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(2)気候変動枠組条約と京都議定書
 「大気中の温室効果ガス濃度を気候系に危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準に安定化させる」ことを目的とした気候変動枠組条約が、1992年5月に採択され、同年6月の国連環境開発会議(リオ・デ・ジャネイロ)で各国首脳により署名式が行われました。(現在、我が国を含む186ヶ国(含1地域)が締結)
 1997年12月には京都で同条約第3回締約国会議(COP3)が開催され、同条約の目的の実現を図るための京都議定書が採択されました。同議定書の中で、我が国は、2008年から2012年までの間(第1約束期間)に二酸化炭素を始めとする温室効果ガスを1990年比で6%削減するという数値目標が定められました。
 その後、2000年11月にオランダのハーグで行われた第6回締約国会議(COP6)では、京都議定書を遅くとも2002年までに発効させるために、京都議定書で導入された排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズム(CDM)からなる京都メカニズムの制度の具体化、排出量の削減・抑制の約束を守れなかった国の取扱を定めた遵守制度等の主要案件について協議が行われました。しかし、締約国間での内容の合意に到らず、COP6は一旦中断し、引き続き論議が行われることになりました。
 その後、2001年7月にドイツのボンで行われた気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)再開会合では、京都メカニズム等について基本的な合意(ボン合意)が得られ、さらに、同年11月の第7回同会合(COP7)では、ボン合意が法文化され、京都議定書の実施に係るルールが決定されました。
 
●京都議定書のポイント
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●温室効果ガス排出削減目標(1990年比)
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●京都議定書によって期待される二酸化炭素排出削減効果(先進工業国分)
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出典:気候変動枠組条約事務局資料
 
■京都議定書発効の要件
以下の両方の条件を満たした後、90日後に発効。
 [1]55ヶ国以上の国が締結。
 [2]締結した附属書I国(※)の合計の二酸化炭素の1990年の排出量が、全附属書I国の合計の排出量の55%以上。
 ※京都議定書に基づき、その温室効果ガスは排出量について、法的拘束力のある数値目標の達成が義務づけられている国。(先進国及び経済移行国が該当する)
 
●附属書I国の1990年の二酸化炭素排出量割合
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