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私の中学2、3年の担任の先生も、1を付けることに申し訳なさそうにしていたし、謝っていた。私はうれしかったと同時に、社会のシステムに憤りを感じた。もちろん、評価が1であることは、その子の人間性を否定することにはならない。

社会はまだまだ認識も低いし、変えるべきものはたくさんある。しかし、そのことで子どもに苦痛を与えてはならない。

今求められているのは、子どもの声を聞き、目線の高さを合わせることではないだろうか。子どもの声を一笑に付すのではなく、しっかり聞くことではないだろうか。どの子も、人間として尊重されることが必要ではないか。そうすれば、子どもの苦しみを知ることができるだろう。

 

今を苦しむ君へ

ここまで書くと暗くなってしまうかもしれないが、忘れないで欲しいのは、それらと闘っている人がいるということ。つまり、君たちを認めてくれる人がいる。罪悪感を感じることはない、劣等感を感じることはない。君は、君として存在する。自分の気持ちを大切にして、疲れたら休んでもいい。僕は7年間登校拒否をしたが、しっかりと生きている。フリースクールで勉強を始めた時は中学2年だったけど、分数やアルファベットの小文字からだった。

そんな僕でも、大学に行けた(大学に行くのがすごいことではないけれど)。僕が特別ではない。僕は同じような人を、たくさん知っている。始めるのに、遅いも早いもない。大丈夫。

あるがままの自分を好きになって欲しい。弱くたっていい、君は、君だから。

そして、いろいろなものと出会って欲しい。その経験が、君という人間を豊かにしていく。君は、この苦しみを乗り越える力を、必ず持っている。それを信じて。そうすれば、必ず乗り越えられる。あとは、君次第だ。

 

 

 

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