私たち日本財団では、少年少女が海、船、水に親しみ、知識と理解を深めることが大変大切なことであると考えております。従来より移動海洋教室、マリンサイエンススクール、船長さんの母校訪問、洋上体験航海、海、船関係の博物館活動、ボートやカヌー、水泳等に親しむ海洋センター活動等、さまざまな海に関する学習支援活動を助成してきております。最近では、ともすれば私たちの日常から海がますます遠くなり、それにつれて人々が、ほんとうは私たちの生存に非常に重要な海、水にあまり関心を払わなくなっていることに大変な危機感を感じておりまして、このため、一層この分野に力を入れている次第です。
そんな折りに、新しい学習指導要領が定められまして、2002年から、総合的な学習の時間が本格実施されることになりました。みずから学び、みずから考え、判断する力を身につけるという総合的な学習のねらいを考えますと、海、川、水の問題、特に水の循環を下敷きにした身近な自然や、それと私たちの生活とのかかわりについて学習することは、この総合的な学習の対象としてぴったりではないかと思います。
そんな思いから、日本財団では、このセミナーを企画させていただいております。このセミナーは、ことし3月に続いての第2弾でございます。このセミナーが、皆様のお役に立てば、大変うれしく思います。また、学習活動の一環として、皆さんの学校で、海、水に関する学習を行うための講師を必要としたり、ボートやカヌー教室を企画したり、あるいは海、船に関する博物館展示等を探したりする場合には、私たちのほうでもそのお手伝いをすることができると思います。さらに、博物館の海、船などに関する企画展示に対しても支援をしていきたいと考えております。どうぞ何かございましたら、私どものほうにご遠慮なく相談をしてみてください。
今回のセミナーでは、放送大学や恐竜の研究などでおなじみの濱田先生、中央大学の西田先生、東京大学の木村先生とそうそうたる方々に講師をお願いしております。これからの数時間が有意義なものとなりますようにご期待申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
