日本財団 図書館


ウ 近年の多機能型の都市開発
-湘南国際村、横須賀リサーチパークの開発、駅周辺の再開発-
 近年になると、多機能型と呼べるような都市開発が多くみられるようになる。以下に代表的な3つの事例を示す。
 
(ア) 湘南国際村
 「湘南国際村」は、神奈川県により策定された基本構想、基本計画に基づき、横須賀市と葉山町にまたがる丘陵地(約185.2ha)に、「緑陰滞在型の国際交流拠点」として開発された。平成2年(1990年)から民間事業者による基盤整備事業が開始され、平成6年(1994年)に村の一部がオープンし、「学術研究」「人材育成」「技術交流」「文化交流」の4つの機能の集積を目指した、多機能型のまちづくりが行われている。
写真1-9 湘南国際村
資料:横須賀市「横須賀市基本構想・基本計画」(平成10年7)
 
(イ) 横須賀リサーチパーク
 「横須賀リサーチパーク(YRP)」は、国、市等により策定された基本計画、基本構想に基づき、横須賀市南部の光が丘地区の丘陵地(約58.8ha)に、「情報通信に関する世界的な研究開発拠点」の創出を目的に開発された。平成8年(1996年)から民間事業者による基盤整備事業が開始され、平成9年(1997年)に一部がオープンした。
 現在、国立の研究機関や国内外の民間研究機関が多数立地し、電波情報通信技術に関する、基礎から最先端にいたる幅広い分野の研究開発が行われている。
写真1-10 横須賀リサーチパーク
資料:横須賀市「横須賀実施計画
(第2次まちづくり3ケ年計画)」(平成13年2月)
資料:横須賀市「市勢要覧」(平成12年10月)
 
(ウ)横須賀駅、汐入駅周辺の整備
 横須賀市の中心市街地の一角をなすJR横須賀駅・京急汐入駅周辺では、横須賀市、神奈川県住宅供給公社、住宅・都市整備公団(当時)によって、超高層住宅をシンボルとした「ウェルシティ整備事業」、汐入駅周辺の再開発事業、ヴェルニー公園の整備が行われている。
 「ウェルシティ整備事業」については平成12年(2000年)に工事が完了しており、その中核施設として、「ウェルシティ市民プラザ」が開設されている。「ウェルシティ市民プラザ」内には「健康増進センター」「生涯学習センター」等、市民のための各種サービス施設が開設されている。
 また汐入駅周辺の再開発事業は現在も進行中であるが、既に駅前広場、高層ホテル、大型ショッピングセンターの建設が行われている。
写真1-11 JR横須賀駅西側の貨物ヤード跡地を中心とした「ウェルシティ整備事業」
資料:横須賀市「市勢要覧」(平成12年10月)
写真1-12 京浜急行汐入駅前地区の再開発事業
資料:横須賀市「都市計画マスタープラン」(平成8年3月)
 
エ 大規模宅地・都市開発の進展のまとめ
 横須賀市における大規模宅地・都市開発の歴史は、昭和30年代からはじまる丘陵部の大規模宅地開発、昭和40年代後半から本格化する既成市街地における高層マンションの建設、「湘南国際村」をはじめとする近年における多機能型の都市開発、に特徴づけることができる。これらの変遷を数値でみたものが以下の図表である。
 地域の様相が大きく変わってしまった例として、湘南鷹取、湘南ハイランドにおける変遷の状況を以下示す。
図表1-15 住宅建設数の推移
年度 区分
総数 一般住宅 公営住宅
戸建住宅 併用住宅 共同住宅 その他 市営 県営
昭和21-25 3,080 1,970 818 746 0 406 1,110 1,074 36
昭和26-30 6,684 5,699 3,520 1,125 0 1,054 985 703 282
昭和31-35 7,118 6,219 4,719 607 0 893 899 720 179
昭和36-40 10,923 10,465 7,925 803 0 1,737 458 260 198
昭和41-45 16,825 16,747 13,373 1,175 738 1,461 78 26 52
昭和46-50 21,768 21,707 17,993 877 882 1,955 61 27 34
昭和51-55 18,104 18,082 14,920 895 521 1,746 22 17 5
昭和56-60 13,051 13,021 10,581 543 475 1,422 30 30 0
昭和61-
平成2
13,093 13,071 9,902 564 1,567 1,038 22 22 0
平成
3-7
13,252 13,223 10,994 396 1,004 829 29 15 14
平成 8-12 13,015 13,006 11,591 219 458 738 9 5 4
資料:横須賀市「横須賀市統計書」による
(注) データは戸数を示している。ただし公営住宅の昭和41年以降のデータは建物の棟数を示している。
図表1-16 中高層建築物建築確認数等の推移
資料:昭和60年以前は、横須賀市「横須賀市史」(昭和63年12月)より作成
昭和60年以降は、横須賀市都市部建築指導課による中高層事前相談の数を示している。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION