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4 社会的・経済的条件
(1) 人口・世帯の状況
 
 人口の動向をみると、市誕生前の昭和30年(1955年)の60,475人をピークに減少を続け、平成12年(2000年)には、男性が18,338人、女性が20,806人の合計39,144人にまで減少しており、依然としてその傾向が続いている状況にある(図表1−2)。なお、地区別の人口の推移をみた場合、尾去沢地区では、他の地区に比べて人口の減少は少ないものの、統計上の有意性はみられない(図表1−3)。
図表1-2 人口の推移
単位:人
資料:総務庁統計局「国勢調査」(昭和50年〜平成7年)、
総務省統計局「国勢調査」(平成12年)
 
図表1-3 地区別人口推移
単位:人
資料:総務庁統計局「国勢調査」(昭和50年〜平成7年)
 
 また、人口増加率の推移を秋田県及び県内市町村と比較してみると、秋田県、鹿角市、小坂町とも人口の減少が進んでいることがわかる。鹿角市では、平成2〜7年が97.1%、平成7年〜12年が95.0%と、人口増加率が2.0ポイント以上も下がっており、小坂町も含めて、県内でもこの地域の人口減少率が高いことを示している(図表1−4)。
図表1−4 県内の人口増加率の推移
資料:総務庁統計局「国勢調査」(平成2年〜平成7年)、
総務省統計局「国勢調査」(平成12年)
 
 世帯数の動向をみると、昭和50(1975)年から昭和55(1980)年にかけて急激な増加をみせた後、一旦減少するものの、その後は増加傾向を示しており、平成12年には12,315世帯にまで増加し、依然としてその傾向が続いている状況にある。一方、1世帯あたりの人口は減少傾向を続けており、平成12年には3.17人まで減少している。これらの結果は、鹿角市においても核家族化が進行していることを示しているものと考えられる(図表1−5)。
図表1−5 世帯数の推移
単位:世帯、人
資料:図表1−4と同様
(2) 高齢化の状況
 
 鹿角市の高齢者数の動向をみると、昭和50年に4,650人(高齢化率9.9%)であった高齢者数は、昭和60(1985)年では6,399人(高齢化率14.4%)、平成7年では9,185人(高齢化率22.3%)と増加傾向を続け、平成12年では男性4,127人、女性6,325人の合計10,452人(高齢化率26.7%)となっている。これに伴い、高齢化率も年々上昇傾向にある(図表1−6)。
図表1−6 高齢者数の推移
単位:人
資料:図表1−4と同様
 
 また、平成12年の国勢調査をもとに、高齢化率を秋田県及び県内市町村と比較すると、鹿角市は26.7%、小坂町が29.0%と、鹿角地域の高齢化率は県の23.5%を上回る高い水準にある。また、大館市、秋田市と比較しても鹿角地域の高齢化率は高く、県内でもこの地域は、高齢化が進行している地域であることを示している(図表1−7)。
図表1−7 県内の高齢化率の比較
単位:%
資料:総務省統計局「国勢調査」(平成12年)
(3) 人口の動向
 
 鹿角市の人口の動向をみると、近年死亡者数が出生者数を上回る状態が続いているとともに、平成7年10月以来、転出者数も転入者数を上回り続けている。平成11年10月から平成12年9月時点では、出生者数が315人、死亡者数が454人となり、また、転入者数が925人、転出者数が1,120人となっている。
 これらの理由としては、若年層を中心に雇用機会の絶対的な不足や高等教育機関への進学者の増加などにより、市外への流出が著しくなっていること、さらに、この若年層の流出は、出生率の低下、高齢社会の到来と相まって、高齢化率を押し上げる原因となっていると考えられる(図表1−8)。
図表1−8 人口動向の推移
単位:人
資料:秋田県企画振興部統計課
 
 次に、平成12年における鹿角市の転入・転出者数を地域別にみたものが図表1−9である。
 鹿角市への転入者数は914人であり、そのうち県内からの転入者数が363人、県外からの転入者数が551人と県外からの転入者が6割を占めている。県内からの転入者の内訳は、秋田市の118人が最も多く、全体の約3割を占めている。次いで、大館市の66人、小坂町の57人、北秋田郡の32人となっている。また、県外からの転入者の内訳は、東京都の92人が最も多く、次いで岩手県の76人、埼玉県の57人、神奈川県の56人と続いている。
 反対に、鹿角市からの転出者数は1,095人で、そのうち県内転出者が414人、県外転出者が681人と、転入者と同様に県外へ転出する人が6割強となっている。県内転出者の内訳では、転入者同様、秋田市の122人が最も多く、次いで、大館市の95人、北秋田郡の39人、小坂町の27人と続いている。また、県外転出者の内訳は、東京都の139人が最も多く、これも転入者と同様の結果となっている。次いで、宮城県の98人、岩手県の96人、埼玉県の64人、青森県の62人、神奈川県の57人と続いている。
図表1-9 地域別転入・転出者数
単位:人
地域別 転入 転出 差引 地域別 転入 転出 差引
総数 914 1,095 △ 181 県外 551 681 △ 130
県内 363 414 △ 51 北海道 41 29 12
秋田市 118 122 △ 4 青森県 52 62 △ 10
能代市 23 24 △ 1 岩手県 76 96 △ 20
横手市 2 16 △ 14 宮城県 51 98 △ 47
大館市 66 95 △ 29 山形県 12 9 3
本荘市 4 11 △ 7 福島県 11 10 1
男鹿市 4 3 1 茨城県 11 12 △ 1
湯沢市 11 7 4 栃木県 2 2 0
大曲市 8 15 △ 7 群馬県 4 8 △ 4
小板町 57 27 30 埼玉県 57 64 △ 7
北秋田郡 32 39 △ 7 千葉県 26 34 △ 8
山本郡 6 13 △ 7 東京都 92 139 △ 47
南秋田郡 12 8 4 神奈川県 56 57 △ 1
河辺郡 1 2 △ 1 新潟県 4 5 △ 1
由利郡 1 3 △ 2 静岡県 5 5 0
仙北郡 12 14 △ 2 愛知県 8 5 3
平鹿郡 5 15 △ 10 大阪府 2 6 △ 4
雄勝郡 1 - 1 その他 41 40 1
資料:鹿角市市民福祉部市民サービス課








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