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3.5 燃料噴射系
 機関性能に大きく影響を及ぼす重要部品であり、特に高強度に設計している 短期間の燃料噴射を実現するため、燃料噴射ポンプは常用150MPa(1530Kgf/cm2)が可能なクローズドタイプのプランジャバレルを採用している。また、シリンダヘッドと燃料噴射ポンプは高圧に耐えられるよう鍛造鋼ブロックで接続しており、分解・組立作業が非常に容易な構造となっている。
図4 燃料噴射装置
3.6 過給システム
 過給機は、無冷却・高効率過給機を採用している。一本の排気管で構成されるDSP(ダイハツシングルパイプ)排気システムと高圧力比のコンプレッサをうまくマッチングさせることで、排気のエネルギーを有効に回収している。その結果、低燃費、低NOxを達成し、燃焼室構成部材の温度を低く押さえることができた。

図5 DSP排気管
8DK−28 NOx TEST DATA
 8DK−28試験機NOx試験結果720rpm*3100ps
図6 NOxテストデータ
 
4. 低NOx性能
 図7に、DKシリーズのNOx排出濃度とIMOの規制値を示す。図のようにDKシリーズは、標準仕様でIMOのNOx規制に対応可能な低NOx機関として開発されている。DK−36型機関は、日本海事協会(NK)のNOx鑑定証書を99年6月に取得しており、DK−36以外のDK機関もすべて取得済みであり、NK以外の船級についても順次NOx鑑定書を取得するよう受検していく予定である。なお、IMOのNOx規制は2000年1月1日以降の起工船に対して適用される。

図7 DKシリーズのNOx排出濃度
 
5. おわりに
 DKシリーズは、’93年12月にDK−20初号機を出荷して以来、市場ニーズに応えることができ年々出荷台数を伸ばし、’99年7月には出荷台数1500台を越えるに至った。DK−36の開発により、次世代を担うDKシリーズの基本ラインナップが完成したが、現状の性能、品質、操作性に満足することなく、よりいっそうユーザの皆様に喜んでいただけるよう、また段階的に厳しくなるNOx排出規制に対応できるようにさらなる改善、改良の努力を続けていきたい。








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