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第2章 研究の内容
 本調査研究は、K-GPSの高精度実測及び既存データの収集・解析から、地域分布を正確に表す基本水準面高低モデルの開発、高低マップ作成及び測量船の高さ精度の検証を実施することにより、従来測深時に実施している潮高補正処理に代え、K-GPSにより測量船の高さを直接測定し、任意の位置の実水深が得られる可能性を明らかにしようとするものである。
 その手段として、K-GPSを利用し、WGS84準拠楕円体面(以下、楕円体面と記す。)を基準として基本水準面の高低モデルと、水深測量の座標系の共通化を図った。さらに、それらの精度の確認と補正手法の確立をめざした。
 
 目標とするリアルタイム水深測量は、下記[1]に示す従来の潮汐の観測から潮高を導き出す方法に対し
 
(実水深)=(測得水深)-(潮高)…[1]
<測量結果><潮汐観測結果>
=(測得水深)-((測量船の高さ)-(測量船のアンテナ高)-(基本水準面の高さ))…[2]
<測量結果><GPS測量結果><動揺補正値><モデルによる値>
 
 [2]の、測量船の高さのK-GPS測量結果から、数値モデルより求めた基本水準面の高さを差し引くことにより、潮高をリアルタイムに求める方法である。なお、[2]式における「測量船の高さ」とは、楕円対面を基準とした測量船のGPSアンテナ位相中心までの高さを指す。また、「測量船のアンテナ高」は、喫水から測量船のアンテナ位相中心までの高さより、船の動揺を補正した値を指す。
 
 このため、本年度は以下の4項目について実施した。
1. 基本水準標の楕円体上の高さ測量
2. 基本水準面高低モデルの開発研究
3. 測量船の高さ精度の検証のためのデータ収集及び解析
4. K-GPSデータ及びマルチビーム測深データの処理・編集技術の開発研究








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