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海上技術安全研究所
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
4. 構造強度部          
 (1) 経年船体の強度評価に関する基礎的研究 4 1 構造強度部 2,200 [1] 波浪荷重の同時性を考慮した長期分布の計算法について調査と手法の開発を行う。
[2] 海水環境の長期間腐食疲労および原油タンク環境の腐食について実験的研究を行う。
[3] 船級検査などで求められる経年構造診断の枠組を踏まえ、荷重評価応答解析・安全評価の連鎖におけるキー要素を抽出する。
 (2) 各種フェーズにおける船体構造の強度評価技術向上に関する研究 1 1 構造強度部 2,000 [1] 高速船の荷重、構造応対に関してこれまで得られてきた成果をとりまとめる。
[2] 粒状貨物により倉内に発生する静的・動的荷重、および、波浪変動圧等に起因する押し込み圧について、貨物の物性、貨物倉の構造、および、船体運動等の諸条件を考慮した倉内荷重設定法を提案する。
[3] FRP材料の板厚や材料定数等の確率分布データを調査・集録する。また、確率有限要素法プログラムを積層複合材料に対して使用できるようにチューニングを行う。
[4] 船首および船側構造の耐衝突強度評価法の調査を行う。
5. 機関動力部          
 (1) 舶用機関の信頼性と保守整備技術に関する調査研究 3 3 機関動力部
システム技術部
850 [1] 収集した機関不具合情報等の機関信頼性に関する諸情報についてその解析・評価手法の検討を進める。
[2] 機関保守整備状況、不具合等の情報のデータベースを構築し、その利用システムを検討する。
[3] 保守整備技術の実態を調査し、計画的保守整備実施上の課題を検討する。
[4] 機関障害発生燃料油、通常燃料油について単一液滴燃焼実験を行い、相違点を把握する。燃焼時間の測定法の簡易化を目指す。
 (2) ガスハイドレートの輸送・貯留方式に関する研究 3 3 機関動力部
材料加工部
装備部
氷海技術部
大阪支所
1,900 [1] メタンハイドレートの熱物性の計測法について調べ、ハイドレート試料を低温度で保持し、定常熱伝導状態を生成できる測定装置および、ハイドレートが解離したときの、解離速度、メタンガスの放出量等を計測できる装置を設計する。
[2] バラ積み船倉への人熱、船倉内の伝熱状況の解析法を検討する。
[3] 各種安全基準等に基づき、NGH運送において想定すべき危険性について調査する。
[4] 輸送中解離ガスの回収システム、分離・精製、再ハイドレート化などについて調査を行う。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
 (3) 魚ロボット及びその動力源に関する基礎的研究 3 2 機関動力部 600 [1] 魚ロボットの運動性能の解析を行い、その制御方法に関する研究に着手する。
[2] 小型スターリング機関に適した駆動機構の開発を行い、小型スターリング機関の高性能化を図る。
[3] 新しい外燃機関の性能解析を行う。
 (4) 次世代舶用ガスタービンの低環境負荷燃焼器に関する基礎的研究 4 1 機関動力部 1,500 [1] 希薄予混合燃焼器の燃焼特性の実験を行う。
[2] 予混合気のシミュレーション計算を行う。
[3] 予混合気の濃度分布測定に関する調査研究を行う。
[4] 燃料噴霧、予蒸発予混合器に関する文献調査を行う。
 (5) 舶用機関からのNOx、PMの同時低減の研究 4 1 機関動力部
材料加工部
1,950 A重油による電子制御化機関の運転を実施し、最適燃焼範囲の確定を行うと共に、C重油燃焼の可能性について検討を行う。電子制御化機関からのPMを各種PM計にて計測すると共に実船においても実施し、問題点を明確にする。
小型機関を各種燃料で運転を行い排出されるPMに注目して排出特性を把握するとともに、分析を行い組成を明らかにする。
実船から排出されるNoxについて計測を実施する。
6. 材料加工部          
