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2. 日本海の生い立ちと海底地形の特徴
 日本海は大陸と日本列島に囲まれた縁海で、その誕生は2800万年前に始まると考えられている。図1に示すように、日本海の海底地形は日本列島沿岸の小規模な海底山脈と海盆とが複雑に組み合って分布する海域(図1の楕円で囲まれた海域)、大陸性地殻からなる大和海嶺や朝鮮海台などの高所、そして日本海の北半分を占める水深3000mを越える日本海盆に大別される。
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図1 日本海の海底地形と海峡部
3. 日本海の入口と出口
 図1に示すように、対馬海峡の幅は約170kmで、大部分の水深は120mより浅いが、200mより深い場所もある。日本海の入り口である対馬海峡の西方には黒潮水と東シナ海沿岸水との混合水が滞留している。この水は対馬海峡を挟む水位差によって日本海に入り、対馬海流となって日本海を暖めている。冬季に大陸から吹き出す季節風は乾いているが、その下部は日本海、特に対馬海流上で多量の水蒸気を受けて湿った空気となる。これが日本に上陸し山脈によって上昇すると凝結して雪となり、日本海沿岸に豪雪地帯が形成される。日本海の出口の一つである対馬海峡の長さは約100km、最狭部は20kmで、水深は300mより浅い。対馬海流の一部は津軽海峡を経て太平洋へ流出する。本州と北海道を結ぶ青函トンネルは、氷河時代の強い流れによってえぐられてできた窪地の田山海釜(水深344m)と須田海釜(水深284m)の間の鞍部(水深140m)の下の100mを貫いている。対馬海流は宗谷海峡(幅40km、水深30〜70m)も通って宗谷海流となってオホーツク海に注ぐが、最北の間宮海峡(最狭部7.4km、水深10m以浅)から流出する量は極めて少ない。








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