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●公共トイレにおけるユニバーサルデザイン普及の方向

 

アンケートでは、ユニバーサルデザイン導入の基準となる「福祉のまちづくり条例」を、まだ制定していない自治体が半分近くあります。ユニバーサルデザインに対する理解が、その程度だということを、その数字が示していると思われます。

では、バリアフリー化やユニバーサルデザインの導入で参考にするのは何か、との問いについては、最多が“既存のいい事例”(75件)、次いで“他の自治体の事例”(67件)と、他の事例を参考としているのが多く、それに続いて、“自身の「福祉のまちづくり条例」”(66件)、“高齢者や身体障害者の意見”(49件)となっています(図5)。

今後、ユニバーサルトイレを普及させていくにあたっては、学会の基準やコンサルタントに頼るだけではなく、いい事例や失敗事例の経験を参考にしながら進めていくことが、主流になっていくものと思われます。その際、高齢者や身体障害者の意見を聞く仕組みを、どのように作っていくかも大きな課題といえるでしょう。

 

図5 トイレのバリアフリー化やユニバーサルデザインの整備で参考にするものについて

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