 (1) 材料劣化の非破壊計測法の研究 3 2 材料加工部 1,050 疲労過程の材質劣化と鋼板の複屈折の関係を調べる。超音波減衰定数測定法の検討とともに超音波周波数と減衰定数の関係を調べる。
反発測定におけるハンマチップ剛性の影響をFEMにより検討し、測定精度の向上をはかる。
 (2) 次世代造船技術に関する基礎研究 3 2 材料加工部 1,400 [1] アセチレンおよびプロパンガス炎による線状加熱を行い、火口、鋼材板厚、加熱トーチ移動速度等のぎょう鉄作業条件と変形量の関係についてデータベースを構築する。さらに、ぎょう鉄作業のマニュアルを作成する。
[2] すみ肉溶接継手について溶接実験を行い、多電極溶接の電極間隔、溶接速度と溶融・凝固現象の関係を把握する。また、曲がりブロックの溶接変形解析ツールを完成し、工数予測法の基礎検討を行う。
[3] 塗装作業の数量的管理項目を抽出し、塗装及び溶接部の検査手法について検討する。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
 (3) 材料の微細構造解析技術とその応用に関する研究 3 1 材料加工部
機関動力部
1,400 [1] アルミニウム合金について腐食試験、材料試験を行い、微細構造、化合物などの解析を進める。
[2] TBT系防汚塗料、セラミックス磨耗面などの電子顕微鏡等による分析を進める。
[3] セラミックス系複合材料の磨耗試験を実施し、微細構造との関係について解析を進める。
[4] 化学的および機械的手法等でセル電解質の粗面化を行いレーザ顕微鏡等で表面形状の評価を行う。 [5] 回転曲げ疲労試験を実施し、損傷破面の3次元的微視的構造の特徴を解析する。
[6] モデル試験片について超音波を用いた計測実験を行い、スペクトル解析による波形処理手法の有効性を検証する。
           
 (4) 構造材料におけるミクロ破壊に関する研究 3 1 材料加工部 1,150 [1] 荷重負荷装置を組み込んだSEMを用いてミクロき裂の発生・進展挙動をその場で観察・計測し、き裂の発生・進展に及ぼす結晶組織、結晶粒界等の影響について調べる。
[2] き裂先端に微細粒を輸送する媒質の種類や微細粒径の影響、軟鋼・高張力鋼などへの適用性について調べる。
7. 装備部          
 (1) 舶用環境機器のメンテナンスに関する研究 3 3 装備部
氷海技術部
1,400 油水分離器の問題点と対策、タンク内の揮発性物質の除去方法、流出油の粉末油ゲル化材による処理方法について纏める。油回収システムについて調査すると共に、高粘性油について付着しにくい表面素材の低温での油脱落性能の評価及び吸引回収について実験する。落下水槽やバラストタンクの浄化方法について調査検討する。
 (2) 船舶起源の有害化学物質の環境汚染に関する研究 3 1 装備部
材料加工部
機関動力部
1,400 [1] 実船における乗組員のガス曝露について調査する。
[2] 静的溶出試験装置を整備し、塗料の単離膜を試験片とし、蒸留水および人工海水を試験液として温度等を変えた静的溶出試験を行う。また、動的溶出試験装置の作成準備をする。
[3] 現状の有害化学物質の計測法や化学反応で生じる物質の実態調査を行う。
 (3) 船舶における快適性向上に関する研究 3 1 装備部   [1] 寝台を水平に保つ機構についてフィージビティスタディを行い、有力な方法を絞り込む
[2] 浮き床構造の数値解析を行い、低周波域の振動特性を明確にする。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
8. システム技術部          
 (1) 船舶運航の安全性確保に関する基礎的研究 3 3 システム技術部 3,500 [1] シミュレーション技術の高度化の研究
操船シミュレータを用いて、航路標識の灯火の視認性の評価及び潮流を考慮した船舶航行の安全性の評価を行う。
[2] 操縦性能の許容性の主観的評価法に関する研究
大型船の操縦性に関する人間の制御性及び許容性をシミュレータを用いて評価する手法に関する研究を実施する。
[3] 舶用機器の保全性向上の研究
