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1. 海上技術安全研究所
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
◎特定研究
[特別研究]
        抵抗・自航性能・線図、オフセット、喫水・トリム、外乱 (風と波) 状態が与えられれば、その船の操縦性能を評価出来るシステムを開発する。このシステムを構成する要素技術である操縦流体力推定法、数学モデル作成法、外乱力推定法について、高度の専門知識がなくても使用できるようプログラムのマニュアルを整備する。外乱力推定法の中の風圧力推定法については、さらに汎用性を高めるための改良を進める。IMO操縦性能暫定基準の見直し作業のため、操縦性能データベースを用いて基準の妥当性検討用の技術資料を作成する。
[1] 風圧力推定法のマニュアルを作成するとともに、汎用性を高めるようさらに改良を進める。
[2] 波漂流力推定法のマニュアルを作成する。
[3] 操縦性能統合評価システムを開発する。操縦流体力推定法、数学モデル作成法のマニュアルを作成する。  
1. 船舶の操縦性能評価技術に関する研究 5 5 運動性能部 8,136
 (1) 外乱下の操縦性能の研究 5 5 推進性能部
2. 荒天下における航行不能船舶の漂流防止等に関する研究 5 4 海洋開発工学部 17,789  
 (1) 漂流運動の研究 5 4 海洋開発工学部
運動性能部
装備部
システム技術部
[1] 波漂流力等と漂流抵抗を基に定常漂流運動の推定法を開発する。
[2] 昨年度に引き続き分割型油タンカー模型の流体力に関する追加実験を行い、定常漂流状態の推定に必要な漂流抵抗の推定法を開発する。
[3] 定常漂流状態の推定に必要な任意形状3次元浮体に働く波漂流力の推定法を開発する。
[4] 船型データベースを利用した漂流体の空気中及び水中部計測システムのプロトタイプを開発し、模型船を対象とした観測実験とシステムの機能評価を実施する。
 (2) 最適曳航法の研究 5 4 海洋開発工学部   運動性能部         推進性能部 [1] これまで実施した損傷及び折損船舶模型の曳航実験により被曳航船の運動と索張力の関係を調べ、総合模型実験及び実船実験で曳航索張力の推定手法を検証する。
[2] 曳航索の設置方法を含めた安定な曳航法について技術資料を作成する。また、総合模型実験、実船実験とシミュレーション計算との比較から、波浪中において損傷船舶を曳航する場合の針路安定性についても検討を行う。
[3] 12年度までに取得した推進性能データ及び実船実験との比較・解析及びまとめを行う。
[4] これまでに実施したワイヤロープの海水浸漬試験結果の解析及びまとめを行う。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
          [5] 最適曳航支援システムにおいて、転覆した船舶にも適用可能な船体最終姿勢を求める計算プログラムを開発する。また、前年度に引き続き曳航支援に必要な要素技術を整備し、曳航支援に必要な要素技術を整備してシステムとリンクさせる。
3. SBDの概念による高速船の船型設計法の研究 5 2 推進性能部 14,918  
(1) 実海域における航海性能を推定するシミュレーション技術の研究 5 2 推進性能部    運動性能部    氷海技術部 [1] 規則波中の船体周り流場シミュレーション技術を開発する。
[2] 新形式プロペラ性能評価法を開発する。
[3] 船尾変動圧力を設計レベルで簡易に推定する方法を開発するため、高速大型フェリーの船尾変動圧力レベルを調査し、既存の推定法との相関について調査する。
[4] 大振幅時の船体運動計算法の改良等を行う。
[5] 最適化手法に必要な船体表現法を調査する。また、CFDコードと耐航性コードの一体化を図る。
 (2) 実海域における航海限界の推定に関する研究 2 2 運動性能部         推進性能部 [1] 日本近海の波浪データベースの分析を継続する。想定航路の海象条件設定法を開発する。
[2] 高速航行時の運動特性を把握するため、模型船による自由航走実験を行う。運航限界を想定する因子を評価する。
[3] 脈動流中におけるプロペラの性能計測法を開発するとともに計測を行い、波浪中のプロペラ性能の概略を把握する。
4. 大水深ライザーシステム(SRIS)の安全性に関する研究 5 1 構造強度部      海洋開発工学部 21,934  
 (1) 大水深ライザーの挙動に関する研究 5 1 構造強度部      海洋開発工学部 [1] 深海水槽でライザーの挙動を計測するために水中で同時に3次元的に挙動を計測できる装置を試設計して、深海水槽用の計測システムのベースを構築する。また、深海水槽実験のための模型の設計及び製作を行う。
[2] 基本的挙動の数値解析を行うための簡易挙動解析法に関する文献調査及びプログラムの開発を行う。
 (2) 大水深ライザーの構造強度に関する研究 5 1 構造強度部      海洋開発工学部 [1] 従来型ライザーの破壊モードに関する文献調査を行う。
[2] 新素材ライザーの常圧下の実験を行う。
特定研究(特別研究)計       62,777  
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
◎指定研究          
1. 船舶用新材料の利用技術に関する研究 3 3 材料加工部  構造強度部   機関動力部 7,000 [1] チタン溶接継手の疲労試験を継続するとともに、船体板骨構造の座屈等強度試験を実施する。
[2] バーナーリグによる高温腐食試験を実施すると共に、1200度程度の高温腐食磨耗試験を実施する。
[3] フェノールFRPのリサイクル性について検討すると共に、環境への影響度について調査する。
2. 物流合理化による地球温暖化対策に関する研究 3 3 システム技術部 装備部  4,800 [1] モーダルシフトの推進に関する研究輸送経路の円滑化を追及する。
[2] 海上輸送合理化に関する研究
 中間貯蔵所の統廃合、合併・業務提携・共同配船などの物流合理化と地球温暖化防止効果を求める。船型大型化の方法と効果を調べる。
[3] 物流解析の応用研究
 途上国におけるモーダルシフトの事例問題へ物流解析技術を応用する。
 定期船航路へ物流解析技術を応用する。
3. 超大型浮体式海洋構造物の総合的信頼性評価及び環境影響評価に関する研究 3 3 海洋開発工学部 7,900  
 (1) 設計・建造時の安全性評価法に関する研究 3 3 [1] 安全評価プログラム群の整備
 メガ組合及び当所で開発されたプログラム群を稼動、整備し、H12年度に国土交通省 (旧運輸省) にてまとめられた超大型浮体構造物安全指針案をベースに安全評価プログラムを完成させる。
 (2) 点検・補修技術の安全性評価に関する研究 3 3 [1] 実海域模型での犠牲試験片による亀裂モニターと歪等の計測結果及び実海域模型の構造応答解析結果から、浮体の寿命予測法の開発を行う。
[2] フェンダーの繰り返し圧縮特性試験及びドルフィンとフェンダーの間の接触部材料の摩擦・摩耗特性実験を行い、フェンダー及び接触部材料の繰り返し強度について明確にする。
[3] 塗膜が欠損した状態に対してA1流電陽極による電気防食法を用いた場合の電位と電流密度との関係を、試験結果からまとめると共に理論との比較を行う。また、超長期耐用の海洋構造物に用いられる補修技術からTiクラッド鋼とA1流電陽極による電気防食法との併用による問題点を取り上げ、室内実験と長期間に渡る実海域試験により調査する。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
 (3) 環境影響評価に関する研究 3 3     [1] 浮体設置に伴う環境影響に関する研究
 MECモデルでFull-3D領域を複数化して超大型浮体システムに組み込む。
[2] 環境影響評価手法に関する研究
 総合的環境影響評価フローの中で、流況、波浪場、水中騒音の位置づけを明確にし、浮体周囲の波浪場の変化及び浮体を含む広域流場の変化についての具体的評価システムを構築する。
