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4. 全国幹線旅客純流動データ・純流動表の作成
4.1 全国幹線旅客純流動データ・純流動表作成要件
 全国幹線旅客純流動トリップデータが、広く、有効に活用でき、また一定の精度が確保できるといった観点から、純流動トリップデータに求められる要件、整備上の留意事項を整理した。 
 
(1)純流動トリップデータに求められる要件
 ・真の出発地、真の到着地で捉えることができること
 ・居住地から旅行先への流動として捉えることができること
 ・旅行目的別に捉えることができること
 ・幹線交通機関別にその利用経路、乗り継ぎ状況の把握ができること
 ・幹線交通機関へのアクセス、イグレス実態を捉えることができること
 ・幹線旅客流動の旅行日程等を捉えることができること
 ・輸送実績に対応した拡大係数が割り当てられていること
 
(2)トリップデータの整備データ項目
[1] 出発地・目的地・居住地
[2] 旅行目的
[3] 交通機関・代表交通機関
[4] 交通機関別利用区間
[5] 同一交通機関の乗換地点
[6] 代表交通機関へのアクセス、イグレス交通機関
[7] 旅行日程
[8] 個人属性(性別、年齢)等
 
(3)作成した純流動表
[1] 交通機関別府県相互間流動表(秋期1日、年間)
[2] 代表交通機関別府県相互間流動表(秋期1日、年間)
[3] 旅行目的別府県相互間流動表(秋期1日)
[4] 交通機関別旅行目的別府県相互間流動表(秋期1日)
[5] 代表交通機関別旅行目的別府県相互間流動表(秋期1日)
[6] 上記流動表に対応した居住地から旅行先の純流動表
4.2 拡大・統合の要領
 拡大・統合にあたっては、以下の基本方針に沿って、乗り継ぎ処理を行なった上で、2つのゾーンレベル(府県、207)と2つの量(秋季1日、年間)の拡大係数を設定した。
・出発地、目的地、居住地ができる限り市郡単位で明らかなことが望ましい
・配布率、回収率等を考慮した適切な拡大係数が割り当てられていること
・同種、異種を問わず交通機関を乗り継いだ幹線旅客の拡大係数は、交通機関間の重複を考慮したものであること
・日拡大係数は平成12年秋期1日、年間拡大係数は平成12年度に対応するように整備されていること
4.3 全国幹線旅客純流動データ・純流動表の作成
以上の拡大・統合要領を踏まえ、各交通機関別の純流動データと純流動表を作成した。その結果の概要を以下に示す。
 
(1)秋季1日の幹線旅客純流動量
 秋季1日の幹線旅客純流動量を過去2回と比べてみると、5年毎に約6%増加している。
 平成12年 約3,532千人/日(+5.6%)
 平成 7年 約3,244千人/日(+6.0%)
 平成 2年 約3,154千人/日 
 
(2)代表交通機関別幹線旅客純流動量
 秋季1日の代表交通機関別幹線旅客純流動量を平成7年度と比べてみると、流動量では幹線フェリー・旅客船以外は伸びているが、分担率では航空、自動車が上昇し、鉄道は構成比を下げている。
 
      代表交通機関別幹線旅客純流動量
          秋季1日(千人/日)
   H12   H7
航空  267 ( 7.6%)  222 ( 6.6%)
鉄道  774 (21.9%)  768 (23.0%)
バス   56 ( 1.6%)   53 ( 1.6%)
フェリー・旅客船   21 ( 0.6%)   31 ( 0.9%)
自動車  2,414 (68.3%)  2,272 (67.9%)
合計  3,532  3,344
 
報告書名:
「全国幹線旅客純流動調査報告書」
(資料番号130057)
本文:A4版81頁
報告書目次:
第1編 全国幹線旅客純流動調査の目的・意義
第2編 全国幹線旅客純流動データ・純流動表の作成
 
第1章 調査の枠組み
 1-1 基本的枠組みの検討
 1-2 幹線旅客純流動調査全体計画の策定
 
第2章 利用データの概要
 2-1 「航空旅客動態調査」
 2-2 「幹線鉄道旅客流動調査」
 2-3 「全国道路交通情勢調査(自動車起終点調査)」
 
第3章 補充調査
 3-1 補充調査対象系統、航路の選定
 3-2 補充調査実施要領の検討
 3-3 補充調査の回収状況
 3-4 補充調査データの作成
 3-5 補充調査結果
 
第4章 全国幹線旅客純流動データ・純流動表の作成
 4-1 全国幹線旅客純流動データ・純流動表作成要件の検討
 4-2 拡大・統合要領の検討
 4-3 全国幹線旅客純流動データ・純流動表の作成
【担当者名:原田雅之、村上亙】
【本調査は、日本財団の助成金を受けて実施したものである】








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