日本財団 図書館


楽校長は、地球では子どもが一番という考え方で、子どもたちに悪い子はひとりもいない、いるとすれば大人が悪いんだと思っています。大人が変わらないといけないと、私自身が子どもの幸せを奪っていると…。

良一君は、次の日から学校へ行ってくれましたが、3日後から行けなくなったそうです。それは、彼がせっかく校門まで、校長室まで行けるようになったのに、先生が終日、学校での勉強を進めたためだと思います。

それからは、彼は週1回から月1回来てくれるようになりました。

 

変化

良一君の父母は悩み、育て方を反省し、10カ所近くの相談所・カウンセリングに面談したそうです。しかし、尋ねられるのはいつも、良一君がおなかにいた時の環境、夫婦の環境、近所の環境などばかりで、悩みを大きくするだけでした。父母は悩み、家族心中(自殺)まで考えたそうです。傷つけられ、悩まされたあげく、自然楽校・未来船にやってきました。

そして、楽校長より「育て方にまちがいなし、今までの環境は最高でしたヨ」と言われ、安心して帰宅しました。父母は、一日中うれし泣きをされて、良一君もここなら行けると決めたそうです。

良一君は、ミニバレーボールとバトミントンが大好きだったので、来てくれる日には必ず、親子と仲間たちとでそれをしました。初めは、ただ楽しむだけですが、何日か過ぎると勝負を決めるようになり、勝った人やチームが、負けたほうに何かをさせることができる環境にしました。勝負を通して、スポーツを通してたくましい心身を育てて欲しいと思ったからです。

良一君の場合、たくましい心身を育てることで復学をしてくれたと思います。

今は週2回から3回ですが、中学校へ通い、2001年4月からは通信教育で高校の資格を取るそうです。がんばりましょう、良一君。

 

良一君・家族へ

良一君は苦しいが、両親も苦しい。両親は自分たちのために楽しんで欲しい。両親の喜びが良一君の喜び、両親の幸せが良一君の幸せ。子どもが大人の年齢に近づけば近づくほど、親が楽しんで欲しい。それは子どものためだと、信じ込まないで欲しい。子どもが不登校だからといって、親の生き方まで犠牲にしないでいいということです。

親が自分らしく生きるためには、親を捨てること、子どもを捨てることから始まります。私はあなたたち家族に会えて、とても幸せです。私こそありがとうを言いたいです。

ありがとう、良一君と家族。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION