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年に2回特別例会があります。8月がキャンプ、12月が忘年会で、宿泊交流になっています。北海道は広いし、十勝も広くて、この時しか会えない会員さんもおられるので、子どもと家族の成長を確かめ合える貴重な時間です。また、毎年新しい家族のデビューがあるので、楽しみもたくさんで数少ないお父さんの親睦の場にもなっています。

役員会は定例では月1回、必要のある時は臨時開催もしています。今年度は一気に5人も役員が増え、いろんな意見が出て、活動の幅も広がりそうな気配です。

通信「はるにれ」は月1回発行していますが、賛助会員の方々、遠方の方、まだ例会に参加するのは難しい方は通信だけを読んでおられたりしますので、情景が浮かぶように工夫するのがとても大変なのですが、頼りにしておられるであろう会員さんの一人ひとりのことを思いながら発行しています。また、できるだけ多くの情報を、差別や区別をしないで知らせるという努力もしています。選択肢を多くしたいので、自分たちのほうから壁を作らないようにしています。

 

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フォーラム・討論交流。

 

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野外バーベキュー。十勝平野の自然の中で。

 

行事の位置づけは、心身ともに疲れ切った親子が、ゆったりと楽しみながら人との信頼の絆を深め、問題解決の主体者になれる元気を獲得することを基本にしているので、当日になって急に参加したり、取りやめたりも気がねなくできることをわかってもらうようにしています。多くの子どもたちは、人を求めているのに一歩が踏み出せず、参加すると言っても参加できなかったらどうしようと、心も体もがんじがらめの状態になっています。だから、約束どおりできなかったと責められることも、責めることもないのだと安心感を持ってもらえるようにしています。

その安心感が、行ってみようかなという気につながって、思い切って参加してみたら楽しかったなんて話をよく聞きます。そして、後から参加して来る子に、自分が受けとめてもらったのと同じように接することができたりするようになります。また、子どもはひとりずつ違いますから、その歩みは一様ではないことも、口で言うよりも行事の中で一目でわかったりして、大人にとってもとても良い学習の場になっています。

帯広氷まつりはたくさんのお客さんが来る場所で、同じ年頃の子どもたちもたくさん来ます。本当ならば、このような場所に出て行くのは、不登校、引きこもりの子たちにとってはいちばん大変なことなのですが、現在17歳のK君は、中学2年の時昼夜逆転状態のなか参加しました。そして同じ年頃の不登校の子と知り合い、自分だけが苦しいんじゃない、自分もちゃんとできることがあると自信がわいて来ました。

 

 

 

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