来襲の撮影が中世博多展の百道浜で行われ放送されたばかりであります。
●アイランドシティのみなとづくり・まちづくり
 アイランドシティ整備事業は、平成元年博多港港湾計画で計画され博多湾東部海域に自然環境保全の考えから人工島形式で埋立て、21世紀への総合的な港湾空間の形成を目指して人・物・情報が交流し創造する「みなとづくり・まちづくり」を国、福岡市、博多港開発株式会社の事業主体で進めています。
 このアイランドシティには、コンテナ物流ゾーン、産業集積・住環境ゾーン、エコパークゾーンの3つの生活空間が調和した未来志向のまちづくりを目指して、埋立面積約40 0haの人工島を整備する計画であります。
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アイランドシティ埋立地
●平成15年度供用向けて整備が進む国際コンテナターミナル
 博多港の外貿コンテナ貨物は、年々増大し平成12年には50万TEUをオーバーする勢いで九州地方整備局管内第一の取扱量です。
 現在、箱崎埠頭と香椎パークポートには、水深12〜13mの岸壁が3バース、ガントリークレーン6基が設置され24時間体制で稼動し、さらに貨物の円滑な輸送を実現するHiTS(博多港コンテナ貨物ITシステム)の導入でジャスト・イン・タイムを可能にし荷役の効率化を進めています。
 しかし、年々急増するコンテナ貨物に対応するためアイランドシティに大水深の国際海上コンテナターミナル(水深14〜15m岸壁3バース)を今年7月港湾計画改訂で位置付け、増大するコンテナ貨物に対応した整備を計画しています。
 このうち、岸壁14mのーバースは平成5年度着手し平成13年度末、舗装を残し概成させ平成15年度早々に供用開始予定にしています。
急増するコンテナ貨物量の動向
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 また、岸壁とともに海の道路である航路についても平成13年4月幅員200m、水深14mが完成し船舶の安全航行が改善されましたが、岸壁14mーバースの供用開始と合わせ航路を全幅400m、水深14mに完成することで本格的な大型コンテナ船の安全航行が確保されることとなり、アジア、北米、ヨーロッパ、オーストラリアなど22ヶ国、地域48の主要港を結ぶ博多港は世界と九州をダイレクトにつなぐ北部九州の拠点港として、更なる発展が期待されています。
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コンテナ荷役中
●人工島のかなめとなる埠頭間連絡橋
「香椎かもめ大橋」
「香椎アイランドブリッジ」
 
 アイランドシティ及び香椎パークポートには、大小4本の橋梁が架かり国際コンテナ貨物等の港湾貨物を背後圏へ輸送するための動脈となる交通ネットワークの一翼を担っています。
 そのうち、当事務所では「香椎かもめ大橋」「香椎アイランドブリッジ」の2本の橋梁整備を担務しております。
 両橋梁は、アイランドシティ及び香椎パークポートの港湾物流ゾーンから発生する貨物等を背後圏へ輸送するための幹線臨港道路として「香椎かもめ大橋」は平成元年度、「香椎アイランドブリッジ」は平成7年度着手し、平成14年12月の全面供用を目途に鋭意整備を進めています。
 これらが完成することにより、港湾貨物の効率的な輸送体系の構築を図るとともに福岡市中心部と海の中道を結ぶ道路として福岡市東部地区の慢性的な交通渋滞解消にも大きく寄与します。
〜香椎かもめ大橋〜
 平成元年度現地着手した「香椎かもめ大橋」は、福岡市内で一番長い橋梁(L=789m)であり、周辺景観に配慮しカモメをイメージしてデザインされ、福岡タワー、ベイサイドプレイスなどと並んで博多湾東部地区の新しいシンボルとなっています。
 香椎パークポート地区の物流交通の連絡強化を図るため臨港道路の一部として、6車線が計画され、平成元年から工事着手し、香椎コンテナターミナルの供用と同時に平成6年春に2車線により暫定供用が開始されました。
 現在、平成14年12月の全面供用を目指し拡幅のための架設工事中ですが、供用中の岸壁及び既存の橋梁に隣接して架設することから、周辺企業の大半が休日となる今年8月のお盆には、国内最大級の大型起重機船(4100t吊)にて側径間の架設を終えたところです。
〜香椎アイランドブリッジ〜
 香椎パークポートとアイランドシティを結び海外から輸出入されるコンテナ貨物を取扱う国際コンテナターミナルの機能を確保する幹線道路として整備するもので、平成7年から工事着手を行い、平成11年7月に香椎パークポートからアイランドシティへの工事車両の唯一の通行路として暫定2車線で供用開始しています。
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香椎パークポート架設
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博多湾岸道路図面








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