ネットワークを利用した新たなデータベース技術の検討を行うと共に、フィールドデータに基づく舶用機器及びシステムの信頼性解析、特に主機プラントに注目したGO-FLOW手法による解析を行う。
 (2) 最短時間を指した着離桟操船の研究 3 2 システム技術部 500 昨年度に構築した着離桟モデルにより、最短時間着桟操船法を数値計算により導出し、最短時間操船法の特性を解析する。また、実船にて自動着桟操船の実験を繰り返し、最短時間操船法の問題点を抽出・解析し、実船へ適用可能な精度を持った自動制御システムの開発を行う。
 (3) wwwを利用した海事関係ドキュメントデータ処理に関する研究 2 1 システム技術部 500 海事分野において、データベースやデータ交換にXMLを適用した場合のメリットを調査する。XMLを使用したシステムの基盤となるネットワークのセキュリティ技術について調査を行う。
9. 原子力技術部          
 (1) 脈動流の熱流動特性に関する基礎研究 3 2 原子力技術部 650 [1] 脈動流の熱流動特性に関する実験的研究
PTV(Particle Tracking Velocimetry)を用いて脈動流の可視化・伝熱実験を行い、種々のパラメータが渦の生成や伝熱特性に与える影響を明らかにする。
[2] 脈動流の数値解析
可視化実験と同一体系の脈動流において、脈動周期、脈動振幅等をパラメータとした数値解析を実施して、脈動流の熱流動特性を解析的に明らかにする。
 (2) 改良舶用炉の概念設計研究その2 (深海調査船) 2 2 原子力技術部 500 [1] 原子炉プラント主要機器の配置を構築する。
[2] 受動安全システムの概念を構築する。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
 (3) 高速中性子に対する最適遮蔽の構築に関する基礎研究 2 1 原子力技術部 650 [1] モンテカルロコードMCNPXを用いた高速中性子のエネルギースペクトル並びにストリーミング解析
[2] シンチレータを用いた高速中性子計測の現状と検出効率に関する調査
10. 海洋開発工学部          
 (1) 海洋開発に関する調査研究 3 1 海洋開発工学部 4,800 (1) カラム支持型弾性浮体構造物の挙動に関する基礎的研究
 [1] 粘性流体力(抗力)を考慮した弾性応答推定手法の開発
 [2] CFD手法の調査および簡単なプログラム (2次元) の作成と各種パラメータのテスト
(2) 浮体式多目的ガス生産・貯蔵・洋上荷役システム(FMGPSO)の実用化技術に関する研究
 [1] ガスの生産形態による浮体形状・規模の調査
 ガス生産形態、ガス生産量、環境条件、制約条件、コスト等の面から技術調査し、NGH、GTL、LNGの各種ガス生産形態に適したFPSOの浮体形状・規模を選定する。
 [2] 係留システムの技術調査
ガス生産FPSOに対し内部タレット及び外部タレット係留方式の優劣に関する技術調査を行い、最適な係留システム方式の選定を行う。
(3) 画像を用いた三次元計測法の開発と各種実験への応用に関する研究
 [1] 既存の装置を用いて計測手法と解析アルゴリズムの開発を行う。計測システムの実際問題への応用としてリチウム採取浮体システムの流動床計測と小型ゴムフェンダー模型の振動試験の際にゴムフェンダーの三次元動的変形計測を行う。
(4) 円形水槽における造波法に関する研究
 [1] 全周多分割型吸収式造波理論の構築及び一方向及び多方向不規則波のシミュレーション計算造波精度検定法の策定
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
11. 氷海技術部          
 (1) 流氷域流出油の機械的回収に関する実験的研究 2 2 氷海技術部 767 [1] 異なる性質の噴流を発生させる装置およびその制御装置を試作する。
[2] 数種の噴流による流場の測定実験を行いそれらの差異を比較する。
[3] 噴流を利用した流氷域向け油回収装置の実用機のコンセプトを提案する。
 (2) 極域観測船舶に関する研究 1 1 氷海技術部 1,933 [1] 変形氷の中の性能については、氷海水槽に氷丘脈、乱水帯等の変形氷を再現し、これの中を模型船がラミングする場合の船首部に加わる氷荷重分布から変形氷突破性能と船型の関係について考察する。また、この際の氷質状況を調べる。
