自分が3年かかって考えて認められないでいたことと、同じようなことを言われたのです。その後何回か会うたびに、人間の心の仕組みや、今私自身に起きていることをわかりやすく話してくれたのです。
さらに、カウンセリングセンターの付属施設として全寮制フリースクールがあるから、もっと人間の心について勉強してみないかと勧められました。
私の中で、悩み込んでつらく苦しかった3年間をむだにしないで、自分が前進できる方法が見つかった瞬間でした。
フリースクールでは、自分と同じく悩み苦しんでいる人たちとかかわりながら、カウンセリングの勉強を始めました。自分に足りないものが、どんどん発見できる毎日でした。ひとりの生活では気づかないことが、たくさんあることがわかりました。
自分が勉強してわかったことを人に提供することによって、また勉強になる。相手とお互いに成長しあえる関係が築けるようになったのだと思います。
所感
私の場合、引きこもりのキッカケはあまり印象にないのです。裏を返せば、どんなことでもキッカケになったかも知れないと思っています。あの時に引きこもらなくても、いつかは引きこもっていたと思うのです。自分の心を処理する力が不足していたということでしょう。
引きこもっている間はとてもわずらわしかった両親の声がけが、結果的にカウンセラーとの出会いを生み、フリースクールへの道へ続くことになりました。家族以外の第三者の力添えが必要になった時、両親がその窓口になってくれたことを、今でもうれしく思います。自分ひとりでは、さらに長い時間引きこもることになったでしょうから。
フリースクールでの、人間の心についての実践的な勉強が、今の私を維持していると感じています。私は現在、自分が勉強したフリースクールで働いています。自分が力を貸してもらったように、今度は私が力になってあげられればと思います。