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4) ニイガタ新低速6M34BLT・6M38T型機関
株式会社 新潟鉄工所

 新潟内燃機工場は舶用機関として、低速機関、中速機関共数多くの製造実績が有りますが、当工場の主力商品の一つであります低速機関の中でも最新鋭の技術を駆使し開発した、新6M34BLT、新6M38T型低速機関を紹介致します。
 
1 はじめに
 ニイガタ6M−Tシリーズ機関は、4サイクル低速2弁式舶用主機関として、その経済性と信頼性の高さから、1978年から21年間にわたってお客様の多大なるご支持を戴き、合計約2200台の販売台数となりました。
 そのシリーズの大型機関に位置する6M34BLT、6M38T型機関は、共に発売以来ご好評を博し、多数のご愛用を戴いておりますが、今般次世代のニーズを先取りした低公害・高出力・高性能機関として、当社低速機関の技術の粋を集めてマイナチェンジを施し、新シリーズとして生まれ変わりました。
 
2 主要目

機関型式 新6M34BLT 新6M38T
シリンダ数 6 6
シリンダ径×行程 mm×mm 340×680 340×720
連続最大出力 kw 1838 2059
定格回転数 rpm 280 240
正味平均有効圧力 Mpa 2.12 2.10
平均ピストン速度 m/s 6.35 5.76
爆発圧力 Mpa 14.22 14.70
燃料消費率
(クランク軸端)
g/kw・h 187+3% 179+3%
機関寸法
(フライホイル端まで)
全長 mm 4177 5113
全幅 mm 2025 2012
全高 mm 3760 4020
機関単体質量 t 31.0 47.0
 
3 特徴
[1] 保守が容易
 「部品が少なく作りやすい」イコール「手がかからなくて保守が容易」という至上命題を念頭に、新シリーズでは、低速機関初の空気冷却器のシリンダブロック側面への独立装着、給気管、冷却水通路のシリンダブロック内蔵、および各配管の簡素化等の独自の手法により、約20%の構成部品の低減を達成して、分解・組立作業の容易化を図っています。
[2] 高信頼性・高耐久性機関
 構造が簡潔で機能的であるほど、部品点数が少ないほど信頼性は増します。
 また、燃焼室廻りの主要部は何と言っても実績第一です。
 数多くの実績を有する部品を継承し、更にFEM(有限要素法)解析及び徹底した基礎実験による成果を盛り込み、信頼性・耐久性の向上を図っています。
[3] 低公害機関
 大型であるほど、低速であるほど厳しいとされる、IMO(国際海事機関)のNOx規制値をクリアしました。
 燃焼系の最適化により、低燃費レベルを維持したまま、低NOx、低SOx及び低ばいじんを実現しました。
[4] 振動・騒音の低減
 シリンダブロック・台板は、従来のねずみ鋳鉄製からノジュラ鋳鉄製とし、より高い強度と剛性を与え、更に給気トランク一体形の二重壁構造の採用により、低振動・低騒音を実現しました。
 
4 おわりに
 低速機関は、低ランニングコスト・低騒音・高信頼性および保守点検の容易さには優れたものがあり、根強い人気を有しており、今後も各種船舶にご採用戴けるものと確信しております。









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