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今、これを読まれている大人たちへ。決して今に流されないで下さい。どうか、子どもと、ウソ偽りなく、真正面から正直に向き合う姿勢でいて下さい。必ず、子どもに伝わるはずです。決して、“普通ものさし”で子どもを見つめないでください。決して諦めず、親を放棄しないで下さい。想いは、伝わります。伝わるはずです。

そして、卒業式当日のよく晴れた寒い日、母と仲間と、仲間の母たちと共に学校へ。教室中、学年中がざわめき、まるで芸能人のようだった。式の時、席がFさんと偶然隣同士だったので、Fさんに「今までありがとう、今日は頼むよ」と言うと、Fさんは、「まかせて、教室で会えてうれしいよ」と返してくれ、緊張することなく式に向かえた。1組の6番目にM担任より呼ばれ、校長より、「よく頑張ったね」。そして、体育館中は、拍手喝采。無事に式は終了。

教室に戻り、最後の通知表がM担任より手渡される際、M担任は自分に頭を深く下げ、ひと言「今まで、ゴメンナサイ」と、涙を少し光らせながら謝罪した。その瞬間“勝ったんだ、大人たちに”。12歳のガキが、蟻が象を動かしたように。ひとりぼっちのクーデターが、“大人”を動かした。12歳に悔いなし。12歳にありがとう、12歳にさよなら。

今となってみれば、18年前の不登校は、大きな財産になっている。

最後にひと言、不登校生諸君、“死なないで”。必ずいつか、いつの日か、その経験が人生の糧となり、笑って話せる時代が訪れます!!

 

追伸

最後までお読みいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

さしつかえなければ、中島みゆきさんの“時代”という曲を聴いていただきたい。この曲により、“勇気”、“希望”、“愛”が与えられ、励みになります。

 

 

 

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