参考資料1・ユニバーサルトイレの定義
1. いつでも、どこでも、だれでも、安心して自由に使える
(1) いつでも
24時間、オープンにしておくことがベストだが、きちっとした管理体制ができないと、トラブル発生の原因となる。
現実的には人間が通常、行動する時間に限定される。その場合、場所によってトイレのオープンの時間は異なってくる。管理体制、周辺環境によって、オープン時間、設備内容は限定される。
例えば、
都市公園:7時〜18時
駅前:6時〜22時
自然環境:6時〜17時
(2) どこでも
どんな場所でも使える状況をつくることがベスト。1人ひとりの日常的な行動圏は当然のことだが、高齢者・障害者にとってそれすら十分、充足されないケースもある。
例えば、職場、学校など日常的に通う場所やそこに至るまで交通機関が不十分なことにより我慢を強いられるケースがある。それらを取り除くことが、“どこでも”を満たすことになる。
その他、日常的な行動圏としては、商店街、散歩道、遊びやスポーツをやる近隣公園などがある。
また、非日常的な状況でのトイレ整備が必要となってくる。非日常時としては、以下の例があげられる。
1] 移動時…旅行、出張
2] 疾病時…入院、通院
3] 災害、事故時
4] イベント…祭、大会
(3) だれでも
公共の場や自然環境でのあらゆる人たちにとって、快適なトイレを安心して使えることが求められる。高齢者・障害者だけでなく、親子連れ、乳幼児、妊産婦、外国人、大きな荷物をもった人なども含まれる。
(4) 安心して、自由に
安心できないトイレとしては、1]事件や事故に巻き込まれやすい設計・デザイン、2]周辺環境が悪い(人目がない、暗いなど)、3]男女が共同(ただし、これがすべて問題とはいえない)、4]緊急時の対応が行き届いていない(ベルや照明など)、一方、“自由”については、施錠してあって、自由に使えないトイレが典型的である。しかし、この他には男女の使用実態と男女の便器数とが合わなくて、利用者に列ができることなども含まれる。
有料制・チップ制も“自由”を欠く条件となるが、トイレの質を向上させ、管理を改善することにつながることとして、一定の措置は認められることになる。
2. ユニバーサルデザインの7原則
(1) 公平な利用
(2) 利用における柔軟性
(3) 単純で直感的な利用
(4) わかりやすい情報
(5) 間違いに対する寛大さ
(6) 身体的負担は少ない
(7) 接近や利用に際する大きさと広さ
これらの7原則をベースとしてユニバーサルトイレの定義におきかえてみる。
3. トイレのニーズからの整理
使用(利用)実態からユニバーサルトイレの定義づけをアプローチしてみる。