4. オホーツク海流氷域の航行安全に関する研究 3 3 氷海技術部 4,100 [1] 全方位型推進器を搭載した次世代砕氷巡視船模型の氷中及び開水中試験を行い、その抵抗推進性能及び操縦性能を明らかにする。
[2] 前年度までに実施した、通常型推進器を搭載した模型試験結果と比較・検討を行い、全方位型推進器の次世代砕氷巡視船への適用を評価する。
[3] 3年間の研究成果をとりまとめ総合報告を作成する。
5. 小型船舶用新材料の特性に関する研究 3 3 大阪支所         構造強度部    氷海技術部 4,900 [1] 舶用材として使用されるアクリル樹脂について高圧吸水実験を行い、光学特性、衝撃・疲労等の動的特性への影響を調べるとともに、基本物性との相関性を明らかにする。
[2] 舶用材として現に使用され、あるいは今後使用が予想されるポリオレフィンについて、疲労、紫外線劣化等の長期耐久性並びに耐寒性等の材料特性を調べ、検査、設計上の留意事項について明らかにする。
6. 高エネルギー熱源による材料表面の改質加工技術の研究 2 2 材料加工部 4,500 [1] 耐環境特性に優れた特殊材料皮膜 (金属間化合物、サーメット) 開発のための創製実験を行うとともに皮膜の微細構造と腐食形態の解明を行う。
[2] 高熱伝達特性を有する材料の新機能発現実験を行う。
7. 海洋汚染監視システムの高度化に関する研究 3 2 装備部 7,200 [1] 製作したシステムの性能を野外実験等で確認する。また、汚染物質を識別するための蛍光特性を計測し、それらを参照できる汚染物質識別用データベースを開発する。
[2] レーザ光の大気及び水中における消散係数、偏光解消度などに関する実験的資料を取得する。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
8. 外洋型高速船の波浪中性能及び安全性評価に関する研究 2 2 特別研究官  構造強度部  推進性能部  運動性能部 1,800 平成12年度の模型試験、実船試験結果の取り纏めを行う。
[1] 模型試験及び実船試験により高速船の波浪中推進性能の評価を行う。
[2] 実船計測による操縦性能の評価法について検討する。
[3] 水槽試験結果を基に波浪荷重及び船体応答の評価を行う。
[4] FEMによる船体構造解析結果と実船計測による応力計測結果の比較による強度評価を行う。
[5] 繰り返し波浪荷重及び振動による疲労損傷対策について提言する。
[6] モニタリング装置による船体応答の自動計測を行い、実運航時データを収集する。
9. ハッチカバー等に働く極限波浪荷重の研究 3 1 運動性能部 4,300 [1] 角水槽において自航模型を用いた実験を行い、大波浪中での波浪荷重を総合的に把握する。
[2] ディフラクション力を精度良く計算することが可能なUnified theoryをベースとする船首部相対水位変動の高精度推定法を研究する。
[3] 船体弾性影響を考慮した波浪荷重に対する船体運動・弾性応答計算法を研究する。
10. 旅客船のバリアフリー化に関する研究 4 1 システム技術部 装備部     機関動力部 3,800 [1] 船舶の動揺時における車いす走行限界等の挙動を明らかにする。
[2] 船舶の動揺時における車いすの固定方法の基礎データを収集する。
[3] 車いす利用者、肢体不自由者の船内における移動上の制約の除去法を提案し、有用性を確かめる。
[4] 障害者の避難安全要件を抽出する。
[5] サンプルシップについて避難シミュレーションを実施する。
指定研究計       50,300  
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
◎一般研究          
1. 特別研究官
 (1) 海洋における環境問題の動向に関する研究 3 1 特別研究官
推進性能部
機関動力部
材料加工部
装備部
海洋開発工学部
2,000 船舶及び海洋分野における環境問題の現状と将来動向を調査する。具体的な環境問題として、機関からの排出ガス、塗料、ビルジ等の排出物の環境影響、油流出等の事故に起因する環境問題の発生、二酸化炭素排出等の地球規模の環境問題、船舶の廃棄・リサイクル等を含むライフサイクル評価、環境実態の計測化、化学物質の分析等の計測評価技術、汚染物質の海洋での拡散の評価等のシミュレーション技術等を対象とする。
 (2) 船舶の安全基準に係る技術に関する調査研究 5 1 特別研究官
運動性能部
構造強度部
装備部
システム技術部        
3,000 [1] 固体ばら積み貨物の液状化危険性に関する通信グループコーディネータとして、IMO-DSCC小委員会に報告を行うとともに、試験法について審議する。また、BC Code見直し通信グループのコンタクトパーソンとして、必要な検討を実施するとともに、DSC小委員会において我が国の意見を反映させる。併せて、非風雨密ハッチカバーコンテナ船における危険物コンテナの積付・隔離要件について検討する。
 また、機能要件に基づく船舶・設備の承認基準を初めとする各種の議題に関する各国の提案を検討し、我が国の対処方針の策定に資する。
[2] 巨大旅客船の安全基準に関して、安全基準課と密接な関係を保ち情報収集を行い、特別研究の計画等へ反映させる。
[3] プッシャーバージの操縦性、連結部強度、運航、設備に関する調査を行い、技術的に安全性の検討を行い、安全基準策定の資料を得る。
2. 推進性能部          
 (1) 海洋表面での流れによる極限砕波・気泡の生成 3 3 推進性能部 1,000 実海域波浪データの蒐集と解析を行う。北太平洋海域での海洋観測データの取得と解析を行う。既往のデータを再点検してフリーク(ROGUE)波の成因について、理論的及び統計的な観点から一応の解決を与えることが出来ると考えられる。引き続き、フランス(IRPHE)との共同実験とその結果のとりまとめを行う。新たに、IFREMERよりの協力要請に応じ、Global Wave Modelの構築についてFSを行う予定である。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
 (2) プロペラ性能評価法の精度管理の研究 4 3 推進性能部
氷海技術部
1,020 [1] 船尾変動圧力計測の不確かさ解析を行うとともに計測システム及びマニュアル等の整備を継続する。
[2] 非定常プロペラ性能計算プログラムを完成させる。
[3] 斜流中を作動するプロペラ性能計測法を改良するとともに、流場計測結果をとりまとめる。
[4] 大型キャビテーション水槽で開発された気泡核制御法の有効性を確かめる。
[5] 各種推進器の現行の性能評価法について整理し、統一的性能評価法としてまとめるに当たっての問題点を洗い出す。
 (3) 検証実験のための水槽試験法の高度化の研究 5 1 推進性能部
氷海技術部
5,480 [1] ITTCの動きに対応して既存の水槽試験法を見直し、標準試験法マニュアルのアップデートに着手する。
[2] 伴流計測について不確かさ解析を行い、計測法の問題点を洗い出す。
[3] 効率的多点計測法の開発を試みるとともに、試験データの保存・表現・活用の方法とそのシステム化を検討する。
[4] 水槽試験法の高度化に有効なマイクロセンサについて調査する。
[5] 標準模型船を用いて抵抗試験・自航試験を行い、水槽モニタリングを継続し、水槽改修直前のデータを入手するとともに、従来のデータと比較検討し、活用方策を検討する。
[6] 継続して、青雲丸の実船データを収集をするとともに、得られたデータから推進性能の経年変化を調査する。
[7] 高速船の船体姿勢変更などに関する今までの実験データをまとめ、実験システムの開発の準備をする。
3. 運動性能部          
 (1) 損傷浸水した船舶の復元性能に関する研究 3 1 運動性能部 1,600 [1] 損傷時復原性基準の調査を行う。
[2] 波浪中での車両甲板への浸水モデルを検討する。
[3] 損傷・浸水した船舶の運動特性に関する調査を行う。
 (2) 小型船・小型漁船の転覆海難防止対策に関する調査研究 3 1 運動性能部 1,700 [1] 小型船舶の実態、海難事例、現行基準の要件等を調査してまとめる。
[2] 水槽実験の準備作業を行う。








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