[2] また、平坦氷内での運動性能については、氷海水槽での模型実験において、船体両側面での氷荷重の非対称性を計測する。この結果を氷中での運動性能に関する数値計算に採り入れて船舶の氷中運動性能に関するシミュレータを構築する。
[3] 一方、平成12年度に南極において行った電磁波とレーザープロファイラーとを組み合わせた計測の結果を詳細解析することにより、「しらせ」航路上の氷厚分布を求める。
12. 大阪支所          
 (1) 船舶内配管系の安全性評価に関する研究 3 2 大阪支所 1,520 [1] 船舶の燃料ラインは130℃で使用されていることから、高温として130℃を採用し、蒸気使用中の船用弁強度実験を行うとともに引き続き熱応力解析を行う。
[2] 船舶内配管系機器のISO規格に適合したJISF規格化の必要性を調査し、規格化の要望のある船用品について強度実験・解析を行う。一方、バルブメーカーから要望のある配管内の流れ解析を行う。
[3] 業界から要望のある船用逆止弁に生じるチャタリングの発生メカニズムを明らかにし、その防止方法を検討する。
 (2) 船用品の信頼性と効率性向上に関する研究 3 1 大阪支所 1,000 [1] 船舶に搭載されている消火設備の実態を船の規模や用途毎に調べ、合理的かつ効率的なエネルギー変換方法を調査する。流場シミュレーションに必要な各種解析条件を明らかにする。
[2] レーダ領域周波数の電界測定条件を明らかにする。
[3] メンテナンス使用機器、施工方法等の実態調査と電流シミュレーションに必要な各種解析条件を明らかにする。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
 (3) 地域内河川における新舟運システムに関する基礎的研究 3 1 大阪支所 500 [1] 低橋梁下を通航するのに必要な施設について、要素技術を調査する。
[2] 各方面で模索されている計画の実態調査を行い、本研究との整合性を探るとともに、沿岸と連続した可航河川を調査し、新交通システムとして成立するための要件をまとめる。その中で、各協議会及び新規船型や設備に関して実績を持つ「船舶エンジニアリングセンター(広島を拠点に活動)」等と将来の共同研究を目指して協調体制を構築する。
 (4) 小型船体の安全性向上と製造の省力・省エミッション化に関する研究 3 1 大阪支所 1,880 [1] 編物構成、樹脂、成型条件等を変えて機械的強度を調べるとともに、加圧吸水時の吸水特性並びに強度特性を把握し、比強度の大きい編物複合材料の開発を図る。
[2] 設計データから切断ラインをトレースするため、設計データの属性など必要な情報の抽出、簡単なロボット操作のシミュレーションを行う。
[3] 接着強度解析へのFEM等数値計算の適用を図るとともに、超音波探傷法による接着強度評価手法の開発を進める。
[4] 救命艇の建造プロセスでの消費資源、環境への排出物等のフローを共同研究先から提供される資料、現場調査等により把握し、建造ステージのインベントリ分析を完成させる。
 (5) 舶用機器の振動軽減に関する研究 3 1 大阪支所 565 [1] 主にタグボートを対象に、各航海モードでの船内主要箇所の振動及び騒音計測を行う。
[2] 補機運転時の30Hz以下の騒音について、実態調査を行う。
13. 東海支所          
 (1) 放射線遮蔽技術及びデータの標準化に関する研究 5 1 東海支所 900 円筒及び円環ダクト、スリット等に関するストリーミングデータベース及びストリーミング計算コードを標準化の観点から評価する。すなわち、データベースでとられたパラメータの一般性、範囲、データの完備性、基準として必要な精度等を検証し、データ整備作業を行う。
また、計算コードでとられた計算手法の妥当性及び計算精度を検証する。
経常研究計       55,965  
合計       169,042  








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