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船舶安全法
 船舶安全法は、船体、機関、諸設備などの面から船舶の安全を図るもので、船舶の検査や航行区域、最大とう載人員などを定めています。なお、モーターボートや遊漁船など総トン数20トン未満の小型船舶については、日本小型船舶検査機構が小型船舶安全規則に基づき検査を実施します。
(1)船舶の検査
 船舶はその安全性を保つため、この法律の基準に基づく検査を受けなければなりません。
 船舶所有者は検査に合格していない船舶を航行させてはなりません。
[1]検査の種類
ア.定期検査:はじめて船舶を航行させるとき、又は船舶検査証書の有効期間が満了したときに行う検査
イ.中間検査:定期検査と定期検査の中間に行う簡易な検査
ウ.その他臨時検査、特別検査等
●一般の小型船舶(旅客船以外)
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[2]検査に関する証書類
 検査に合格した船舶には次の証書書類が交付されます。
ア.船舶検査証書:定期検査に合格した船舶に対して、航行区域(漁船は従業制限)、最大とう載人員、有効期間等を定めて交付されます。
 有効期間は、定期検査の周期と同じで6年である(小型船舶のうち旅客船については5年)
イ.船舶検査済票:定期検査に合格した小型船舶に限って交付され有効期間は船舶検査証書と同じである(中間検査の場合は中間検査済票)
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ウ.船舶検査手帳:最初の定期検査に合格したときに、船舶の検査に関する事項(次の検査の時期の指定、検査の記録)を記載するために交付される。
[3]証書類の取扱い上の注意
ア.船舶検査証書、船舶検査手帳を船内に備え付けておかなければならない。
イ.船舶検査済票を両船側の外から見やすい場所にはりつけておかなければならない。
(2)航行区域
 船舶は、その大きさ、構造、設備などに応じて航行する区域が定められています。
 航行区域には平水区域、沿海区域、近海区域、遠洋区域の4種類があります。湖、川は平水区域に入ります。
(3)最大とう載人員
 最大とう載人員とは、船舶の安全性を確保するために、載せることのできる最大限度の人員(定員)を定めたもので、定期検査の結果定められます。船舶は、最大とう載人員をこえて人員を乗船させてはなりません。
小型船舶法定備品一覧表
1−1 一般船(小安則第39条、40条、41条、44条、45条、58条、70条、84条) 62.10.1改定

   航行区域


法定備品
平水 限沿 沿海 摘要
右記以外 5トン以上の旅客船



係船索 2本 2本 2本 2本  
アンカー(いかり) 1個 1個 1個 1個 ・錨泊しないものは不要。
アンカーチェン又は索 1本 1本 1本 1本



小型船舶用膨脹式救命いかだ - - 定員の100% 定員の100% ・小型船舶用救命浮器でもよい。
小型船舶用救命胴衣 定員と同数※ 定員と同数※ 定員と同数 定員と同数 ※小型船舶用救命クッションでもよい。
※最大搭載人員を収容しうる救命いかだ又は救命浮器がある場合はなくてもよい。
小型船舶用救命浮環 1個 1個 2個 2個 ・小型船舶用救命浮輪でもよい。
小型船舶用信号紅炎 2個 2個 - - ・川のみを航行する船舶、無線電話を有する船舶は不要。信号紅炎でも可。
信号紅炎 - - 1個 1個  
小型船舶用自己点火灯 - - 1個 1個
小型船舶用自己発煙信号 - - 1個 1個
小型船舶用火せん - - 2個 2個
発煙浮信号 - - 1個 1個
遭難信号自動発信器 - - - -



小型船舶用粉末消火器又は小型船舶用液体消火器 2個※
(1)※
2個※
(1)※
3個
(2)
3個
(2)
( )内は船外機船又は無動力船の場合。
※消防用手おけ又はバケツを備え付けているものは1個減じてもよい。
・無人の機関室には自動拡散型の消火器を備えること。この場合液体粉末消火器1個を減じてよい。



ビルジポンプ(動力又は手動) - - - 1台  
バケツ(消防用と兼用可)及びあかくみ 各1個 各1個 各1個 - ・ビルジポンプを備えている場合は不要。
・無動力船及び船外機船はバケツ(消防用と兼用可)1個でよい。



噴射弁 - - - 1個 ・ディーゼル機関を備え付けているものに限る。
噴射ポンプの動作部品
(プランジャ、弁、バネ等)
- - - -
噴射管及び接合金具 - - - 1シリンダ分
点火プラグ - - - 1個 ・火花点火機関を備え付けているものに限る。



号鐘 1個 1個 1個 1個 ・全長12m未満のもの及び湖川のみを航行するものは不要。
時計 1個 1個 1個 1個 ・平水、限沿に限り船長の所持品でよい。
双眼鏡 - - - 1個  
気圧計(晴雨計〕 - - - 1個
測程機械 - - - -
コンパス - - - 1個
ラジオ - - - 1台 ・短波受信可能なもの。
 
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備考−1 湖川のみを航行区域とする小型船舶に備えつけなければならない船灯は、下表によってもよい。
夜間航行する他船のいる湖川のみを夜間航行するもの 白色灯1個
夜間航行する他船のいないダム又は湖を夜間航行するもの 携帯用白色灯(懐中電灯でもよい)1個
備考−2 船灯等の備え付けについては、10ページの一覧表も参考とされたい。
 
1−4 小型帆船(小安則第39条、40条、41条、44条、45条、58条、70条、84条及び帆船特殊基準〔II〕4) 62.10.1改定

法定備品
航行区域
平水 限沿 沿海 近海以上 摘要
右記以外 5トン以上の旅客船



係船索 2本 2本 2本 2本 2本  
アンカー(いかり) 1個 1個 1個 1個 1個 ・錨泊しないものは不要。
アンカーチェン又は索 1本 1本 1本
1本
1本



小型船舶用膨脹式救命いかだ - - 定員の100%※ 定員の100% 定員の100%※ ※小型船舶用救命浮器でもよい。
※第二種小型帆船で、不沈性能を有するものは不要。
小型船舶用救命胴衣 定員と同数※ 定員と同数※ 定員と同数 定員と同数 定員と同数 ※小型船舶用救命クッションでもよい。
※最大搭載人員を収容しうる救命いかだ又は救命浮器がある場合はなくてもよい。
小型船舶用救命浮環 1個 1個 2個 2個※ 2個 ・小型船舶用救命浮輪でもよい。
小型船舶用信号紅炎 2個 2個 - - - ・川のみを航行する船舶、無線電話を有する船舶は不要。信号紅炎でも可。
信号紅炎 - - 1個 1個 2個  
小型船舶用自己点火灯 - - 1個 1個 1個
小型船舶用自己発煙信号 - - 1個 1個 1個
小型船舶用火せん - - 2個 2個 4個
発煙浮信号 - - 1個 1個 2個
遭難信号自動発信器 - - - - 1個 ・第2種帆船は、アマチュア無線又は無線電話でもよい。



小型船舶用粉末消火器
又は
小型船舶用液体消火器
1個※ 1個※ 2個 2個 3個 ※消防用手おけ又はバケツを備え付けているものは1個減じてもよい。
・無人の機関室には自動拡散型の消火器を備えること。(この場合液体粉末消火器1個を減じてよい)



ビルジポンプ
(動力又は手動)
- - - 1台 1台  
あかくみ及びバケツ 各1個 各1個 各1個 - - ・ピルジポンプを備えている場合は不要。
・船外機船はバケツ(消防用と兼用可)1個でよい。



噴射管及び接合金具 - - - 1シリンダ分 1シリンダ分 ・ディーゼル機関を備え付けているものに限る。
点火プラグ - - - 1個 1個 ・火花点火機関を備え付けているものに限る。



号鐘 1個 1個 1個 1個 1個 ・全長12m未満のもの及び湖川のみを航行するものは不要。
時計 1個 1個 1個 1個 1個 ・船長の所持品でよい。
測程機械 - - - - 1個  
コンパス - - - 1個 1個
ラジオ - - - 1台 1台 ・短波受信可能なもの。

マスト灯又は前灯※1 1個※3 1個※3 1個※3 1個 1個 ※1:無動力帆船は不要。
※2:無動力帆船で全長20m未満のものは三色灯1個、全長7m未満のものは携帯用白灯1個でよい。
※1、※2:動力船で全長7m未満のものは小型船舶用白灯(停泊灯と兼用可)1個でよい。
※3:昼間のみ航行するものは不要。
※4:全長12m未満のもので港域、航路等をひんぱんに航行するもの以外のものは省略できる。
げん灯又は両色灯※2 1対※3 1対※3 1対※3 1対 1対
船尾灯※2 1個※3 1個※3 1個※3 1個 1個
停泊灯 1個※3 1個※3 1個※3 1個 1個
紅灯※4 2個※3 2個※3 2個※3 2個 2個
黒色球形形象物 3個 3個 3個 3個 3個 ・全長12m未満のものは不要。ただし、港域、航路等をひんぱんに航行するものは2個、錨泊するもの(全長7m未満のものにあっては、水道等で錨泊するものに限る)は1個とする。
黒色円すい形形象物 1個 1個 1個 1個 1個 ・無動力帆船には不要。
汽笛 1個 1個 1個 1個 1個 ・全長12m未満のもの、湖川のみを航行するものは不用。
国際信号旗 - - - NC2旗 NC2旗  
海図 - - - 1式 1式
音響信号器具 1個 1個 1個 1個 1個 ・号鐘又は汽笛を備え付けているものは不要。
・限沿以下は笛でもよい。


予備帆(ストームジブ) - - - 1枚 1枚  



ドライバー 1組 1組 1組 1組 1組  
レンチ 1組 1組 1組 1組 1組 ・モンキレンチでもよい。
プライヤー 1個 1個 1個 1個 1個  
プラグレンチ 1個 1個 1個 1個 1個 ・ディーゼル機関は不要。
備考−1 「第二種帆船」とは、旅客定員を有しない帆船をいう。
備考−2 湖川のみを航行区域とする小型帆船に備えつけなければならない船灯は、下表によってもよい。
夜間航行する他船のいる湖川のみを夜間航行するもの 白色灯 1個
夜間航行する他船のいないダム又は湖を夜間航行するもの 携帯用白色灯(懐中電灯でもよい) 1個
備考−3 船灯等の備え付けについては、10ページ及び11のページの一覧表も参考とされたい。
水上オートバイ備品
 法律によりマリンジェットに備えなければならない備品の種類と数量が定められています。走航前には、下記の法定安全備品が搭載されていることを確認してください。
備品の名称 数量 備考
係船索(ロープ) 1本  
小型船舶用救命胴衣 定員と同数  
小型船舶用信号紅炎 1セット  
音響信号器具 1個 汽笛又は笛(救命胴衣のものと併用可)








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