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第7章 今後の取り組みに向けて
  第6章で示したリサイクルシステムについて、えひめ循環型社会推進計画に対する位置づけを示し、食用廃油に関するモデル事業案を提示した。また、循環型社会の構築に向けて松山市が取り組まなければならない課題について整理した。
1 えひめ循環型社会推進計画に対する本調査研究の位置づけ
 「えひめ循環型社会推進計画」では、主要施策として、[1]環境意識の高揚、[2]多様なリサイクルシステムの定着促進、[3]環境ビジネスの支援制度の拡充、[4]環境優先行政の実践を4つの柱として提示している。本調査研究で示したリサイクルシステムを、4つの柱に従って整理すると次のようになる。
 
[1] 環境意識の高揚
 消費者が排出者あるいは世話役として食用廃油及び剪定枝のリサイクルシステムに参加することで、参加者の意識を啓発することになる。また、児童・生徒あるいは消費者を対象とした石けんづくり教室を開催することにより、環境教育・環境学習の充実を図ることができる。さらには、食用廃油から製造したバイオ・ディーゼル燃料をごみ収集車のみならず、コミュニティバスや市長車、坊ちゃん列車など特徴のある用途に使用することで、PR・啓発効果を得ることができる。
 
[2] 多様なリサイクルシステムの定着促進
 これまでほとんどがごみとして捨てられていた食用廃油と剪定枝のリサイクルを行うことで、多様なリサイクルシステムの定着促進に寄与することができる。
 
[3] 環境ビジネスの支援制度の拡充
 食用廃油や剪定枝の処理については、行政自らが行うのではなく、民間事業者の活用が不可欠である。食用廃油の処理については民間事業者が施設を建設する動きがあり、剪定枝の処理については県内の環境NGOがペレット燃料化事業を行う動きがある。本事業をこれらの活動とリンクすることにより、環境ビジネスを育成することができる。
 
[4] 環境優先行政の実践
 食用廃油と剪定枝のリサイクルにより焼却ごみを減少することができ、これによって、二酸化炭素をはじめとする環境負荷を低減することが可能である。また、バイオ・ディーゼル燃料を使用することで、自動車排ガスの環境負荷を低減することができる。さらには、本事業を清掃・リサイクル部署のみが実施するのではなく、全庁をあげた横断的な取り組みとすることで、全庁職員の意識を向上することができる。
図表7-1 えひめ循環型社会推進計画に対する本調査研究の位置づけ
(拡大画面: 85 KB)
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